2010-04-22[n年前へ]
■物理現象のメカニズムに着目した設計最適化ツール
「物理現象のメカニズムに着目---CDAJが設計最適化ツール「modeFRONTIER」の新版を発売」
一般に製品設計などの際、数多くの設計パラメータが相互に影響し合うと、製品で起きている物理現象を推測するのが非常に難しくなり、設計を最適化できなかったり、不具合の要因となったりする。そこで、設計パラメータと目的関数の挙動から物理現象を推定し、それに基づいて不具合の発生メカニズムを理解して設計の最適化を図るのがCAPの目的だ。
大まかには(1)設計因子や評価項目を設定する、(2)シミュレーションによるパラメータ・スタディーを実施する、(3)階層的クラスタリング手法によって類似のデータを分類する、(4)設計因子同士の影響に着目して、物理現象のメカニズムの仮説を立てる---という手順で分析する。合理的なメカニズムの仮説が得られない場合は、(1)または(3)に戻る。技術者は、こうして得られた仮説を基に現象を理解し、新しい設計指針を作る。
2010-05-10[n年前へ]
■遺伝的アルゴリズムを使って数独を解く
Solving Sudoku with genetic algorithms(遺伝的アルゴリズムを使って数独を解く) というブログエントリを読んで,遺伝的アルゴリズムの入門記事として面白かったので紹介。
遺伝的アルゴリズムとは,生命の遺伝の仕組みを模した方法を使って解を探索する手法のこと。データを遺伝子で表現した個体を複数用意し,適応度によって個体を選択し,遺伝子に突然変異を起こしたりして解を探索してゆく。(中略)上記エントリでは,この遺伝的アルゴリズムを使って数独の問題を解く手法を紹介している。
2013-11-19[n年前へ]
■「安全・品質」のためにかける「コスト」
車の急加速事故に関する記事を読み、品質や安全性を上げるために「コストをどの程度費やす」ものだろうか?と考えました。何か「とても常識っぽいこと」「みんな常識的に知っているのだろう」というのようなことを、今日はふと考えました。
品質や安全性を高めるための作業やコストを費やすと、(品質や安全性が上がる結果)問題が生じることにより失われる「損失の量」が単調に減少していく・・・という右上図に描くような関係が、(非常に単純化されてはいますが)よくありそうなモデルに思えます。こういったモデルで「どの程度のコストをかける」のが適切なのでしょうか?
品質や安全性を上げるためにコストを掛けると「問題による損失」は低減していきますが、あまりにコストを掛けすぎると、(品質・安全性を高めるためのコストを全くかけなかった場合の)「問題による損失の最大量」を作業コストが上回ってしまいます。さすがに、これでは本末転倒でしょうから、いくら何でもそこまでコストを掛けるのはムダそうです。
となると、「問題による損失」と「品質や安全性を上げるためのコスト」の和が最小になる状態というのが、「品質や安全性を上げるための適切なコスト量」ということになるのでしょう。そんな図(右図)を「品質や安全性を上げるためのコスト=x」「問題による損失と品質や安全性を上げるためのコストの和=g(x)」を描いてみると、つまりは、d g(x) / dx == 0 となるとき「問題による損失」と「品質や安全性を上げるためのコスト」の和が最小になり、それが最適コストなんだろう・・・というように見えてきます。
d g(x) / dx == 0 ということは、「(作業量に応じた)問題による損失量=f(x)」とすると d f(x) / dx >= -1 ・・・つまり、単純に、「品質や安全性を上げるためのコスト」を掛けても「問題による損失の減少」がそれに値する程度でなくなってしまうということを言ってるに過ぎません。
それでは、この「(作業量に応じた)問題による損失量=f(x)」の形状が未知だったらどうすれば良いのかとか、これらのグラフの縦軸に「生み出される価値」も足し合わせてみたらどうなるか・・・とかいったことを、あるいは、原子力発電やありとあらゆる工学の産物に関したことを、暇な時にラクガキスケッチでもして考えを巡らせたくなります。
2015-02-28[n年前へ]
■科学が解き明かす「ウォーリーを探せ」の必勝法
「ウォーリーを探せ(原典版7冊)」でウォーリーが出現する場所の分布を調べてみると、面白いことに偏りがあります。そこで、効率的に素早くウォーリーを探すにはどうしたら良いかという探索最適化を、これまでの研究者たちの研究報告を踏まえて(これが結構あるんです)、研究してみたのがWolfram BLOG の Find Waldo Fasterです。ちなみに、これまで報告されている研究結果においては、上限端と(上下の)中央を除いた2箇所で横方向に対してウォーリーを探す、というのが最適解とされていました。たとえば、下のアニメーションは、見開きページのウォーリーが隠れてる場所が、上限端と(上下の)中央を除いた2箇所辺りに集中している…ということを示した例になります。
今回の最新最適解は、ページ上下は探さなくて良くて、左右の見開きページに渡って2.8インチ(7cm)幅の逆V字を描くように探していけばウォーリーを素早く見つけ出すことができる…というものになっています。
ちなみに、左右ページでのウォーリー出現分布、なぜか上下反転した類似形状になっているようにも見えます。描く上での事情なのか、探しにくさを考えたためなのか、あるいは印刷安定性を考えたせいなのか…そんなことを考えてみたりするのも、何だかとても面白いです。
2015-05-09[n年前へ]
■自転車乗りつつ投げ入れることに最適化されたような「ダンクシュート的ゴミ箱
自転車王国に「普通」にあって、けれどそれを意外に感じたのが、この自転車乗りつつ投げ入れることの最適化されたような「ダンクシュート的なゴミ箱。…さて問題です。自転車に乗り・(地球表面上で)手から離したゴミがこのゴミ箱が自然な軌跡で入るとしたら、自転車に乗る人たちの平均時速はおよそ何kmになるでしょうか?