2009-05-01[n年前へ]
■腹巻や腹帯を使ってA-bike(型自転車)を輪行する
しばらく前に、ハードオフ併設のB・スポーツで折りたたみ自転車A-bikeの類似品A-bicycleの8インチ空気タイヤ版を買いました(楽天で売っている税込 13800 円ナリのA-SCOOTER 8インチ(エースクーター)RA-A8シルバー も、ショップ・メーカに確認したところ、同じく8インチ空気タイヤということでした。その他構造が、すべて同じかどうかはわかりません)。
このA-bicycleの8インチ空気タイヤ版があまりにも便利なので、A-bike型自転車をさらに使いやすくするための試行錯誤を続けています。本体だけでなく、一緒に使うのに便利な道具・持っておくと良さそうな道具を「あくまで格安に」揃えようとしているわけです。
A-bike(やその派生コピー品)は15秒もあれば、折りたたまれた状態から乗ることができる姿に変身します。もちろん、その逆も同じです。ところが、バッグに入れる時間も同じくらい・あるいは、それ以上の時間が掛ってしまうこともしばしばあります。そこで、A-bikeを簡単に持ち歩くためのセットを作ってみることにします。狙いは「伸縮性を持った” 腹巻 ”・”インナーマッスルベルト ”・”腹帯”状のようなもので「A-bikeの包みこむだけ」という輪行超幅広ベルトを作ろうとしています。そうすれば、自転車を一瞬で取り出せますし、(一方向だけですが)タイヤを転がしながら移動させることもできるので、重さも感じなくて済む、というわけです。
そこで、100円ショップに行ってみると、「腹巻」は女性用のものしか売っていませんでした。驚いたのが、それらの「腹巻」にはもれなくホッカイロ用のポケットが付いていたりして、女性の装いの下に隠された工夫に驚かされました。・・・しかし、女性用の腹巻はA-bike(型自転車)を覆うには(”直径というか”ウェストサイズ”は結構良い具合に見えたのですが)幅が足りないように見えました。
そこで、とりあえず、マジックテープ3本で「ハンドル部分」「ペダル部分」「タイヤ上部」を固定し、「中身丸見え」で輪行するという具合にしてみようか、と思っています。それが、右の写真です。A-bike(型自転車)を折りたたむと、ベビーカーよりも遥かに小さく邪魔にならないサイズになりますから、少し人目を惹かないように、あるいは、他の人に触れた時にも大丈夫なように、クッション性のあるもので覆い、その周りをマジックテープで固定するくらいで良いかな、という具合です。
2009-05-02[n年前へ]
■消えたA-bike(型自転車)の下部シャフト折りたたみボタンのバネを200円で作る
昨日はA-bikeを輪行し、5kmほど上り・下り坂を全速力で走ってきました。そして、今日の朝方にA-bike(型自転車)のA-bicycle(8インチ空気タイヤ版)に乗ろうとすると、下部シャフト折りたたみボタンのバネが無くなっていました。たいして重要でない部品が無くなったのなら、気にしないで良いようにも思えますが、「折りたたみ」「固定」に関わる部品が無くなってしまったら、「折りたたみ自転車」としては致命的です。そこで、修理例の参考に「電池ボックスに使われているバネ」を流用・加工して、下部シャフト折りたたみボタンを作ってみることにしました。
まずは、(400円出して買った)電池のマイナス部分に当たるバネ(のひとつを)を適当なサイズにニッパーで切り取り、A-bike(型自転車)の下部シャフト折りたたみボタンの周囲を覆うようにバネを押しつけながら、ボタン中央部にある穴にバネの先頭を通しました。そして、バネが抜けないようにバネを(バネの先頭がボタンの中で動かなくなるように)回し、固定しておきます。そうすることで、何の不具合もなく、これまでと全く同じ見た目で・同じ感覚で使うことができるようになりました。その修理後のシャフト折りたたみボタン部分が、下の写真になります。実質の修理費は200円ナリ、になります。
ネジを細工しながら、このバネは一時的には針金クリップでも簡単に固定することができそうなことに気づきました。移動中にこのバネが無くなったことに気づいた時には、そして、その際に(幸運なことに)ボタン部分が無くなっていなかったとしたら、コンビニか文房具屋で書類を止める針金クリップを買って、ボタンを持ち上げるようにしておけば、とりあえずその場を凌げるように思えます。
念のため、今度は、バネが外れてもボタン部分が無くならないように、釣り糸か何かでボタン部分とシャフト部分を結んでおこうと思います。というわけで、今、A-bike(型自転車)パッチモン自転車で50kmくらい走ったところです。
2009-05-03[n年前へ]
■Bindexバイブルサイズの綺麗で使いやすい手帳リサーチ中
手帳のサイズを変えようか、と思っています。これまで使っていた手帳の面積では、少しつらくなってきたので、少し大きいバイブルサイズのリフィル手帳に変えようか、と考えているのです。そこで、乗り換える手帳として気になっているのが、Bindexバイブルシステム手帳 BB10(リング径25mm) です。手帳に入れることができるページ数も、ひとまず持ち歩くには十分ですし、筆記用具を2本入れることができる機能もうれしいところです。…ただ、いまひとつ買うことができないでいるのは、値段の割にデザイン(特に色や形)に心惹かれないからです。
もしも革製なら赤系統の色が良いし、革製でないのなら防水ナイロン製かで作られた軽量のものが欲しい、と思ってしまうのです。そこで、他のものを探してみると、 Bindexバイブルサイズシステム手帳 ブレスタイプ(リング径25mm) などは、色や形は比較的好きになれるのですが、こちらの方は残念なことにペンを一本しか差すことができません。だから、やはりいま一つ買う気になれないでいるのです。誰か良いものをご存じの方はいませんでしょうか。
2009-05-04[n年前へ]
■道路上に記録された「靴裏との摩擦帯電跡」
警察の鑑識課の人たちが捜査をしているようすを放送するテレビ番組を見た。その番組中で興味を惹かれたのが、ビル荒らし事件か何かの犯人の足跡をアスファルト道路上で捜す捜査員たちの作業過程だった。
一体どのような作業をしていたかというと、
- アスファルト上に黒いシートを広げ、その上に白い微粒子粉末を振りかけ
- さらに透明な大きなテープを貼り付け
- 最後にテープをはがしている
つまり、アスファルトと靴裏がこすれた部分がプラス(あるいはマイナス)に摩擦帯電し、アスファルト上の帯電分布を帯電した粒子で可視化する、というのである。摩擦帯電した微粒子によって可視化された靴あとを透明テープに写し取ることで、アスファルト上に電荷分布として残された犯人の足跡を記録・解析することができるようになる、というわけだ。
摩擦帯電をなるべく防ぐような、たとえば、カーボンなどをたソールに混入することで、摩擦帯電しにくいように電気抵抗を下げ(同時に磨耗性・形状なども上手く作られた)靴というのは、工場作業用などでよく見かける。もしかしたら、”足跡を残さない”ということでは天下一品のビル荒らし御用達の靴があったりするかもしれない。
