2015-07-04[n年前へ]
■ウォータースライダーで「水着ポロリ」しないためには「水着に1.5リットルのペットボトルを2本ぶら下げてもズレない」くらいにキツく締めることが必要だ!というマメ知識
もうすぐ夏が始まる…というわけで、先日、ウォータースライダーで「水着ポロリ」を生じさせる力の実験・計算をしました(ちなみに、今回の対象水着は、「ビキニ(セパレート)」タイプの水着です)。ウォータースライダーで滑り落ちる水着女性が、水面に突入する際の「相対速度」や「水着のさま」を動画像から解析し、その際の水面に対する相対速度から「水着に働く力」を計算する…というのがその概要です。
その実験・計算結果は、水着の凸部に対して1平方cmあたり約190グラム重の力が掛かり、水着全体では約4キログラム重の力がかかる…というものでした。つまり、ウォータースライダーで「水着ポロリ」しないためには「水着に1.5リットルのペットボトルを2本ぶら下げてもズレない」くらいにキツく締めておけば良い、というわけです。
それでは、その力(ウォータースライダーで「水着ポロリ」させる力)を低減させるためにはどうしたら良いかとか、その力が働く方向と水着構造の組み合わせによる「ポロリ」しにくさについての考察…といったことは、また次回書いてみることにします。
2015-07-05[n年前へ]
■「144層のパイ生地」と「誤用としての冪乗」
薄く重なったパイ生地が「144層」という数字を聴いて頭の中に「?」マークが浮かんだけれど、なるほど全部で「4つ折りx3つ折りx4つ折りx3つ折り=144層」なのか!
クロワッサン、デニッシュ、ブリオッシュは「ペイストリー」に分類されますが、“THE PIE & PASTRY BIBLE”によると、その共通点や違いは以下のようになります。
層の多さは折りパイ、クロワッサン、デニッシュの順。イースト使用の生地は二次発酵させる為に暖かい場所に置く必要があり、折り込みの回数が多いと生地が耐えられない。
・折り込み回数(層の数)は、折りパイ生地:6回以上(729)、クロワッサン:4回(81)、デニッシュ:3回(27)
・折り込みの回数に耐える為、折りパイ生地はグルテンのしっかりした強い生地を作る必要があり、グルテン含有率の高い粉を使ったり、生地をよく捏ねたりする。また、バターが溶け出さないように、焼くまで生地を冷やしておく必要がある。
・デニッシュは生地に卵を含み、折り込みの回数もクロワッサンより一つ少なく、焼き上がりはクロワッサンよりもフレーキーな感じではないが、ふんわりとして柔らかい。
デニッシュの定義って?
関係無いけど、これも面白い。
"元来は、単に「冪(べき)」と表現した。「冪乗(べきじょう)」という語は、誤用が定着したものである。 「冪」の文字はもともと「覆う、覆うもの」という意味の漢字であり、江戸時代の和算家は略字として「巾」を用いていた。ところがどちらも常用漢字・当用漢字に含まれなかったことから1950年代以降、出版物などでは仮名書きまたは「累乗」への書き換えが進められ、結果として初等数学の教科書ではもっぱら「累乗」が用いられた。この際、n 乗を取る操作の伝統的名称である「n 乗冪」 と「累乗」が混同され、「冪乗(べきじょう)」という語を生じた。"
2015-07-06[n年前へ]
■「シェンゲン協定に加盟してない英国に向かうEU発ユーロスター」と「4・5分に一本出る新幹線ダイヤ」
新幹線放火事件について、TV番組でコメンテータが「ヨーロッパの高速列車であるユーロスターでは荷物点検があるのに対して、日本ではそういったものがないから…」みたいなこと言ってた。…けれど、シェンゲン協定*に加盟してない、つまり(EUから)移動するのにパスポートが必要なイギリスに行く「国際渡航」列車と、新幹線みたいな「国内移動の足たる普通列車」を一緒にされても困る気がする(ほぼ同じヨーロッパの高速列車であるタリスとか荷物点検なんか別に無いし)。
「ユーロスターでは荷物点検がある」というコメンテータに対して、別コメンテータが「5分に一本程度出る列車では(荷物点検なんか)無理」と言ってたんだけど、新幹線の再混雑時間は、もう4・5分に一本出るペース。それは、ほぼ京浜東北線の品川駅ペース。「国際渡航列車」基準で「京浜東北線」を語るのは…ちょっと無理があるような気が。
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*シェンゲン協定は、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定である。
2015-07-19[n年前へ]
■ダイソーの300円ワイヤーカッターと100円ワイヤーロック、勝負をしたらどっちが勝つか!?
