2008-11-13[n年前へ]
■「多体問題」と「政治」
社会学者の橋爪大三郎の言葉としてこんな一節を聞いたことがある。
二人の人間の関係は「力関係」だが、人づてにこの言葉を聞いたとき、なぜか妙に納得した。
三人以上の人間関係は「政治」だ。
その時、妙に納得した理由の一つに「多体問題」が頭に浮かんだことがある。「相互に影響を与えあうものの挙動を扱う問題」を連想し、2つのものの間の問題、つまり「二体問題」は解くことができるが、三体以上になると(極めて少ない例外を除けば)一般的に解くことができなくなる。
ここで、振り返って橋爪大三郎の言葉を読み直してみると、それはこんな風に変わる。
二人の人間の関係は「力関係」だが、(極めて少ない例外的な状況を除けば)「政治」はのように動いていくかはわからないのである。
(それは力関係で厳密に決まる)
三人以上の人間関係は「政治」だ。
(それがどのように動いていくかはわからない)
この言葉を聞いてから、「政治」の話を聞くたびに、頭の中でその多体問題を図示してみたくなった。そして、どんな相互作用が働いて・どんな関係にある多体問題なのかを描いて眺めてみたいと感じるようになった。
たとえば、今のさまざまな政治問題を図示して見ると、一体どのような図になるのだろう。どんな眺めになるのだろうか。
2009-03-28[n年前へ]
■「相手の気持ちや事情を理解し、考える」
京都新聞 出版最前線の、渡辺 淳一 「欲情の作法 」に対する書評より。
センセイはまず、男性に自分の精子を顕微鏡で見なさいと勧める。卵子にたどり着く精子は一つだけ。男は振られる生き物だという自覚を促し・・・
教えの根底に流れているのは「相手の気持ちや事情を理解し、考える」ということだ。…これは恋愛論であると同時に、性を切り口にした優れた人間関係論でもあるのだ。
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