とはいえ、もしもそんな摩擦帯電防止靴があったとしたら、たとえば靴のソールゴム中にカーボンを入れたとしたならば、黒い靴裏が必須になる。すると、「黒い靴裏」を見た警察官は「この人は、ビル荒らしかもしれない」と思うかもしれない。
そういえば、私はよく職務質問に会う。それが私が履いている靴がことごとく黒い靴裏のせいだと思うことができたなら、つまり、「黒い靴裏の人たちは職務質問に遭いやすい」ということがその背景にあるのなら、納得できるのだが…。
2009-05-05[n年前へ]
■100円ショップで揃える格安「自転車用の充電式ライト」
毎日自転車に乗るようになると、「自転車用のライト」が欲しくなる。とはいえ、何より「性能」を「値段」で割った数値、いいかえればコストパフォーマンス、さらに端的に言えば、「性能」が高く、「値段」が安い自転車用ライトが欲しくなる。すると、抜群に性能が良いものは、ダントツに値段が高かったりするので、結局のところ「性能はそこそこで値段が安いもの」を探すことが多くなる。そういうものが、結局のところ、現実のバランスの最適解だったりすることは多い。
まずは、ランニングコストを考えると、「充電池」「充電器」「電池式の自転車用のライト」の組み合わせが一番良さそうに思える。そして、イニシャルコスト(初期コスト)は、100円ショップに行って100円で買うのが(とりあえずは)一番安そうである。…そこで、100円ショップに行って「100円ショップで揃える格安自転車用の充電式ライト」を手に入れてみることにした。
そこで、いちばん最初に行った100円ショップは"レモン"である。ここで、「電池(単三電池×4本)式の自転車用のライト」を買った。この段階、ライト本体にまずは100円玉を1枚払った。ライトの本体は大きいし防水性もないが、100円玉1枚で買うことができるというのは大きい。
そして、次に行った100円ショップが"Seria"である。ここで「1本100円の充電池」を4本買い、「(1個100円の)充電池2本を一度に充電できる充電器」を2つ買った。というわけで、"Seria"では充電池セット代として100円玉を6枚使った。
結局、100円ショップで、格安トータル700円で「充電池式の自転車用のライト」を手に入れたわけである。この格安「充電式自転車ライト」の性能を調べた結果は、…明日書いてみようと思う。
2009-05-06[n年前へ]
■100円「自転車用の充電式ライト」の明るさを計ってみよう
昨日、100円ショップへ行き、格安トータル700円で「充電池式の自転車用のライト」を手にれました。ちなみに、自転車ライトの本体は100円で、残りの600円は充電池と充電器の値段になります。とにかく、「格安」です。
格安にライトを手に入れたなら、次は、この100円自転車ライトが一体どの程度の明るさなのか・どの程度使い物になるのかを知りたくなります。そこで、照度計を使って激安自転車ライトの明るさ(照度)を計ってみることにしました。
真っ暗な部屋で、40cm離れたところから照度計に100円ライトで光を照射してみると、およそ1200ルクスの明るさ(照度)でした。計測しているようすが右の写真です。ちなみに、右の写真ではメータが表示している数値を10倍したものが、ルクス(lx)値になります。
「40cm離れたところで1200ルクス」ということは、たとえばその10倍の距離、つまり40cm×10=4mの距離がどの程度の明るさになるかを考えてみると、ライトで照らされる面積は距離の2乗=100倍になりますから、1200ルクスの100分の1=12ルクスの明るさになる、ということになります。照らさなければならない面積が100倍になると、面積あたりに照射される光量は100分の1になるというわけです。
12ルクスの明るさは一体どの程度かを考えてみると、おおよそ「休憩中(客入れ中)の映画館程度の明るさ」です。決して「明るい」とはいえないかもしれませんが、たとえば、格安A-bike型自転車(パッタモンと普通は言いますね)でゆっくりゆったりと自転車で道を走る程度なら、必要十分の役を果たしてくれるかもしれません。
とりあえず、100円自転車用ライトで「スローライフ」ならぬ「スローライド」を楽しんでみようと思います。ゆっくりゆったりと。
2009-05-07[n年前へ]
■「86cm Cカップの女性のバストの熱分布の計算例」
乳がん検査を楽にすることなどを目的に、女性のバスト変形を有限要素法(FEM)で計算したりする研究は多い。バストを変形させたときの形状変化から、バスト内部に変形のようすが通常と異なる異常な組織、つまり腫瘍などが存在していないかを確認する方法を考えるために、さまざまな研究がおこなわれている。
技術解説書の「エクセルで熱伝導シミュレーション」の小コラムを書くために、熱伝導の計算例を探してみると、その中に「86cm Cカップの女性のバストの熱分布の計算例」があった。それが、右の画像である。(向って)左が温度分布である。温度が単位を持たない数字として表示されているので具体的な温度に換算しづらいが、最も温度が高い(赤色で表示されている)胸板表面に対して、最も温度が低く水色に表示されている部分では、8割ほどの数値になっている。
この数値が、外界の温度を0(x100)とし、胴体内部での血液の温度を100(x100)というように扱っていると仮定し、適当な数値を入れてみると、たとえば、外界の温度が20℃で、血流の初期値が38℃としてみると、いちばん温度が高い部分が(38-20)*0.6+20=30.8℃くらいとなり、いちばん温度が低い部分が(38-20)*0.5+20=29℃となる。バストの表面の温度分布に2℃ほどの高低が生じている、ということになる。
計算結果が、左右・上下で非対称な温度分布になっているのは、たとえば、右の画像のようなバスト内部の血管や脂肪や筋などの各組織構造をモデルに入れているからだろう。逆にいえば、こういう計算をしておくことで、実際の温度測定計測結果を見れば、内部の組織構造の異常が推定できるということになる。非接触の(温度計測用)赤外線カメラで撮影するだけで、簡単計測ができたら(マンモグラフィーは痛くて嫌だ、という声もちらほらと見かけるし)「乳がん検査」の敷居が下がるかもしれない。
そういえば、以前、人体の指を(中央線に対して)対称な形状として、熱伝導計算をしたことがある。「湯冷め」を防ぐ「上がり湯」のヒミツ!?として、指先の熱移動が「熱拡散」「血液の移動による直接熱移動」「外部からの冷却」によってのみ行われるものとしてみて、指の熱分布の計算をエクセルでしてみたのである。こんど、練習がてら、同じように「エクセルでできるバスト熱分布計算」でもしてみよう。もちろん、技術解説書には使えないだろうが・・・。
2009-05-08[n年前へ]
■(A-bike型自転車の)8インチ空気タイヤ版A-Bicycle に100円ショップライトを付ける
先日、100円ショップで格安「自転車用の充電式ライト」を手に入れました。そして、『100円「自転車用の充電式ライト」の明るさを計ってみよう』で、その本体100円の自転車用ライトの明るさを計ってみたところ、ゆっくりゆったり走るには、使えそうな明るさでした。さすがに、早いスピードを出すのは危険きわまりなさそうですが、前にいる歩行者に気づいてもらい・数メートル先の状況を知るに必要最低限な照度は満たしていました。
