2003-03-28[n年前へ]
■Photoshopプラグイン
「PDLSをどう使うかさえわからない」というのはもっともだと思います。今のところ、画像のピクセル値をグラフにしたり、セル表示で眺めたり、数学的ないくつかの変換をしたり、テキスト入出力をしたり、というような拡張DLLしか添付していません。画像を仕事で使うような人にはとても便利なハズなのですが、もっと一般の人向けの拡張DLLはまだ作っていないのです…。
というわけで、興味を惹かれる拡張機能が出るまでゆっくり待ってもよいわけですが、一番良いのはいつものように「こんなプラグイン機能が欲しい!」とわめくこと、だと思います。私が趣味で作るプラグインは、私の必要(仕事)で使いそうなものになってしまいがちですから、そんな「こんなプラグインが欲しい」という「わがまま要望」で私にアイデアを提供してもらえることはとてもありがたかったりします。もともと、「週に一つは新しいプラグインを作る」ために、作業効率アップのために作ったプラグイン開発環境ですから。
■はてなダイアリー/ヘッダの色占い
はてなダイアリー/ヘッダの色占い。ちなみに私は
人から大人びて見られるあなた。風雅で知的で、ちょっと自省的な面があるようです。他人との関係に悩みすぎていませんか?この色のほとんどの方が、戦争について書かれています。でした。「2003年3/26〜27の日記、約800を覗いて書きました」ということなので、これは意外にはてな?的に素晴らしく可能性のある解析ではないでしょうか?実は私は「はてなのおとなり機能は-動物占い-を志向するべきかも」という意見があるのでした。ある種のデータに基づく、ある種の占い的な「決めつけ」を人は時に心地よく感じるのではないか、と思うのでした。だから、このヘッダの色占いはそれを具現化したものとして、とても面白く受け取りました。
■マイケル今昔物語
お笑いパソコン日誌で紹介されているこの画像。画像を表示したあと、Ctrl + Aで全選択すると…。おぉっとこれは?これは面白いアイデアだ。なるほどなるほど、ということでワタシも作ってみました。
さてさて、Ctrl + Aでこのページを全選択してみて下さい。ありがち…?まぁ、いいじゃないの。作ってみたかっただけなんだから。
■仕事かカラムーチョか?
一昨日、仕事に一心不乱に集中しすぎたせいか、あるいは、その夜にカラムーチョを食べ過ぎたせいか、あるいは実は単に風邪気味だったのか、とにかく胃の痛みが少しだけカムバックしてきた。が、明日は京都のはてな?近藤さん夫妻宅に遊びに行くのが楽しみというわけで、今日中に根性で直す(この発想が胃に悪い?)のだ。
■Google・Toolbarの分散コンピューティング機能を実験公開
という記事。はてな?も、いやそもそも、社会全体が元々こんな分散コンピューティング環境なんだよなぁ。
■漫画における中年の変遷
漫画における中年の変遷。いつか半日くらい漫画を読んでみるのも面白いかも、ということでメモ。
2004-03-28[n年前へ]
■浅草・北千住
浅草を過ぎるときに、撮った写真が一枚目。なんだか、その場所が持っている雰囲気に暗示をかけられたせいなのか何なのか、空気が少し色褪せて見える。こういうところで、「120°のわたしだけの地平線」を切り取ってみるのも確かに良いかも。タイトルをつけるなら、…「雷おこしと青いビル」
北千住では、昼食をとりながらドラマ「プライド」の最終回の話題に。私はまだ見ていなかったのだけれど、なかなかにすごいストーリー展開だったらしい。「相手を抜いても抜いてもセンターラインにすらたどり着けない」というキャプテン翼も真っ青のコートの広さとか、「完璧なまでのマンツーマンシフトを逆手にとった奇想天外戦法」とか…、なんだかそれを聞きながら、ふと帰ったらビデオで「プライド」最終回を見てみようと思ったのだった。
それはともかく、「氷の女神の女神なんか見えない」(アイスでもないし)わけで、すると当然ながらその結果は、「負けてるし」というのが後の二枚の写真です。
