hirax.net::Keywords::「相撲」のブログ



2009-06-08[n年前へ]

「コレステロール番付」で食生活を考える 

 街を歩いていると、「コレステロール番付」という張り紙を見かけた。「コレステロールを多く含む食品力士」と「コレステロールの少ない食品力士」を番付表にしたものである。「コレステロールを多く含む食品力士」の横綱は鶏卵、続いて大関はうなぎ蒲焼である。関脇 鶏レバー、小結 牛タンと、その後は続く。いつも食べているものばかりなような気がするけれど、これらは「控えたい食品」だそうだ。

 一方、「コレステロールの少ない食品力士」の方は、横綱 豆腐で、大関 赤身まぐろ、関脇 鶏ささみと続いている。こちらは、「摂りたい食品」ということである。ツナ缶とか、食パン・ゆでうどんといった、貧乏学生時代によく食べた食品が並んでいることに、少し驚かされる。あのビンボー食生活は、低コレステロールの健康的な食事メニューだったのだろうか?

 もちろん、そんなことはなくて、バランス良く栄養素を摂ることが大切なはずである。コレステロールを摂取しすぎることはいけないのだろうが、炭水化物過多になってもいけないだろうし、鉄分・ミネラル・カルシウム不足だっていけないはずである。だから、「コレステロールを多く含む食品力士」の関脇 鶏レバーや、前頭 ししゃもだって、やはり控えてばかりじゃいられないに違いない。

 しかし、このチラシは面白い。こういう風に見せるアイデアも楽しいが、一見同じような食品なのに、コレステロールの量が全然違っていたりすることにも新鮮な驚きを感じる。その最たるものが、コレステロール番付の「張出横綱の卵黄と卵白」だ。同じ卵の中にいるものなのに、両極端で全然違う。

 味付きゆで卵をひとつ食べる時、口の中では、東と西の両張出横綱が舌という土俵の上で睨み合っているのだ。味わい深いのも当然なのである。

コレステロール番付






2011-02-13[n年前へ]

ガチンコと八百長を俯瞰した時の「ソン」と「トク」 

 「貴乃花が八百長相撲を嫌い、ガチンコ相撲を貫き通していたこと」を書いた記事を読み「なるほど、相撲の道を追求し続けた貴乃花だ」と感じ入りました。けれど、それと同時に、中島隆信「 大相撲の経済学」の第六章の中の「八百長は本当に悪か」という一節を思い出したのです。

 ここで問いたいのは角界の八百長を絶滅することが本当に社会にとってプラスになるのかどうかという点である。(中略)力士のケガは、体重増など体力的な原因が確かに大きいだろうが、一面では真剣勝負の現れともいえないだろうか。
 そして、この一節と同時に、第九章で書かれている、(平成14年当時)7場所連続休場していた横綱貴乃花に対して、「土俵に上がり出場した上で、横綱の責任をまっとうできないときは、自ら身体を決してもらいたい」と横綱審議委員会が引退勧告に近い注意を貴乃花に対して行っていたことを書いた一節も思い出したのです。ガチンコを続けたという横綱は、史上で一番、土俵に上がることができなかったのでした。

 大相撲が興行を続けて行く上で、「八百長」と「ガチンコ」のどちらかだけが100%だとしたら、きっとうまくないのだろう、と感じさせられます。貴乃花はひとつの頂点だけれども、みんなが貴乃花だったとしたら、定期的な巡業をすることもできない相撲集団になっていたのかもしれない、とも思わされるのです。



■Powered by yagm.net