格安で買ったといえば、(A-bike型自転車の)8インチ空気タイヤ版A-Bicycleを先月買い、色々いじり・直しながら(a-bikeのブログ)、毎日持ち歩き、毎日乗っています。たぶん、トータルで60kmくらいは走ったはずです。私にとって、もう手放せない道具の一つになってしまったように思います。
そこで、出かけた先の街を、夜に自転車で走ってみたくなった時のために、格安自転車に100円格安ライトを付けてみることにしました。ふと夏祭りの練習をする音が聞こえた時、ふと夜風にあたりながら夜の街を見てみたくなったとき、そんな時のために、(A-bike型自転車の)8インチ空気タイヤ版A-Bicycle に100円ショップライトを取り付けてみたくなったのです。
この自転車用ライトは格安とはいえ、もちろん、とりはずし可能です。だから、、普段は外してバックの中にでも入れておいて、夜a-bike(風)自転車に乗るときだけ、ライトを付けて走ってみることにしようと思います。
さて、夜にa-bike・・・でなくて、(A-bike型自転車の)8インチ空気タイヤ版A-Bicycleで乗るようすを動画撮影するのは危険そうなので、昼に遊歩道を走ったようすを下に撮影してみました。なかなかに早く・気持ちよく移動できる「徒歩プラスα」の道具だと思えば、驚くほど行動範囲・世界が広がります。
2009-05-09[n年前へ]
■「野球の統計データ」を通して眺める「統計解析の基本と仕組み」
山口和範「図解入門 よくわかる統計解析の基本と仕組み―統計データ分析入門 」は、わかりやすい本です。けれど、この本の読んでいて感じる面白さは「わかりやすさ」より、「心で感じることができる楽しさ」にあると思います。
どういうことかというと、この本にに出てくる例は「現実に即した例」で、それが工場の不良品率とかいった役に立つけれど「私たちの仕事から離れた趣味」とは必ずしも繋がらないような例ではなく、「私たちの私たちの趣味」と繋がるような、「(本当に)実際の野球選手にまつわるさまざまなデータ」なのです。不思議なくらい、そんなデータで「相関」や「主成分分析」などの話題が説明されていくのです。面白い本です。
まずは、本塁打とフォアボールの数の関係を示したグラフが下の図になります。たとえば、このデータの場合イは、「本塁打を打つ選手は(に対しては)、フォアボールが多い」という直観・実感に即したデータです。ホームランバッターにはボール球を多く投げたくなる状況が多いでしょうから、これはごく自然なデータでしょう。ちなみに、ここで言うホームランバッターというのは、本塁打数が20本を超えるような選手だということがこのグラフからわかります。
ところが、次の「本塁打」と「死球(デッドボール)」の関係グラフを眺めてみると、少し意外に感じます。ホームランバッターには危険球ぎみのボールを投げ、その結果デッドボールが多くなるかと思いきや、そういうわけではないようです。・・・考えてみれば、死球が多く、その結果怪我をしがちだったりしたら、ホームラン(本塁打)を多く打つことができなくなってしまうわけですから、これもよくよく考えてみればあたり前なのかもしれません。
というわけで、ここまでは、よくよく考えてみると自然に納得できるデータです。次のまだ「関係がよくわからないデータ」は、打率と三振の関係を示したデータです。高打率を誇る選手は三振が少なそうに思えるのですが、そういうわけではないようです。どういう状況があることで、こういう関係が成り立っているのでしょうか。
直接私たちの何かの役に立つわけでもない「野球の統計データ」を通し、私たちが直接役に立てることができる「統計解析の基本と仕組み」を学ぶのは、何だか楽しく思えます。
2009-05-11[n年前へ]
■七味唐辛子イリュージョン
よく見かけるS&Bの「七味唐辛子」の瓶のサイズは、実はひとつではありません。たとえば、下に張り付けた動画は、最初は、同じ「七味唐辛子」の瓶がふたつ並んでいるように見えますが、実はそうではないのです。大きなつづらと小さなつづら・・・じゃなくて、小さな七味唐辛子の瓶と大きな七味唐辛子の瓶が並んでいるようすを、方向を変え・便の位置を変え、撮影した動画です。
瓶の大きさと距離感は決してイコールではないのにも関わらず、私たちの脳はそれをあまりに単純化して感じてしまい、「瓶の大きさ」が等しければ「等しい距離に同じ大きさのものがあるものだ」と勘違いしてしまいがちです。・・・少なくとも、私の視覚と脳には、そういう傾向があるように思います。
上野例は、七味の瓶が二つだけの構図を撮影したものですが、サイズの異なる「七味唐辛子」の瓶が、微妙な配置で並んでいるようすを撮影したら、きっと絶妙なイリュージョン・錯覚動画を作り出すことができるような気がします。異なるサイズの七味唐辛子の瓶を使い、楽しくて・不思議で、そして心惹かれるイリュージョンを作ることができるに違いない・きっとそれはとても面白いに違いない、とふと感じた今朝の午前3時過ぎ、です。
2009-05-12[n年前へ]
■8インチ空気タイヤ版A-bike(風自転車)用の100円輪行バッグ
8インチ空気タイヤ版A-bike(風自転車)を、付属の鞄に入れて持ち歩いています。付属の鞄は、すぐに穴が空いてしまったりしたので、穴を黒いガムテープでふさぎながら、持ち歩いています。A-bike(やA-bike風自転車)は、バッグに入れさえすれば、その中に自転車がまさか入っているとは思えないサイズになりますから、本屋でも電気店でも自転車を持って気楽に入ることができます。
とはいえ、自転車を組み立てたり・畳んだりする時間があまりに短いので、バッグに入れる時間が長く感じられるようになってしまうのです。お店に入るというわけでなく、ただ電車に乗って自転車を持ち歩く程度なら、もっと簡単で小さく軽い輪行セットが欲しくなります。・・・そこで、いつものように、100円ショップへ行って、安くて簡単に自転車を持ち歩くことができる道具を選んでみることにしました。
今回のテーマは、「(比較的丈夫で長持ちする)簡単風呂敷」です。100円ショップで見つけた100cm×70cmの前掛けを買い、風呂敷状に使いA-bike(風自転車)を包むような「輪行袋」を作ってみました。つまり、「腹巻や腹帯を使ってA-bike(型自転車)を輪行する」で書いたような、「自転車を苦労して袋に入れる」のではなく「自転車をシートで気楽に包んでみよう」というアプローチです。
それが、下の写真の「輪行袋」です。「100円」というコストを考えた上での、コストパフォーマンスを考えれば、なかなか良い感じです。
2009-05-13[n年前へ]
■「美的曲線」と「包茎手術」
「美しい曲線」とはどんなものだろう?とふと思い、ネット検索してみると「美的曲線」というものが見つかった。
「美しさ」をアピールできることは,工業製品がマーケットで成功するために非常に重要です.例えば,自動車のボディの特徴線は,その車の美しさに対する印象を大きく左右します.本研究では,曲率対数分布図が直線で表される曲率変化の単調な平面曲線を美的曲線と呼びます.
