2009-03-28[n年前へ]
■「桜の花のスペクトル」と「祇園の時間間隔」
祇園の白川沿いで、祇園で生まれ育った人から、年々桜の花の色が白くなっている、と聞いた。桜の花の手入れを怠っているせいか、年々、花びらの色が白っぽくなってきている、という。
その話を聞いたとき、桜の花びらは一体どんな吸収・反射スペクトルをしているのだろう、ということが気にかかった。そして、その吸収・反射スペクトルはどのように変わってきているというのだろうか、その原因はどこにあるのだろうか。あるいは、もしかしたら、桜の色は変わっていないけれども、桜の花を照らす陽や灯りのスペクトルが変わってきていたり、あるいは、眺める側の感覚が変わってきているのだろうか、などと、考えた。
そんなことを考えながら、「祇園で初めてネオンライトが点いた建物」「提灯が灯りとして使われていた頃」の話を聞いているうちに、「昔は暖簾に火がついて燃えることが多かった」「だから、最近は、店が営業している時間にだけ暖簾をかけて、閉店とともに暖簾をしまうようになりましたけど」と言う。その、「最近は」という言葉に少し驚き、その「最近」は何十年ほどなのだろうか、と思った。
「年々、花びらの色が白っぽくなってきている」という「年々」は一体どのくらいの時間感覚・間隔なのだろうか。