2004-06-22[n年前へ]
■僕の記号
僕の記号は普通使われている記号に比べ、優れているか、そうでなくても同じくらいの価値がある、そもそも記号などはどれを使おうとこっちの勝手だ…と僕は思っていたのだが、あとになって必ずしもそうはいかないことに気がついた。人に何かを説明するときには、やっぱり標準の記号を使わなくてはならないことを悟り、それ以来自己流の記号を使うのはあきらめてしまった。ファインマン 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」 岩波書店
2008-04-24[n年前へ]
■「困ります、ファインマンさん」と「他人がどう考えるか一体何を気にしてるの?」の違い
一冊の本の内容を短くまとめると、「あらすじ」になり、本の内容を限りなく短く一言で言えば、それは「タイトル」になる。
物理学者ファインマンの人生を描いた本というと、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」
「困ります、ファインマンさん」が思い浮かぶ。前者「困ります、ファインマンさん」という本の原題は、"What Do You Care What Other People Think?"だ。「他人がどう考えるか一体何を気にしてるの?」というタイトルと、「困ります、ファインマンさん」は何だかずいぶん趣が違う。
その違いがいつも気になってしょうがない。"What Do You Care What Other People Think?"という本の内容を一節の言葉にしたとき、それが「困ります、ファインマンさん」では、何だかとても違うようにも思う。「困りますねぇ」という言葉と、「他人がどう考えるか一体何を気にしてるの?」という言葉の間には、非常に大きな隔たりがある。言葉の力が持つ向きが180度違うように思う。
そんな具合で、この「困ります、ファインマンさん」というタイトルは好きではないのだが、そんなつまらない気持ち以上に、この本に描かれている内容は大好きだ。パラパラと楽しみながらページをめくることができるのが「ご冗談でしょう、ファインマンさん」であるならば、一行一行をゆっくり読み進みたくなるのが"What Do You Care What Other People Think?"だ。
「ご冗談でしょう、ファインマンさん」を思い浮かべて、「困ります、ファインマンさん」というタイトルの本を手に取る人も多いことだろう。けれど、そのタイトルをにアレルギーを感じて「逆に手に取らない人」も多いかもしれない。けれど、そんな人こそ、この原題"What Do You Care What Other People Think?"という言葉を、誰が誰に向かってどんな時に口にしたのかを知るためだけにでも、この本を手にとって見るのも良いと思う。その意外な答えは、きっと、あなたを勇気付けると思う。
"What Do You Care What Other People Think?"