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2008-06-25[n年前へ]

BOSEの「スピーカ」と「サスペンションシステム」 

 板を振動させ空気の波を作り、さらには人の鼓膜を揺らし、音を人に感じさせるのがスピーカだ。つまりは、「揺れを作り、人に振動を感じさせる」のがスピーカである。そんなスピーカの有名メーカのひとつがBOSEだ。BOSEは、そんな「揺れを作り、人に振動を感じさせる」のとは逆の「揺れを抑え、人に振動を感じさせない」装置も作っている。たとえば、ノイズ・キャンセラーは、騒音を打ち消すシステムである。大きく耐えがたい騒音に対し、逆位相の音波を重ねることで、「人に騒音を感じさせない」わけだ。

 他にもBOSEは「揺れを抑えることで、人に振動を感じさせない」システムを作っている。たとえば、ボーズ・アクティブサスペンションは「車の揺れを抑え、人に振動を感じさせないシステム」である。 これは、四輪の各サスペンションににリニア電磁モーターを装着し、路面状態・車体状態に応じて、 アクティブにサスペンションを制御することで、車体(とその中にいる乗客)に揺れを生じさせない、というシステムだ。

 もちろん、他の自動車会社もそういったシステムの開発はずっと以前から行っている。しかし、コスト面などの課題などもあり、(セミ・アクティブ制御のサスペンション搭載車は増えているが)アクティブ制御のサスペンション搭載車はなかなか一般化してはいないようだ。

 ボーズ・アクティブサスペンションは、このシステムを搭載した乗用車の動き・効果が公開されていて、とても面白い。コーナリング時の挙動などが、比較画像や動画などでわかりやすく説明されている(QuickTime動画)。荒れた路面の揺れを車体に伝えることなく、つまり、走る車(車体)の高さを一定に保ったり(QuickTime動画)、 あるいは、コーナリング時にも車体の傾き(ロール)を抑えることができているさま(QuickTime動画)を見ることができる。

 それどころか、たとえば下の動画の後半のように、道路の路面状況の先読みをして、”極めて”アクティブに車をジャンプさせるデモさえ行っている。現実の商品として価値を感じるかどうかは別にして、技術デモとして眺めてみれば、何度眺め直してみても本当に面白く楽しい。TVドラマに出てくる未来を目の前に「ほら、ここにあるよ」と見せられた気持ちになる。




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