2008-06-07[n年前へ]
■「あだち充のH2」と「夏の始まり」
あだち充のマンガは読んでいた、けれど、「みゅき」や「タッチ」、もしかしたら「ラフ」くらいを最後に久しく読んでいない、という人もいると思う。R35世代、35-45歳くらいの人たちであれば、きっとそんな人が少なからずいると思う。
「たいていのスポーツは、勝った試合より負けた試合から多くを学ぶもんだろ」
あだち充 「H2 」
そんな人は、特に男性は、あだち充の「H2」を読むといいと思う。「何をいまさら当たり前のことを」と言われそうだが、「H2」は(今の時点での)あだち充の最高傑作だ。特に、コマに描かれる事柄から少し離れ、このマンガに描かれている人々を読み眺めてみると、本当にいい。このマンガに出てくる登場人物は、全員が何らかの敗者で、だからこそ輝いている人物ばかりだ。あだち充は「タッチ」までというR35世代の男性は、ちょっと読んでみるといい、と思う。
「俺たちもう終わっちゃったのかなぁ?」
「まだ始まってもねぇよ」
北野武 「キッズ・リターン」
2009-02-10[n年前へ]
2009-10-30[n年前へ]
■どの年代の人々にとっても本当は言えること
万城目学のエッセイ集「ザ・万歩計 」から。
(ラスト)すっからかんになって、また高校の校庭に自転車で戻ってくる主人公の二人。最後のシーン、シンジがマーちゃんに言う。
あれは別に若者を意識した言葉ではなく、そのとき北野武が抱いていた「素」の気持ち、等身大の言葉だったのではないか。長い芸人生活を通じ、たけしは四十を超えてブレイクする人、二十年間苦渋を嘗め続ける人、たくさんの人間の生き様を見てきたはずである。
どの年代の人々にとっても本当は言えることを、たけしは若い二人に言わせたのではないか。
「俺たち、もう終わっちゃったのかな」
「馬鹿野郎、まだ始まっちゃいねえよ」
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