2005-02-10[n年前へ]
■北斎QuicktimeVRと浮世絵立体視
北斎の「神奈川沖浪裏」をQiucktime VRでレンダリングした"OLD JAPANESE UKIYOE PICTURE TECHNIQUES" デキはともかく、何だか発想が面白い。
浮世絵で立体と言えば、「北斎の浮世絵で立体視」や「広重の浮世絵で立体視」も眺めてみると、とても面白いかも。
2007-12-18[n年前へ]
■プルフリッヒ効果による立体アニメーション「家なき子」
明るい画像と暗い画像を同時に眺めても、暗い画像は明るい画像よりも「遅く」知覚される。もしも、片目だけサングラス(暗いフィルター)をかけて何かを眺めれば、暗いフィルターを通して眺めている目が捉える画像の方が、遅く知覚される。つまり、左右の目で眺める画像間に「時間差」が生まれる。
もしも、左右方向に動いているものを、片目サングラス状態で眺めれば、左右の目から眺める画像の間の「時間差」が左右の位置差、すなわち、「視差」になる。ということは、「片目サングラス+左右の動き=立体視」ということになる。
こんな原理の立体錯視がプルフリッヒ効果(錯視)"The Pulfrich Illusion"である。このプルフリッヒ効果を使ったアニメーションが「家なき子」だった。左目だけサングラスをかけて、下に貼り付けた動画を見れば、奥行き方向に広がりのある世界を眺めることができる。遠くのものは左から右に動き、手前のものは右から左に動くように描かれているために、片目サングラスでプルフリッヒ効果が生じると二次元の画像が立体的に知覚されるのである。
平面的な画面を眺める作業に疲れたら、こんな平面画像を立体画像に変えるアニメーションを眺め、リフレッシュしてみるのも良いかもしれない。
2007-12-29[n年前へ]
■未来の立体ディスプレイが目の前にいる
Head Tracking for Desktop VR Displays using the WiiRemoteを見た。 Wiiリモコンの先端には赤外線カメラがついていて、赤外光を発する点の座標などを検出して、BluetoothでPCに送信することができる。その機能を使い、赤外レーザーダイオードをメガネにとりつけたユーザの顔位置をWiiリモコンで検出し、その位置に合わせた画像を描画するというシステムだ。結構面白い。
前に『「未来の立体ディスプレイ」を作る』で遊んでみたディスプレイも類似のテクニックを使った立体表示法だ。Head Tracking for Desktop VR Displays using the WiiRemoteがディスプレイが固定されていて、そのディスプレイに対して動くユーザ視点を検地するのに対して、Thinkpadの加速度センサを使った立体ディスプレイの方は、固定されているユーザ視点に対して(位置を変える)ディスプレイが動く、という違いである。Wiiリモコンでなく普通のビデオカメラで同様なことをした例であれば、「ViewFrame2-マーカレス顔部検出手法を利用した“ViewFrame”-」などがある。
誰もが携帯電話や、人によっては、PDAを持ち歩いている。そして、それらの機器には加速度センサや小型カメラといった各種センサが搭載されている。つまり、上にリンクしたような「立体表示」が可能な機器を私たちは持ち歩いている、ということだ。だから、未来の立体ディスプレイがもうすぐ手に入るような気がする。
そして、「視差がないのに立体を表示するディスプレイ」の課題を解消するための鍵は、実は「遠山式立体表示法」の効果原理にあるかもしれない、と素人考えをすることがある。遠山式立体表示法の大きな効果は(そういう発表記事を見たことはないのだが)目のピントが合う領域をごく限られた部分だけにすることができるところに実はあったりするのではないか、と思うことがある。だとしたら、傾けたディスプレイ・デバイスで立体表示すると非常に効果的ではないだろうか、と妄想したりするのである。