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2010-05-01[n年前へ]

女子学生の恋人選び方 実験編 

 少し前、女子学生相手に、こんな実験をしてみた。実験として出した「お題」は、「これから20人が登場します。順々に人が登場します。といっても、登場するのは”あなたとの相性を数値で表したもの”だけです。あなたは、(順に出てくる相性数値を眺めながら)この人を恋人に選ぶ、と決めたところで、手を挙げてください。あなたは、手を挙げた瞬間の相手を選ぶことになりますから、すでに登場した前の人を選ぶことはできませんし、それ以降に登場する人を選ぶこともできません」というものである。この「お題」を出した時に、どのような選び方をするのかを知りたかったのである。

 ちなみに、女子学生に見せる数値は、20人1セットの実験を始める前に、平均値と分散を適当に決めた正規分布乱数である。20人1セット内では平均値と分散は変化しないとはいえ、その平均値や分散は、相性数値を眺める被験者はわからない、という条件である。

 面白かったのが、女子学生が全員「最初の数人分の数値に関してはただ眺め、どういう相性数値が出てくるのか、つまり、平均値はどの程度でバラツキはどの程度なのかを、最初の数人を眺め・見極めた上で、相性数値が上位に入る人のところで”手を挙げる”という選び方をした、ということだった。とても興味深い事に、被験者はみな同じような選び方をしたのである。この選び方は、数学が導く理想の選び方、とほぼ同じである。

 その結果、被験者全員が「(コンピュータが用意した)20人の相手の中から相性数値がベスト3に入る相手を見事に選んだ」のだった。

 女子学生の直感(あるいは、推論・予測能力というべきか)は、恐るべき精度を持つものだと驚かされたのである。

2010-05-02[n年前へ]

女子学生の恋人選び方 ”あなたも挑戦してみよう”編 

 今日は、女子学生の恋人選び方 実験編でやってみた「これから20人が登場します。順々に人が登場します。といっても、登場するのは”あなたとの相性を数値で表したもの”だけです。あなたは、(順に出てくる相性数値を眺めながら)この人を恋人に選ぶ、と決めたところで、手を挙げてください。あなたは、手を挙げた瞬間の相手を選ぶことになりますから、すでに登場した前の人を選ぶことはできませんし、それ以降に登場する人を選ぶこともできません」というお題を、あなたも試してみる・体験してみることができるようにしてみました。

 下にあるのが、その道具(フォーム)です。JavaScriptの正規分布乱数関数を使い、20人分の「相性数値」をボタンを押すたびに順々に(1人分の数値づつ)出力します。出力される「相性数値」は数値が大きい方が「相性が良い」ということを示します。20人分まで出力すると、一旦止まり、また初期に戻ります。

 正規分布乱数の平均値と偏差は固定されています。だから、この記事のソースを眺めれば、どんな正規分布乱数であるかがわかってしまうことになります。つまり、どんな「人たち」が登場するのかを、おおよそ予想することができてしまいます。とはいえ、そんなカンニングはせずに、ぜひ、順に並ぶ数値群から、どんな人たち(数値群)が登場するのか想像してみてください。

そして、20人目まで(20人目を含む)の間で、「この人(数値)を選ぶ」と(相性数値が出た瞬間に)決めてみてください。そして、さらに、自分が選んだ数値が20個の数値の中で一体上から何番目に位置していたか、ということを調べてみてください。その結果が、あなたの「選び方能力」ということになります。

 「(コンピュータが用意した)20人の相手の中から相性数値がベスト3に入る相手を見事に選んだ」女子学生たちを、あなたは超えることができたでしょうか?それとも、全然ダメだったでしょうか…?

 ところで、登場する相性数値から平均値・分散を直感で刻々予想し、あなたが想像した予想平均値・分散の変化推移を眺め直してみても面白いかもしれません。そうすると、自分がどんな風に考え・予想をしていたかを、自分自身で改めて知ることができ、ちょっと不思議な気持ちになることでしょう。

2010-12-29[n年前へ]

未来を予測する「ケータイ・デジカメ」 

 auのアンドロイド・ケータイIS03のカタログに乗っていた「”笑顔を検出しシャッターを切る”笑顔フォーカスシャッター」「”振り向いた顔を検出しシャッターを切る”振り向きシャッター」を見て、つらつら考えごとをしました。

 「いつ振り向くかわからないこどもをとる時に」「不意の笑顔を残すために」こうした技術は多くのデジカメに搭載されていますが、こうした技術のさらに先にあるものはどんなものなのでしょうか。

 表現力のある写真を撮ろうとするとき、大事なことのひとつが「未来を予測する」ということだと思います。「どういう状況になれば色が鮮やかに見えるか」とか「どういう構図なら距離感や空間の広がりを上手く表現することができるか」とかいったことを知った上で、「そういう状況になる未来」を作り出したり・待ち構えたりすることが大事なのだろう、と思うのです。

 午後遅くに雨が降れば、植物も建物も水に濡れ、表面での拡散反射光が減り、そのもの自身の奇麗な色が見えてきます。水滴は奇麗だし、東の空には高い確率で虹が見えてきますから、夕立が止みそうになったら、東の空を見渡す景色が奇麗な場所へと走れば、きっと奇麗な景色をレンズの向こうに眺めることができます。

 そんなアドバイスを、いつも持ち歩くケータイ・デジカメがしてくれる時代がすぐに来そうな気がします。・・・となると、一番欲しいと思える「ケータイ(いつも持ち歩いてナンボですから)・デジカメ」は、未来を予測して・その理由や背景を解説して教えてくれる、そんなものであるような気がします。

 そういう未来予測は「人」自身ができたらいいなとも思いますが・・・。



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