2009-05-14[n年前へ]
■5月18日公開の新検索エンジン「Wolfram|Alpha」を動かすシステム
5/18に一般公開されるWolfram Researchが作った新検索エンジン「Wolfram|Alpha」に関する記事、 「新検索エンジン「Wolfram|Alpha」、スパコン環境で高度な処理に対応」から。
Wolfram Researchは5月12日、同社の公式ブログWolfram|Alpha Blogの中で次のように述べた。「トラフィックの量を正確に予測するすべはないし、公開してから間もない初期のうちは特に予想がつかないが、当社は妥当なキャパシティを確保すべく懸命に努力している。われわれは、すべてのビジターに対して計算可能な知識を提供するのに十分な計算能力を持てるだろうか? そうなるよう願っている」
「R Smarr」と呼ばれるシステムは、TOP500 Supercomputing SitesのページとDellのケーススタディ(PDF)によれば、4608のプロセッサコアを備え、576のクアッドコアを搭載した「Xeon」マシン「Harpertown」、6万5536Gバイトのメモリ、および高速なデータ転送接続規格「InfiniBand」を使用するという。R Smarrはまた、「Red Hat Enterprise Linux」および「Microsoft Windows HPC Server」の両OSを使用する、とDellの資料に記載されている。
Wolfram Researchによれば、Wolfram|Alphaのリクエストには、5カ所のコロケーション設備から対応するという。このプロジェクトでは実際、スーパーコンピュータを2台用意し、合わせて1万近くのプロセッサコアと数百テラバイトのハードディスクが確保される。
2009-06-18[n年前へ]
■男の人に多い、頭が図書館の人。
「ユリイカ2006年7月号 特集*西原理恵子 」での みうらじゅん と 西原理恵子 の対談から。
西原理恵子:男の人に多い、頭が図書館の人。ものすごい知識があって、何を言ってもその歴史なんかを知っていて魅力的なんだけど、経験則がないからすぐにバレちゃう。辞書の中で知っているジェノサイドや残酷な歴史を紐解いてもらっても困る。実際にその場で血や膿や銃弾の匂いを嗅いでいないと、聞いていてちっとも面白くない。中学や高校の教師の授業とまるで同じ話になってしまう。
2009-08-02[n年前へ]
■質問・回答サイト・データの解析タスク
「質問・回答サイト・データの解析をしてみよう」という「タスク参加者募集:NTCIR-8 コミュニティQA・パイロットタスク」を知った。これは、とても面白そうだ。
今回、幸いにも、Yahoo! Japan社から、大規模なYahoo!知恵袋コーパス ver.2 *を提供いただける運びとなり、それを用いたパイロットタスクを以下のように企画しています。
1.タスク:
A. メインタスク: ベストアンサーの推定
B. サブタスク: 質問タイプ分類
* Yahoo! 知恵袋*コーパス ver.2**。約1億件。約2600万質問とそれについての回答データ7600万件、合計およそ100GB。言語は日本語。
質問・回答サイトは数多くある。しかし、質問者の「問い」に対して、質問者の聞きたいことを質問者のレベルに合わせて説明している回答はあまりないのが実情であるように思う。そしてまた、それらの質問・回答を「質問・回答サイト運営者」が有効に再利用できているかというと、もう少し言い換えれば、(サイト運営者が利益を得る顧客となりうる)「第三者」が有効に再利用することが容易な形の「知識」という形に(それらの質問・回答が)変換されているかというと・・・残念ながら未だそういうレベルには消化されていないように思われる。
しかし、そんな風に眺めているだけではつまらない。今回のような「パイロットタスク」が与えられたなら、きっと上手い「知識生成ツール」を作り出そうと思い立つ人が多くいるに違いない。もちろん、そこからは、「知識生成ツール」が実際に作りだされるに違いない、と思う。
2009-08-19[n年前へ]
■こっけいな「知的生活」
外山滋比古「ライフワークの思想 (ちくま文庫 と 1-4) 」は必読だと思う。この本の「再考知的生活」から。
一発で勝負、何かうまい手はないか、と考える。自分で考えるより、こっそり教えてもらった方が手っ取り早い。どこかに書いてあるのではないかというので、本を読む。それを知的生活のように錯覚しているとしたら、こっけいである。
かりにおもしろい知識をどっさり頭に詰め込んでも、成金のお金と同じで長くは身につくまい。
2009-10-07[n年前へ]
■「細切れの知識」や「あるあるネタ」と「腹持ちのする豊かな知恵」の違い
無料の「ネット記事」を読むなら、無料の「GRAPHICATION」も読みませんか? の続きです。
「GRAPHICATION」の良さは、時代を映す内容を(時には時代に先駆けて)、限りなく豊かな知恵を伝えながら、それでいて実に新鮮に面白く読むことができるところにあります。今月の執筆者を見ても、その充実度がわかると思います。しかも、驚くべきことに、エッセイ連載陣すら、特集テーマのもとに文章を書き下ろしているのです。
わたしがGRAPHICATIONが好きなのは、そこに詰まっているものが「細切れの知識」ではないからです。細切れの断片だけをクローズアップした知識であれば、週刊誌やテレビの「あるあるネタ」、あるいは、短いネット記事でも見れば十分です。
けれど、分厚く、食べる(消化する)のに時間がかかり、逆に言えばとても腹持ちのする「知恵」は、週刊誌やテレビ・ネット記事では提供できません。「細切れの知識」や「あるあるネタ」は次の日の会話や、その瞬間の疑似知識欲を満たすにはとても役立つように見えます。…けれど、長い時間を考えてみると、少しつまらないな、と感じられてしまいます。雑誌が、「知る喜び」という言葉の対象を、(一時の人気が出がちな)「細切れの知識」や「あるあるネタ」にフォーカスしてしまうなら、それなら、そんなことは「テレビ・ネット記事」で流し見すれば良いのではないか、と私は思います。「知識欲」と「知恵欲」は違うと思います。本当に長く役立つものは、断片的な「あるある・知っ得」的知識ではなく、知恵が指し示す先にあるものだと思います。記憶すれば・覚えれば良いであれば、(記憶量が決して多いとは言えない)人間にとって、そこに果たして一体何の価値があるのでしょうか。
GRAPHICATION(グラフィケーション)の良さは、「細切れの知識」を並べただけのものでない、すぐに役に立つかどうかはわからないけれども「確かに豊かな知恵」が詰まっているところにあります。腹持ちのする、胃袋に確かに居続ける、そんな時を経ても確かに残り続ける堅い知恵を、決して重くない言葉として綴っているところにあります。
さて、GRAPHICATIONの定期購読申し込みはされたでしょうか? 今では稀有といっても過言でない、密度の高い雑誌が無料で送付されてくるのですから、申し込まなければ「決して長くない人生もったいない」と思います。決してあなたに損はないと思います。無料の「ネット記事」を読むのであれば、無料の「GRAPHICATION」も読んでみませんか?損はさせない、と思います。