自転車などの盗難防止用の(とても安全そうに見える)太いワイヤーロックも、それなりのワイヤカッターを使うといともたやすく一瞬で切断することができます。先日、100円ショップのダイソーに行くと、300円で小型のワイヤーカッター(ミゼットニッパー)が売られていたので、100円ショップで買った100円ワイヤーロックと勝負をさせてみることにしました。
その結果、300円のワイヤカッターは100円ワイヤーロックを比較的簡単に切断することができました。さすがに握力が低い女性の場合には、切るのに時間がかかるかもしれませんが、それでもワイヤーカッターのグリップ部分を足で踏むなどすれば、一瞬で切断することができそうです。
2015-07-26[n年前へ]
■「水中の弾丸軌跡」と「飛行機での自転車輪行」
銃弾で水風船を打ち抜こうとしても、あっという間に銃弾が止まってしまうのはなぜか…という理由を再確認するために、水中を超高速で移動する弾丸周りに生じる現象を計算的に(OpenFOAMで)解いた水中弾丸シミュレーションを眺め直した。「短いひとこと」で説明するのは難しいけれど、弾丸が超高速で水中に動いていくと、弾丸の後ろには液体の水は存在し得なくなって気化してしまい、圧力的には「ほぼ真空」といっても良いような空間が生まれてしまうことになる。…もちろん、「ほぼ真空」というのは、その定義にもよるかも知れないけれど、弾丸前後の圧力差を考えれば、弾丸の背後の圧力は、「ほぼ真空」といっても語弊はないように思う。
圧力差と言えば、春頃から一月に一回自転車を飛行機に乗せて輪行する生活が続いている。自転車はさすがに機内持ち込みはできないので、自転車を預けるとき、(羽田か成田で)毎回のように「タイヤの空気は抜いていますか?」「はい、もちろん!」という会話を交わしている。…けれど、この確認は実はほとんど意味が無い。タイヤには通常数気圧を超える空気が封入されている。つまり、タイヤの内外では数気圧の圧力差が生じている。飛行機に乗り、たとえ荷室が真空になってすら(もちろんそんなこはないが)、数気圧+1気圧の圧力差が生じるだけに過ぎない。実際には、荷室の気圧はせいぜい0.5気圧程度になるに過ぎないから、つまりは誤差の範囲の気圧変動が起きるに過ぎない。
つまりは、「真空」なんていうものは、たかだか1気圧の気圧差に過ぎない。それは決して小さくもないが、だからといって、日常生活では接しえないほどの異常に大きな圧力差というわけでもない。…たぶん、耳がキーンとなる程度(プラスアルファ)程度の圧力差に過ぎないのである。
2015-07-30[n年前へ]
■作詞者不詳「虫のこえ」は一体誰が書いたのか?
作詞者不詳「虫のこえ」は一体誰が書いたのか?を書きました。
「あれマツムシが鳴いている。ちんちろちんちろ、ちんちろりん…」という歌詞で始まる文部省唱歌、「虫のこえ」を知らない人は、おそらくいないことでしょう。けれど、この心地良く懐かしい詞が誰の手により書かれたのか…ということについて知っている人はいない、といっても過言ではありません。なぜかというと、明治43年に発行された「尋常小学読本唱歌」から始まる尋常小学校唱歌は、”国が作ったことを強調するため、個々の歌に関する作詞者や作曲者は伏せられていて、文部省も当事者に口外しないよう指導していた”からです。そのため、時を経る間に作者が漏れ伝わった数少ない歌以外は、 その詩や曲を誰が書いたかを知る人はいない…というわけです。
今回の記事は、ある手掛かりをもとにして、「虫のこえ」の作詞者は一体誰なのか?という謎の答えを明らかにしようとするものです。