■モザイク・ギャラリー
「シャイニング」のジャッックニコルソンの顔を俳優の顔3000個で作ったモザイク画像。このページには他にも面白いモザイク画像も。Sharewareだけど、ソフトウェアもダウンロードできる。ちなみに、hirax.net製はこちら。
■LOMO Horizon 202 ++
「超広角パノラマイメージの飛翔」120°のあなただけの地平線を切り取る。ガソリンスタンドと彼女のバイク、摩天楼と信号点灯、入道雲とカブトムシ、おばあさんとコンピュータ。というLOMO Horizon 202 ++。
■Artistic Screening
芸術的なハーフトーンスクリーン。その中の動画は結構眺めているだけでも面白い。
2005-03-28[n年前へ]
■天使の矢
小さな穴(的)を矢が射抜いている一見不思議な「天使の矢」そんな奇妙な木工細工をどうやって作ったのか眺めてみよう、そして科学を勉強してみよう、という話。 このページがある「科学遊び・科学工作の部屋」には、他にも面白いものも色々あるから、ちょっと寄り道して眺めてみると面白いかも。
■「究極のトースト」を作るための「熱」方程式
「へんな電話」に出てくる「トーストをおいしく食べるための方程式」というのは、おそくらく一年半ほど前のこの「究極のトースト」を作るための「熱」方程式のニュース。
この記事の中で出てくる「研究者」はLeeds大学の研究者たちで、Leeds大学によるプレスリリースはこちら。ちなみに、「究極のトースト」を作るための「熱」方程式 - The Lurpak toast equation - で使われている変数の意味は各々こんな感じ。
H : 厚さ Cp : 比熱 P : 密度 T : トースト初期温度 w : 重量 (添え字は a:トースト, b:バター)
■「ゲーム屋のためのBREW開発のキモ」
コンセプトは「入門記事」ではなく「BREWでゲームを作るときに抑えておきたいこと」、という「ゲーム屋のためのBREW開発のキモ」 自分が使っている携帯電話はauであるに関わらず、少し前にしこしこと作っていたのはFOMA用アプリケーション…という矛盾を抱えた今日この頃。 というわけで、自分用に期待しながらメモ。
2008-03-28[n年前へ]
■「物語が語られる順序」と「因果関係」
「ゲームの右と左 マリオはなぜ右を向いているのか」という「上手と下手」に関する記事を読んだ。こういった、上手・下手もしくは左・右といった辺りのことは、スライド・デザインにおける「上手と下手」、もしくは、「上手と下手」のブログで調べたこと・感じたこと・書いていることから、特に自分の中で変わっていることはない。
けれど、左右や上手・下手という軸でなく時間軸というものを考えると、たとえば、物語が語られる時間軸というものについて考えると、いくつも新しく感じたこと・納得したことがあった。そのひとつが、北村薫「ミステリは万華鏡」(集英社文庫)の中で語られていた「順序」というものである。
最も簡単な物語の語り方は、はじまりから始め、物語が終わるまで、あるいは聞き手が寝るまで話すというものである。
「小説の技巧」(白水社)ディヴィッド・ロッジ
「物語が語られる時間軸」というのは、物語が時間軸のどの地点から始まり(読者に対し語られだして)、どの時点に収斂していくか 、ということである。もしも、いたって原始的な物語であれば、背景から話を始め、原因・過程を話し、そして結果を話すことになる。
あるいは、その逆に、たとえば推理ドラマであれば、まず冒頭で、「事件が起こる前・過去」と「ぼやけた形で描かれる事件が起こった瞬間」が描かれる。そして、そのあとの物語は、その瞬間・時点へと逆に遡っていくのが普通である。つまり、結果から原因・背景へ向かっていくのが通常のミステリの「方向性」である。語りの順序における斬新な実験の例として思いつくものは、ほとんどが犯罪や悪行や道徳的・宗教的な罪に関するようなものである。だからこそ、たとえば刑事コロンボの場合は、その物語が語られる時間方向性が、原因→結果という時間の流れそのまま、というところに「意外性」があったわけだ。