和歌山大学の原田利宣先生が,「自然界や人工物におけるさまざまな美的曲線の多くは,曲率対数分布図が直線で近似できるということ」を指摘さまれました.原田先生が調べた美的曲線には,蝶の羽や自動車のボディのキーラインなどが含まれています.美的曲線の特別な場合として,曲率対数分布図における直線の傾きα=-1の場合にはクロソイド曲線,α=1の場合には対数螺旋となることが指摘されています.
なるほど、確かに「美的曲線」の例を眺めていると、その曲がり方の変化が気持ちの良い感覚にさせてくれるような気がしてくる。単調なカーブを描くのではなくて、曲率がほどよい速さで変化し、不思議な新鮮さを感じさせてくれる
・・・で、さらに「美的曲線」を調べていると、「美しい仕上がりの理由」というページを見つけた。「ひとつウエノ男になる上野クリニック」提供の「包茎治療を説明するページ」である。
上野クリニックでは「複合曲線作図法」という高度な技術を駆使した手術法を採用しています。これは、切除ラインが亀頭の傘の下に隠れるよう作図する美的曲線と、男性自身の裏スジの包皮小帯というひじょうに重要な部分を残す機能的曲線を組み合わせて作図する方法です。
患者様一人ひとりの皮の余り具合に合わせ、切除線を亀頭から3~5mmの箇所に設定します。傷跡がきれいに隠れ、手術したことが目立たない自然な仕上がりです。
上野クリニックの「美的曲線」が「曲率対数分布図が直線で表される曲率変化の単調な美的曲線」になっているかどうかはわからないが、「自動車のボディの特徴線」を語る言葉と、「男性自身の特徴線」を語る言葉が同じだったりすることが、何だか少し可笑しい。
2009-05-14[n年前へ]
■『「赤毛のアン」の秘密』という『物語』
作家論に描かれるのは対象の「作家」のようでいて、実際に描かれるのは「作家論を書く著者自身」である。人は多少の違いはあれ、大雑把に眺めてみれば、みな似たようなものだから、作家論からは結局のところ「あなたや私や多くのひと」が浮かび上がってくる、というものだと思う。だからこそ、人はそんな本を興味を持って、あるいは、共感とともに読むのだと思う。逆にいえば、そうでない本は対してあまり読まれず・残らない、ということになるかもしれない。
1942年4月24日、モンゴメリは最後の気力を振り絞って原稿を出版社に渡す作業を済ませると、(その日)その直後に自分の意志で死の世界に旅立った。(p.246)
小倉千加子の『「赤毛のアン」の秘密 』が面白かった。この本は「小倉千加子」が、赤毛のアンの作者ルーシー・モード・モンゴメリを描いた作家論である。あとがきで著者が書くように、この本は、「小倉千加子」が「赤毛のアン」シリーズを読み解いていくことで、モンゴメリ評伝という形をとりつつ「日本人女性の結婚観・仕事観・幸福感」を考察したものだ。つまり、「あなたや私や多くのひと」を浮かび上がらせる本である。
中学生の少女たちにとって、自分の家族に性が存在すること、性が存在したからこそ自分が誕生したことに気づいた時の衝撃は、決して小さなものではない。
自分には見せたことのない女の顔を母が持っており、父は男の欲望を持っており、しかも子どもに接する時には決してその顔と欲望を露わにしないことでかろうじて成り立っている家族の正体を知ったとき、少女は母には裏切られた思いを、父には嫌悪の情を、たとえ一瞬であっても抱くのである。(p.128)
この本に書かれていることが事実かどうかはわからない。少し疑問に感じることもあったりする。たとえば、「若いモラトリアム期の日本人女性がアメリカでなくカナダやオーストラリアに行く」のは、「自立・独立・アイデンティティの確立」に不安を感じるといった深層意識的な深淵な理由ではなく、若者が一定期間その国で働くことができるワーキングホリデービザが米国にはなく(だから日本も米国人に対してはワーキングホリデービザを提供しない。日本にいる若い英語教師にカナダ人が多いのはそういう理由だ)、カナダやオーストラリアはそれを提供してくれる、という都合が大きいのではないか。
モンゴメリは夫を、その出自(スコットランド系)と宗教(長老派)、学歴(ダルハウジ大学文学士)と職業(牧師)、年齢差(四歳年上)、そしてへ金以上の要望によって選んだ。(p.46)
しかし、この本に書いてあることが「事実」であるかどうかは、この本の価値とはあまり関係がないと思う。この本は、モンゴメリ評伝という「物語」なのである。主人公「モンゴメリ」の一生を綴ることで、結婚観・仕事観・幸福感といった「誰もが抱えているだろうこと」を描いた物語なのだ。だから、事実に基づいているか否かは、この本の価値とは関係がないと思う。事実に基づいた評論が、必ずしも、虚実取り交ぜた物語より真に迫っているとは限らないのだから。
モンゴメリにとって、アンの現実の居場所は最終的にはマシュウとマリラの<家>であってはならなかった。・・・モンゴメリにとってマシュウは、モンゴメリが考えている当然そうなるべきアンの将来をアンに踏み外させかねない危険な男となっていた。
マシュウはモンゴメリに殺されたのである。(p.121)
2009-05-15[n年前へ]
■「スラローム」スケート始めました。
スラローム・スケートを見たことをきっかけに、スラローム・スケートを見よう見まねで始めました。車輪部分を取り外すことができるHYPNO(ヒプノ) のシューズを、久しぶりに、引っ張り出し駐車場でたまに練習しています。「HYPNOは柔らかくて(剛性がなく)頼りにならないから、ちゃんとした靴を買った方が滑りやすいですよ」とアドバイスされつつ、今日も HYPNOで滑ってきました。
毎日5mほどA-bike(風自転車)で走っています。剛性もなく、ブレーキもネジが緩んで効かなくなったりする超小型折りたたみ自転車ですが、手入れをしている限りは、とても気楽に手軽に乗ることができます。・・・というと、一回、交差点でウィリーをして転びましたから、語弊がありそうです。けれど、少なくともHYPNOでスラローム・スケートの練習をしている時よりは遥かに気を使わずに足を動かし、気楽に進むことができます。
つまるところ、どんなものにもリスクとメリットが表裏一体で付いてきます。A-bike(風自転車)は、メンテナンスを欠かさなければ、リスクよりメリットの方が高いように思います。けれど、「スラローム」スケートの方は、メリットが「楽しさ」と「(ちょっとハードな)エクササイズ」だけかもしれません。だから、リスクとメリットの収支決算は少し分が悪いようにも感じられます。・・・とはいえ、「遊び」はポートフォリオで選ぶこともないでしょうから、趣味・楽しみの世界では、少し赤字で負け気味くらいの方が良いのかもしれません。
2009-05-16[n年前へ]
■「靴の持主」を推理してみよう
シャーロック・ホームズはコナン・ドイルが作った名探偵ですが、「青いガーネット 」の中に、ホームズが帽子から帽子の持ち主を推理していく有名なシーンがあります。「この帽子の持主は・・・」とさまざまなことを言い当てていくのです。
さて、下の靴は普通の靴です。とはいえ、やはりシャーロック・ホームズならすぐに「持主がどんな人であるか」推理できるような気がします。あなたなら、一体、どんな推理をするでしょうか?少しだけ、ミステリの名探偵になったつもりで考えてみれば、一種の頭の筋トレになるかもしれません。
少なくとも、「利き腕」はすぐにわかるでしょう。この靴の持主は右利きです。左足のソールの削れ方、右足先の削れは、右利きで「ピッチング練習をしている」ことが明らかです。とはいえ、この靴はトレッキング・シューズですから、シューズを履き替えて野球をやっている、というほどではなさそうです。また、右足の甲が少し汚れています。ということは、右足の甲で何かを操つることが多い「聞き足が右足の人」であるようです。
・・・という具合に、行動パターン・生活・性格など、ホームズほどでなくとも、ある程度は推測ができます。さて、名探偵のあなたなら、一体どんな推理・プロファイリングをするでしょうか?
