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2010-03-23[n年前へ]

「自分ならできるというその自信。」 

角田光代・鏡リュウジの「12星座の恋物語 」を読む。

 そうだあのとき、あたしは彼をうらやましいと思ったんだ。…でかいことをしたいと公言できるそのシンプルさ。自分ならできるというその自信。そして実際、自分の手のひらで、自分の足で、未知の世界にぐんぐん分け入っていこうとする、その強さ。あたしにはないものばかり内に秘めている彼。

 「こんなものを作りたい」と思ったなら、自分一人で作る。いつも、そうすることができれば、それが一番気楽でよいと思う。

 けれど、自分一人では作れないものがある。そんな複合的なものを、そんな大きなパズルを、もしかしたら作れるかもしれない、と思ったこともある。けれど、そんなものを、きちんと作ることができなかったことを、思い出すたび、いつも後悔する。パズルのピースを失くしたことを、いつも情けなく悔しく思う。

2010-03-25[n年前へ]

「個性の差異」や「感情や思考」と「行動」と 

 十二の星座、それぞれの男女、全部で二十四人を主人公にした二十四の物語 角田光代・鏡リュウジの「12星座の恋物語 」から。

 すべての人が星座によって十二パターンの性格に分類できる、とは私も信じていません。(中略)私が書きたかったのはむしろ、人の差異でした。十二人集めたら十二通りの個性があり、二十四人集めたら二十四人分の個性がある。自分の思考回路や行動原理がいつも正しいわけはなく、まったく異なる人もいる。また、頭では正しいことがわかっているのに、いつもいつも正しいことばかりできるはずもない。という、そのことを、この短い小説で書けたらいいなあと思っていました。

 男性、女性、それぞれの星座の色々な人たち、そんな二十四人の物語を、読みたい星座の読みたい性別から適当に読み進めていくと、「あぁ、これが物語というものなんだ」と実感させられます。



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