「小説の技巧」(白水社)ディヴィッド・ロッジ
北村薫は「語りの順序が、現在→過去というように流れる物語」に関して、このようなことを書いている。内容を抜粋するために、少し書き方を書き直すならば、それはこのようになる。
ピラミッドを逆さまにしたように、最後に「出発点・背景」が描かれれば、その一点は、物語の冒頭から語られた「それ以降に起こったこと」のすべて重みがのしかかる。そして、出発点はその重みに歪み、過去と未来のコントラストは、ますます鮮やかになるのだ。
「普通人間のいちばん好きな考え方は因果関係です」と言ったのは心理学者の河合隼雄で、「人は、因果関係を納得しやすい。というか、因果がないと、物事の関係性を納得しにくい生き物なんだよね、人って」と書いたのは、小説家の新井素子だ。
彼らの言葉を、「物語が語られる順序」と「因果関係」が描かれたパズルのピースを並べようとするなら、どんな風に人は並べたがるものだろうか。あるいは、そんなピースに描かれた模様は、人によってどのように違って見え、どのように違って組み合わされるものだろうか。
2009-03-28[n年前へ]
■「桜の花のスペクトル」と「祇園の時間間隔」
祇園の白川沿いで、祇園で生まれ育った人から、年々桜の花の色が白くなっている、と聞いた。桜の花の手入れを怠っているせいか、年々、花びらの色が白っぽくなってきている、という。
その話を聞いたとき、桜の花びらは一体どんな吸収・反射スペクトルをしているのだろう、ということが気にかかった。そして、その吸収・反射スペクトルはどのように変わってきているというのだろうか、その原因はどこにあるのだろうか。あるいは、もしかしたら、桜の色は変わっていないけれども、桜の花を照らす陽や灯りのスペクトルが変わってきていたり、あるいは、眺める側の感覚が変わってきているのだろうか、などと、考えた。
そんなことを考えながら、「祇園で初めてネオンライトが点いた建物」「提灯が灯りとして使われていた頃」の話を聞いているうちに、「昔は暖簾に火がついて燃えることが多かった」「だから、最近は、店が営業している時間にだけ暖簾をかけて、閉店とともに暖簾をしまうようになりましたけど」と言う。その、「最近は」という言葉に少し驚き、その「最近」は何十年ほどなのだろうか、と思った。
「年々、花びらの色が白っぽくなってきている」という「年々」は一体どのくらいの時間感覚・間隔なのだろうか。
2010-03-28[n年前へ]
■「文書を作ることができない症候群」 (初出:2006年09月15日)
奥村先生のブログで「少なくともこのページは読むべき」と紹介されていた「Ask E.T.: PowerPoint Does Rocket Science--and Better Techniques for Technical Reports」という記事を読みました。
スペースシャトル・コロンビア号は、打ち上げ時に剥落した液体燃料タンクの断熱材により翼部分が破損したために、帰還中に空中分解してしまいました。この「PowerPoint Does Rocket Science--and Better Techniques for Technical Reports」という記事では、(断熱材による破損の危険性を評価した)ボーイング社の報告書から正当な判断がされなかった理由として、報告書がPower Point のプレゼンテーション・スライドの形式で作られていたことを指摘しています。Power Point のプレゼンテーション・スライドの中で、たとえば、重要な情報が箇条書きの中に埋もれてしまったり…、といったことが遠因となり、断熱材剥落の影響が軽視されることにつながった、というようなことです。