2009-05-17[n年前へ]
■「赤毛のアン」と「モンゴメリ」と「日記」
『『赤毛のアン』を書きたくなかったモンゴメリ 』『誰も知らない「赤毛のアン」―背景を探る 』『L・M・モンゴメリー―「赤毛のアン」の素顔 (生き方の研究) 』『「赤毛のアン」の秘密 』『モンゴメリ日記〈1897~1900〉―愛、その光と影 』とたて続けにモンゴメリ関連の本を読んだ。本人も含め、何人もの人が書いている「モンゴメリには多少の差はあるが、それほどかけ離れた姿ではない。けれど、アニメで見た「赤毛のアン」の印象からすると、ずいぶんと、意外な姿の、それは確かに「赤毛のアン」の主人公と重なる部分も多くあるにも関わらず、意外な「モンゴメリ」がどの本でも描かれている。
彼女には、さまざまな顔がる。私は、彼女の日記をとおして、こうした多面性を持つ一人の女性作家にますます興味をひかれる。
『誰も知らない「赤毛のアン」―背景を探る 』 (p.197)
モンゴメリ関連書を読んでから「赤毛のアン」を読むと、「赤毛のアン」をもっと興味深く読むことができそうな気がする。
そういえば、1年間ほど、(モンゴメリが暮らしていた)プリンス・エドワード島出身の男性に英語を習っていたことがある。彼は、「プリンス・エドワード島は何もないところだ」と言っていた。「旅行で行ったとしても、本当に何もないよ」と、確か、言っていたように思う。・・・いつか、行ってみたいと思う。
彼女を知る多くの人は、付き合いの深い親戚を含めて、日記に仰天した。その個人的な記事は、みんなの知る女性とは似ても似つかぬものだった。
『L・M・モンゴメリー―「赤毛のアン」の素顔 (生き方の研究) 』(p.189)
2009-05-18[n年前へ]
■A-bike v.s. A-bicycle(8インチ空気タイヤ版)再び
超小型折りたたみ自転車の「(純正)A-bike」 v.s. 「(パッチモン)A-bicycle(8インチ空気タイヤ版)」(この(おそらく)類似品 )の勝負を再びしてみた。純正A-bikeの方は納入時にネジがユルユルだったものを(何しろ比較中にネジがコロンと落ちたくらいだ)、すべて締め直した上で、後ろタイヤのポジションの変えることで、チェーンの緩みもなくした状態である。
すると、「純正A-bike」の剛性感が別モノと思えるほど、良くなっていた。フロントとリアを繋ぐ部分がフニャフニャなのは変わらないけれども、それ以外の剛性感がずいぶんと感覚が変わり、乗っている時の「不安感」が”かなり”改善されていた。自転車としては、まだ「(パッチモン)A-bicycle(8インチ空気タイヤ版)」の方が良かったが、、その安定感の違いは(ネジを締め直し、後輪のポジションを変える前の買ったそのまま状態よりは)かなり小さくなっていた。
「純正A-bike」と「A-bicycle(8インチ空気タイヤ版)」を実際に比べてみると、やはりかなり違う点がある。右上の写真は、それら二つを重ねてみることで、フレーム・レイアウトの違いをわかりやすくして眺めてみたものだが、「純正A-bike」の方が、明らかにライディング・ポジションが高いことがわかる。また、、車輪と各フォークの配置・構造が実は結構違うことに気づかされる。
・・・結局、「純正A-bike」と「A-bicycle(8インチ空気タイヤ版)」の持ち主二人の意見は、”着実に改良をした”8インチ空気タイヤ版の「純正A-bike」が出たら、それが一番だよね、というところで一致した。8インチタイヤやポジション適正化による安心感、純正品のデザインの良さ・・・そんなものが、すべて組み合わさったものがあったなら・・・と意見が一致したのだった。もちろん、値段は純正品とパッチモンでは、数倍違ったりするわけだけれども。
2009-05-19[n年前へ]
■思想は変わらない「Wolfram|Alpha」
Wolfram Researchが作った「新しい検索エンジン」だという、Wolfram|Alphaを使ってみた。結局のところ、これは”まさに”Mathematicaである。「Mathematica開発者のウルフラム」と「ファインマン」でも書いたように、これは
データベースに登録されているパターン・規則にもどづいて、パターンマッチングを延々と行い、また、データベースに登録されている値(とユーザが与えた値初期値)を用いて変換を続け、最終的に変換できなくなった時点で、それが「所望の結果」になっているというものだ。結局のところ、「問題を解く」というの多くはそういうこと、そいう”パターン”が多いのかもしれない。
それにしても、Solve[x^2-3x==1,x]と検索してみると、その答えを教えてくれる。それと同じように、"earthquakes near the Akashi-Kaikyō bridge"と検索すると、明石海峡大橋近くの地震に関する情報を教えてくれる。使ってみると、なかなかに楽しい。データベース、検索時に使う「関数(変換・作業を定義したもの)」「言葉」をユーザが追加していけたら、もっともっと面白そうだ。
そうすれば、ユーザの力で拡張させることができる・発展することができる「新しい検索エンジン」ができるに違いない。
2009-05-20[n年前へ]
■A-bike(風自転車)で東京路地裏を走る
ここ一か月ほど、A-bike風自転車、8インチ空気タイヤ版A-bike模造品に(平均すると)毎日10kmくらい乗っている。そのうち5kmほどは使う必要があって乗っていて、残りの5kmほどは、自転車を手で持ち歩いているから、ふと乗っている、という具合だ。その「ふと乗っている」という感覚jは、一体どう書けば伝わるだろうか。
たとえば、100メートル先に興味そそられる店がある。たぶん、その距離なら、あなたはトコトコとその店まで歩いて行ってみる気分になることも多いと思う。「自転車を手で持ち歩いている」と、その「100メートル」は「1キロメートル」に等しい。例えて言えば、都会の電車の一駅くらいの距離なら、足を延ばして行ってみようかと思う、のだ(しかし、2kmを超えると、たぶん、ちょっと”エクササイズ”になる)。距離感覚が数倍変わると、眺めることができる世界が大きく変わる。それは、世界の座標系がビックリするくらい違うものになる。
先日、上野駅から東京駅までA-bike風自転車(8インチ空気タイヤ版A-bike模造品)で「散歩」してみた。上野公園を走り、落語の鈴本演芸場の前を通り、秋葉原では、若松通商には寄って、神田の線路沿いを通り抜け、そして東京駅八重洲口まで走った。たぶん、自転車に乗っていたのは30分くらいだ。