そして、そのような「 Power Point の弊害」を避けるためには、文書スタイルをNature や Science に掲載される論文のようなものとし、そして、Power Point でなく Word などを使って書くべき、というわけです。
その指摘・解説を読み進めながら、「なるほど。勉強になるなぁ」と思いつつ、「判断を要求されることが多い日常業務中、判断材料をNature や Science に掲載される論文のような文書として渡されても困るよなぁ…」とも感じました。そして、さらに「ここで指摘されている問題より、もっと大きな問題が、実は他にあるのではないか」とも感じたのです。
その「問題」をひとことで書いてしまえば、「プレゼン・スタイルや論文スタイル…どんな種類の文書であれ、適切な情報を適切な順序・量・構成で文章にできる人なんて非常に少ないのではないか」ということです。「Nature や Science に掲載され論文のような文書」を書けるような人はほとんどいないように思います。あるいは、そういった文章を書くことができる人がいたとしても、その文章の内容(形式ではありません)がそれほど新しいものでなかったり(つまり、単に以前書いた文書の焼き直しだったり)するのではないか、とも思うのです。フォーマット・道具の違いを気にする以前の、実に低レベルな悩みを抱えている段階だったりするように思ったのです。
というわけで、Edward Tufte の周りはいざしらず、道具の違いを気にする以前に、「論理的に話を組み立て、適度な量・構成としてまとめる」ことをまずできるようになりたい!と切望している今日この頃なのです。
2011-03-28[n年前へ]
■「ビルの階数」と「エレベータが停まる回数」で「乗り込んだ人たちが”およそ”何人連れ」なのかがわかるの法則
「ビルの階数」と「エレベータに並ぶ人数」でエレベータが停まる回数がわかるの法則 で登場したのが、こんな法則です。
M階のビル(の一階)で、エレベータの前にN人が並んでいるならば(そのN人がエレベータに乗り込むならば)、平均的に、エレベータが停まる「階の数」は
M ( 1- ( (M-1)/M )^N )
と表されます。
たとえば、お昼間近のデパートやオフィスビルのエレベータに実際に乗り込んで、「エレベータに乗り込んだ人数」と「エレベータが止まる階の数」を眺め・調査してみると、この法則よりも「エレベータが停まる階の数」はかなり少ないことに気づきます。それは、エレベータに乗り込んでいる人たちの中には「一緒に行動する”グループ”」がいるからです。たとえば、エレベータの中に10人いたとしても、それが5人家族×2組だったとしたら、この法則の「人数」Nには10でなく2を入れ込んでやらなければならないからです。
…ということは、ビルの階数」と「エレベータに並ぶ人数」でエレベータが停まる回数がわかるの法則 は、「ビルの階数(M)」と「エレベータが停まる回数(F)」で「乗り込んだ人たちが”およそ”何人連れ(N)」なのかがわかるの法則、と見ることもできます。
つまり、M階建てのビルの一階でエレベータに乗り込んだら、素早く人数(N人)を数えた上で、(エレベータが止まることを示す)点灯したボタンの数(F)を眺めれば、
G=N / (log(F/M) / log( 1- ( (M-1)/M )))という式を使うことで「フムフム、この人たちは”およそ”G人連れなんだろうな」などと推理すれば良い、というわけです。
エレベータという密室中に乗り込んだ人たちが、連れ同士が言葉を一言も交わすことがなかったとしても、こんな「法則」のごとく統計・数学的な推理をすることができます。日常生活の中には、こんなミステリーが満ちあふれていて、開花を待つ桜の蕾(つぼみ)のように、解き明かされる瞬間を待ちわびているような気がします。
2012-03-28[n年前へ]
■パワーポイント2011で作ったスライドを十年以上前のパワポを使って作ってみたら?
2012 年の春の真っ盛り…そんな今日この頃に、パワーポイントでスライドを作りつつ考えました。
「パワーポイントを使い始めた頃、あの時代に使っていたバージョンのパワーポイントで、もしも、このスライドを作ったならどんな風になるだろう?」
そこで、マイクロソフト パワーポイント 2011 (Mac版)で作ったパワーポイントスライドを、十年以上前に使っていた(バージョンの)パワーポイント機能を使って作り直してみました。…それが、下のスライドです。左がMac版のパワポ2011で作ったスライドで、それを(昔の機能・素材で)作り直したのが右のスライドです。
中身を単純化して眺めてみれば「変わっていない」ようにも思えますし、その一方で、黒棒人形たちと比べれば「ずいぶん写実的」になっていたことに気づかされます。
私たちの周りにある道具や技術、たとえば(そんな道具のひとつである)パワーポイントは…気づかないうちに実は大きく進化していたのだな…と、こんな作業をしてみて実感させられた2012年の3月の終わり、です。
2013-03-28[n年前へ]
■ペットボトルロケットにWifiカメラを載せて・打ち上げてみたい!?
超小型で超軽量なWi-Fiカメラを使うと、「100円ゲイラカイト」でも、空撮風景をリアルタイムに楽しむことができます。…となると、次にやってみたくなることのひとつが、(北朝鮮の首領さまと同じように)超格安ロケットを打ち上げて・ロケットから地表を見下ろした景色を(ロケットに乗り込んだつもりで)眺める、ということです。つまり、Wifiカメラを取り付けたペットボトルロケットを空に打ち上げてみたくなります。
そこで、ペットボトルロケット(とペットボトルロケットからの空撮映像)を調べてみると、多段ロケット化したペットボトルロケットにカメラを載せた「迫力満点なロケットからの空撮映像」が(たとえば下の動画のように)たくさん見つかります。
楽しそうで・やってみたくなることはたくさんあって、それを楽しんでいる人たちもいます。…となると、もちろん、そんな色んなことを楽しみ遊んでみたくなりますね。
2015-03-28[n年前へ]
■一時閉館間近の「梅小路蒸気機関車館」に行ってみよう!?
(梅小路乗車機関車館:The Umekoji Steam Locomotive Museum )が改装に向けて一時休館する…というので、春の散歩を兼ねて行ってみました。立ち並ぶ蒸気機関車に乗り込むと、機関車を操る部品の存在感に圧倒されたり、巨大な鉄の塊の質感に魅了されたりします。
意外に面白かったのが、(鉄分高い人たちにとっては当たり前そうですが)機関車を格納する車庫の上部に、機関車の煙突部分に対応する「煙突」があることでした。まるで焼き肉屋の卓上に備え付けられた排煙用の煙突のように、止まった機関車の位置に合わせて、天井に煙突が備え付けられています。
かつては、蒸気機関車が車庫に前進で入った場合でも、バックしつつ車庫に入った場合でも排煙することができるように、煙突は前後2箇所に取り付けられていたと言います。今では動くことがなくなった機関車が佇む車庫の、機関車の上に備え付けられた煙突は(安全上の理由などから)ずいぶん数が減っているといいます。
梅小路蒸気機関車館の改装後、京都鉄道博物館と名前を変えた後の建物の車庫には煙突が付いていないようで…少し寂しく感じます。
2016-03-28[n年前へ]
■(他の硬貨ではダメだけど)100円玉を落とすと…チャンネルが変わる昭和のテレビジョンのナゾ!?