どんな場所にも、時間のエアポケットに入り込んだように感じる神秘的なスポットがある。たとえば、上野公園なら「上野大仏」や「穴稲荷」だ。そんな場所に行くと、懐かしいような・切ないような、何だかとても哀しい気持ちになる。
下に張り付けた動画は、神田から東京駅八重洲口出る瞬間近くの自転車で走った時に眺めた景色だ。A-bike風自転車で走りながら、片手のケータイで写し取った世界だ。この高架下の路地裏を抜け(時には飲み)、その後東京駅八重洲口のビルを眺めると、一瞬とても不思議な気持ちになる。そんな言葉にできない感覚に、そこを通るたびに、いつも包まれる。
2009-05-21[n年前へ]
■「新 物理の散歩道〈第1集〉」が文庫版になった
ちくま学芸文庫から「新 物理の散歩道〈第1集〉 」が文庫本として出ていた。長らく絶版になっていた、しかし、日本が誇る理系随筆・随筆・軽論文を紡ぎだしたロゲルギストたちの本を、また、本屋で買うことができるようになるのは素晴らしいと思う。
大学に入学した当時、教養の図書館でこの本を見つけ、「理系」に進んだことを感謝しながら読んだ。そして、全10巻を読み終えた時には、その続き、本に収録されていない話を読みたいと痛切に感じたものだ。
今回のちくま学芸文庫版では、「ロゲルギストのその後のこと」「最近の”素直”な学生のこと」などについて、何ページにもわたる「あとがき」が新たに加わっている。物理の散歩道のファンだった人たちは、そのあとがきだけでも、読んでみると良いと思う。そして、「物理の散歩道」を読んだことがない人は、手にしてみると良い本だと思う。本屋に溢れる、目の前の”トク(得)””わかりやすさ”を与える本とは違う、本当の”トク(得)””わかりやすさ”を感じることができると思う。
物理の散歩道について
専攻が異なる物理学者7人が、日常の出来事のふしぎをさまざまな角度から議論し、あるいは実験で確かめていく。ときに予想外の結論は「科学少年たち」を夢中にさせた。ディスカッションの楽しさと物理的思考法のみごとさが伝わる定評のエッセイ。
2009-05-22[n年前へ]
■荒井由美「ひこうき雲」
ファンクラブは結局、自主的に解散した。70年代の、内省的で、やや湿り気を帯びながら硬度もある東京の空気が次第に後退し、プレ80年代の明るさが兆し始めていた。
白い坂道が空まで続いていた
ゆらゆらかげろうが あの子を包む
誰も気づかず ただひとり
あの子は昇っていく
■hns(ハイパー日記システム)時代のURLを蘇らせてみました
久々にサーバに手を入れ、hns(ハイパー日記システム)当初のURLでも、アクセスできるようにしました。もう10年近く前になりそうな「昔」に使っていたURLでのアクセスを蘇らせることに何の意味があるのかしら・・・とも思いますが、昔と今とを重ね合わせ・積み重ねていくということが好きなので、少しの作業をしてみました。
というわけで、たとえば、懐かしいhttp://www.hirax.net/diaryweb/?200012aといったURLの記事へアクセスしても、今の記事URLにリダイレクトされ読むことがでいます。もっとも、かつてのURLでアクセスしていた方の多くは、この記事を読んでいたりはしないことでしょうけれども。
思えばこの数年でweb日記はブログに進化(?)し、
いまや1人1つはブログを持っているイキオイな時代です。
ななゑ「ちゃろん日記(仮)移転のお知らせ」
みんな、30代も過ぎて、40代、そして50代になり、牛歩のような速さのインターネット世界には、もう飽きてしまっているかもしれません。
だがもし、もう何かを書く必要がなくなったのであれば、それはそれで良かったと思うのだ。そのほうが絶対いい。できれば、そうであってほしいと思う。
お笑いパソコン日誌 2000/7/24 「バブルの逆襲の終わり」
2009-05-23[n年前へ]
■登山の下着の科学を「システム」として考えてみたい・・・!?
「新しい衣服衛生 」を読んでいると、こんな一節がありました。
水は1g当たり、たとえば25℃で583calと大量の気化熱を奪う。よく登山のときには羊毛の肌着を着ると良いといわれる。この理由は、濡れた時の熱伝導率がほかに比して小さい*ということと縮れ構造のかさ高性による保温効果もあり、さらに湿感も少ないが、もっとも重要なことは、繊維中最大の吸湿性(20℃,相対湿度65%で16%)があるため、汗をよく吸いとってくれるということ、そして同時にその吸湿時に発生する多大の湿潤熱により加温されるということがある。この説明には図が付けられていて、布の水分率(%)が上昇すると通常有効熱伝導率(W/m・K)は上昇するが、他の布に比べて羊毛は、全水分率にわたってかなり低い有効熱伝導率であることが示されています。
ちなみに、湿潤熱というのは、熱測定学会の説明をひいてみると、「浸漬熱(現在では"しんせきねつ"とも読むが"しんしねつ"が正しい読み方)あるいは湿潤熱=DHimmは、固体が液体に浸漬した際の固体表面エンタルピーの消失と、それと同時に起きる固-液界面の生成に伴う固液界面エンタルピー発生によるエネルギー変化により生じ、固体表面のエンタルピーhSと固液界面のエンタルピーhSLの差に等しい(DHimm=hSL-hS)」とあります。
登山の下着ひとつを考えるだけで、そこには色々な科学が隠れているものだ、と驚かされます。
ところで、いちばん最初の「登山のときには羊毛の肌着を着ると良い」という説明を読んで、システム・ダイナミクス的に考えてみると、果たして本当に「羊毛の肌着が良い」のかわからなくなったのです。湿度・汗・熱(温度)などを考えた時、果たして「多大の湿潤熱は果たして良いものなのか」がよくわからなくなりました。
下着を湿らすのは周りの湿気や、登山者の汗だと思います。湿気が高い時、登山者が汗をかいた時、湿潤熱が発生することが良いか・悪いかは、その時の気温にも依存する話のように思えます。汗をかいた時に、ますます熱くなってしまうと、もっと汗をかいてしまうことになり、何だか困るような気がします。その登山中の全過程における、気化熱や周りの気温とのバランス次第で、「多大の湿潤熱」が良い・悪いは変わるでしょう。
私は気軽な登山はしますが、本格的な登山というものをしたことがありません。発熱や湿度や発汗の関係、あらゆる作用を考えた動的なシステムとして考えてみると、一体「最適な登山の下着」はどういうようになるのでしょうか?