花見に行った先で若い学生さんと話していると、彼女のお父さん(どうやら1960年代後半生まれくらいらしい)が「昔のテレビは、近くで硬貨をじゃらじゃらと落とすとチャンネルが変わったものじゃ」と話していたという。しかも「そのリモコンを誤動作させることができる硬貨は、100円玉限定だった」と語っているらしい。…この不思議な話、探偵!ナイトスクープ的な謎を昨日(twitterで尋ねつつ)調べてみた。 すると、まずわかったことは、そのテレビはおそらく昭和46年(1971)発売の三洋(サンヨー)が発売した超音波式リモコンの初代ズバコン(もしくは二代目)だろうということだった。三洋が出したTVリモコンたるズバコンは、特定周波数の超音波を頼りにリモート制御をするので誤動作が多く、発売されたもののいくつもの問題を起こした機種である。…なにしろ、”硬貨や鍵をチャラチャラさせる音などでもリモコンが勝手に動くなどという重大な欠陥が・・・その誤動作で切ったはずのテレビが留守中に勝手につき、加熱で火事になりかけたという苦情があった。これは国会でも取り上げられるほどの問題になった”というくらい、日本のワイドショーを賑わしたテレビ・リモコンなのである。
初代ズバコンは右上写真のような感じの超アナログリモコンで、この機種は誤動作が非常に多く、およそ1年あまりで市場から消えたらしい。そして、三洋ズバコンの(次の写真のような)2代目は超音波を周波数変調することで誤動作を防いだはずだったが…誤動作をゼロにすることはできず(しかし結構売れたので)やはり誤動作に悩まれたらしい。
問題は、なぜ「そのリモコンを誤動作させる硬貨は100円玉限定だった」と彼女のお父さんを振り返らせるに至ったか、だ。それは、純粋に物理的問題として考えるべきだろう。
…当時は、500円玉なんて無い時代だから、1,5,10,50,100円玉くらいを考えれば良いだろう。すると、まず、アルミニウム製で(他の硬貨に比べて密度が数分の一程度と)低い1円玉では超音波発生量は、少ないだろうということがわかる。なぜかというと、固有振動周波数は(記憶が確かなら)大雑把には密度のルートに反比例するからだ。
そして、残りの5,10,50,100円玉を考えると、銅にニッケルを混ぜた(あるいは時代的にはその前の使われていた、銀が入った)100円玉が一番密度が高い。つまり、銅に錫や亜鉛を混ぜた5円玉や10円玉より密度が高いし、同じ素材の50円玉よりは、穴が開いていない分だけ、低周波の(周期が長い)固有振動は生じにくそうに思える。…ということは、100円玉同士がぶつかる状態が一番超音波が発生するのが自然だろう…ということになる。
という話をしていたら、iPhoneアプリで硬貨がぶつかった時の音波周波数分布を試し計測をしてくれた人がいる(右画像)。これは、超音波帯に決して感度はないiPhoneマイク(&回路)で解析した結果だけど、先入観100パーセントな目で見れば、100円玉は確かに高周波が多そうだと感じられてしまうデータでもある。
2018-03-28[n年前へ]
■「スマホを捨てて、空へ飛ぼう」
昔は感光フィルムが入ったカメラを持ち歩き、それからずっと後の頃にはデジカメを持ち歩くようになった。自分が眺めた場所を切り取り形にすることが楽しかった。
一昨年前くらい前は、自分がいる場所から見える周囲全てを動画撮影できる360°カメラ使っていた。自分が眺めた景色、あるいは、自分が(眺めることができたはずの)眺めなかった全周囲を撮影するカメラは、とても面白かった。…けれど、2018年の今、(Insta 360 Oneは使ってみたいけれど)全天周カメラは、もうほとんど使っていない。
2018年の春、この瞬間は、玩具ドローンカメラを使った撮影が楽しい。誰でも簡単に使えるGPS制御付きのドローンでも、Amazonで一万少しで買うことができる。そして、そんなドローンカメラを使うと、自分がいる場所の近く…けれど行けなかった場所からの風景を眺めることができる。…空も飛べるし、水面の上を滑るように移動することもできる。
「書を捨てよ、町へ出よう」ではないけれど、手元に持つスマホから見える景色を遙か離れて、自分が行けなかった場所からの世界を眺めたりするのは、とても楽しい。スマホ(の役割を担うようなデバイス)が空を飛ぶことができるようになるまでは、スマホを捨てて、空へ飛んでみたい。