2009-05-24[n年前へ]
■「ウニの殻」で綺麗なライトを作ってみる
都会から離れた田舎の海にで泳ぐと、海の波の下、光が明るく届く程度の深さの海中の砂上には、綺麗なウニの殻や貝殻が転がっています。もちろん、美しい小さな魚の群れが塊となって、泳ぎ回っていたりします。
泳いでいる時、ウニの殻が見えるのはまだ海底が明るく見える浅い場所です。だから、そんな綺麗な殻を見つけるたびに、いつも潜ってウニの殻を持って帰ってきてしまいます。ウニの殻は色がとても端正で、規則的に針の穴がたくさん空いていて、不思議なくらい魅力ある姿形をしているのです。
そこで、今日は携帯用ライトの前部にウニの殻を付けてみました。携帯用ライトの直径と同じサイズのウニの殻を選び、(下図のように)ライトの前部に張り付けてみたのです。
というわけで、「ウニの殻」で作った綺麗なライトを点滅させたようすを撮影してみたのが、下に張り付けた動画です。淡い白色の部分と、淡いみどり色の部分と、反射光で見る分にはほとんど同じように見えますが、光の透過量を眺めてみた時には全然違うように見えることがわかります。面白いものです。
2009-05-25[n年前へ]
■「錯視」と「Sサイズ女性」と「衣服の科学」
アイデアを落書きしたバインダを久しぶりに眺めてみると、昔作った「錯視を利用した”バストが飛び出すイリュージョンブラ”」の型紙が出てきた。TV局の依頼でブラジャーの型紙を作った時、せっかく自分で設計したブラジャーなので本当は欲しかったのだけれども、「そのブラ持って帰ってもいいですか」という一言が言えなかった。実に残念に思うとともに、その内気な性格を直したいと心から悔んだのだった。
「錯視を利用したブラジャー」だと、何だか口にしづらいようにも思うが、そんな錯視を利用した女性用衣服を研究している人たちは多い。たとえば、そんな研究報告の例を挙げてみると、「錯視柄を応用したSサイズ女性衣服の開発」というようなものがある。「錯視」という科学、低い身長に悩む「(日本人女性には比較的多い)Sサイズ女性」のための衣服を作りたい、という掛け値なしに「素敵な研究」である。
こういう研究論文を読んでいると、とても面白く楽しい。
アパレルメーカーは、ボリュームズーンのMサイズあるいは9号サイズに合わせてデザインや素材や、S,M,Lと同じ織り柄の素材あるいは柄が同じ大きさのプリント生地を利用してサイズ展開をしている。そのため、「身長が低い」「身体が薄い」などSサイズの女性がプリント柄の衣服を着るとアンバランスになってしまう。
そこで、Sサイズ女性が衣生活に苦慮していることを解消するため、目の錯覚を利用してSサイズ女性特有の体系をカバーする錯視柄を応用した衣服の開発を行った。
「錯視柄を応用したSサイズ女性衣服の開発」
2009-05-26[n年前へ]
■「静電気体質」を「衣服生地と人体皮膚の摩擦帯電系列」から眺めてみよう
もうすぐ梅雨が始まります。私のような静電気体質の人は、湿気を感じる季節になると、ちょっと気楽になったりします。それは、湿度が高いと摩擦帯電しにくくなるからです。などと書くと、「静電気体質」って何だろう?という疑問が湧いてきます。
床や靴裏が摩擦され合うと、摩擦帯電が生じて、片方が+(プラス)にもう片方が-(マイナス)に帯電したりします(たとえば右上の写真は、そういったことを防止するための静電気帯電防止機能付きカジュアルシューズ です)。あるいは、来ている服と座っている椅子などの間でも摩擦帯電が起きたりします。「静電気体質」というのは、そういう靴や服選びによるものなのでしょうか?
「新しい衣服衛生 」の頁をめくると、「衣服生地と人体皮膚の摩擦帯電系列」のデータがありました。そこに書かれていた内容を大雑把に図・グラフにしたものが、下図になります。
意外なことに、人体皮膚は(人によっても違うようですが)およそ羊毛からテトロンの間に広く分布していることがわかります。それぞれの人の、その時の状態によるのかもしれませんが、ひとことで同じ「皮膚」といっても、帯電性には人それぞれ差があるようです。摩擦帯電系列上での、来ている服と皮膚との関係にもよりますが、服と皮膚間の摩擦帯電では、摩擦帯電しやすい人、しにくい人という「体質」がある、のかもしれません。
さて、とりあえずは、皮膚と衣服の摩擦帯電をさせたくない、と思う「静電気体質」の人は、自分の皮膚と衣服生地の摩擦帯電序列を合わせてみるのはどうでしょうか。つまり、ビニロン・やレーヨンや羊毛あたりと皮膚を擦り合わせてみて、静電気が発生しない組み合わせを探し、それを(摩擦帯電的に)自分にあった生地・繊維と覚えておくのです。そして、服を買いに行った際には、その生地や繊維で作られた下着や服を買うようにすることで、「静電気体質の人に優しいファッション」ができる、というわけです。
もちろん、服と服、あるいは服と他の生地、あるは靴裏と床・・・といった他の摩擦帯電の方が、あの痛い「静電気のバチッ」を作り出している、のでしょう。けれど、自分の皮膚と他の人の皮膚を触れ合わせてみた時に、片方がプラスに、もう片方がマイナスに摩擦帯電する、なんて考えてみると、何だかとても面白いような気がします。
2009-05-27[n年前へ]
■現代思想2009年5月号 特集=ケインズ 不確実性の経済学
地下の居酒屋で飲みながら、「現代思想2009年5月号 特集=ケインズ 不確実性の経済学 」を借りてパラパラとページをめくり読んだ。充実した執筆者たちが、それぞれの見方でケインズを論じていた。
数年前、ケインズは過去の化石標本であるがように経済学の話を聞き、同じように、そういった雰囲気の本が本屋に並んでいた。けれど、今、本屋に行くと、ケインズという文字が溢れていて、地域振興券や高速代金割引がバラまかれ、まさに「ケインズ的政策」が日本中を席巻している。
「100年に一度の不況」という言葉がしきりに使われている。100年に一度、不況が訪れるという。100年に一度、ケインズは蘇るのだろうか。歴史は何度も繰り返す、というのは本当なのだろうか。
2009-05-28[n年前へ]
■七味唐辛子の「普通サイズ」と「大サイズ」の穴径は同じ
S&Bの七味唐辛子には、「普通サイズ」の小瓶だけでなく、 「大サイズ」の瓶もある。右の写真のように、瓶のサイズはずいぶん違うけれども、七味唐辛子が出てくる穴の径は実は同じだ。ためしに、計ってみると、両方とも、つまり、「普通サイズ」も「大サイズ」も、穴の直径は5mmほどである。
瓶の大きさが違うのに、穴の大きさが同じだと、「大サイズ」の七味唐辛子瓶からは、普通サイズの瓶よりたくさんの七味唐辛子が飛び出てきてしまいそうな気がする。たとえば、これが、水を入れた瓶ならば、穴から出てくる液体の量は液体の深さ(高さ)に比例する。それは、液体圧が液体の深さに比例して増加するからである。だから、(少なくとも買った直後の状態ならば、普通サイズの瓶よりも(液体の深さが大きい)大きな瓶の方が、穴から出てくる液体の量が多い。
しかし、瓶の中身が粉体だと、そういうわけにはいかない。粉黛の場合には、粉体圧は深さには比例しないのである。それは、粉体どうし間や粉体と壁面間に摩擦力が働くためである。そうした結果、穴の周りで粒子が詰まるため、結局のところ、穴から出てくる粉体の量は、粉体の量とは無関係に、穴の大きさ(と粉体の密度)で表されることになる。たとえば、穴から出てくる粒子(=七味唐辛子)は穴の大きさの3乗弱くらいに比例した量になる、という具合である。
つまり、七味唐辛子の「普通サイズ」と「大サイズ」の穴径の大きさが同じなら、その二つの瓶から(一振りあたりに)出てくる七味唐辛子の量は同じになる。逆にいえば、大きいから瓶を一回振れば、たくさんの七味唐辛子が出てくるかというとそういうわけでないのである。
香辛料大好きな人が、香辛料の瓶を選ぶ時には、瓶の穴径をじっくり眺めてみると良い。そして、関数電卓でその3乗根を計算してみるのが、科学的な「香辛料入れ」の選び方、なのである。
2009-05-29[n年前へ]
■音に反応して光る”イコライザー”Tシャツはインフルエンザ探知機か!?
音に反応して光る「巨大なイコライザー」が胸に張り付けられたFLASHWEAR T-Qualizer(Tシャツ・イコライザー) をもらった。シャツの裏側に隠されたポケットに入れられた駆動ユニットのスイッチを入れると、周りで音が鳴るたびに、一列に並んだ光る噴水のごとく、何本ものバーが気持ちよく立ち上がり踊る。
このTシャツが「カッコいい」かどうかは、かなり微妙だ。一種の音楽サンドイッチマンのようでもあるし、実際のところ一番多いのは、周りで誰かが咳をしたときに、一番光りまくるのだ。新型インフルエンザ騒動が世の中を席巻している今の時期、咳に応じて光りまくるTシャツは周囲の注目を浴びることはあっても、決して羨望の眼差しではなく、少し横目で眺めるような具合なのである。
音に反応して光る”イコライザー”Tシャツ、FLASHWEAR T-Qualizer(Tシャツ・イコライザー)は、もしかしたら、インフルエンザ探知機・レーダーだと思って着た方が良いのかもしれない。
2009-05-30[n年前へ]
■エクセルのマルチスレッド機能
Microsoft Excel 2007 を使っていると、前のバージョンとは違い、マルチスレッドの設定ができることに気がついたのです。そこで、試しに、以前遊んだ「エクセルでシミュレーション」シリーズのワークシートを使い、CPU数=1にした時とCPU数=2にした時の速度比較を行ってみました。「10×10ほどの小さな空間分割でポワソン方程式を差分法で解く」というワークシートで比較をしてみたのですが、計算時間にはまったく違いがみられませんでした。
考えてみると、このワークシートの場合、セル間が循環参照されていて、単純に「独立に複数スレッドで(領域分割して)計算をする」というようなことはできそうにありません。これでは、マルチスレッド計算の効果が表れないのも、当然といえば当然です。
そこで、次に、先ほどのワークシートを独立した2つの「10×10の空間」の電界計算をするものに変えてみました。といっても、つまりは、コピー&ペーストして、2つの領域を作ってみただけです。今度は(マルチスレッド機能のCPU使用数の違いで)計算時間に差が出るかと思いきや、・・・CPUの数によらず、やはりどちらも35秒ほどで、マルチスレッドの効果は現れませんでした。
「エクセルに深入りしたらおしまい」「エクセルは時間泥棒」と常々思っているのですが、「エクセルのマルチスレッド処理の動きがどのようになっているか」を調べたくてたまらないのです。もちろん、そんなことを始めたりしたら「時間がなくなる一方」になってしまうわけですが・・・。
2009-05-31[n年前へ]
■続 エクセル2007のマルチスレッド機能
エクセル2007のマルチスレッド機能について調べていると、こんな記事がありました。この記事に書かれている結果からは、マルチスレッド機能の効果は大きいように見えます。少なくとも、マルチスレッドか、シングルスレッドであるかの違いは大きいように思えます。
Time to recalculate MBRM UNIVOPT benchmark speed test spreadsheet
Test 1: Single core machine
Using Excel 2003 69.5sec.
Using Excel 2007 69.5sec.
Test 2: Dual-core machine
Using Excel 2003 88.97sec
Using Excel 2007 with 1 calculation thread 88.8sec.
Using Excel 2007 with 2 calculation thread 45.74sec.
Using Excel 2007 with 3 calculation thread 45.03sec.
それでは試しに、というわけで「ベンチマーク for Excel 2000」で、マルチスレッド機能(CPU数=1 or 2)の違いを見てみました。その結果が下の2つのグラフ(の赤表示部分)です。上がマルチスレッド有効にした場合で、下がシングルスレッドの場合になります。スレッド数での違いは、やはりほとんど見られません。
とはいえ、ファイル保存形式を変えてみても、エクセルのメニューバーには「互換モード」と表示されているのが気にかかるところです。もしかしたら、今回試してみた方法では、Excel 2007特有の機能は使われていないのかもしれません。
・・・というわけで、やはり、エクセルに深入りすると、必ず恐怖の時間底無し泥沼が待っているような気持がしてきました。