2008-01-31[n年前へ]
2008-11-13[n年前へ]
■「多体問題」と「政治」
社会学者の橋爪大三郎の言葉としてこんな一節を聞いたことがある。
二人の人間の関係は「力関係」だが、人づてにこの言葉を聞いたとき、なぜか妙に納得した。
三人以上の人間関係は「政治」だ。
その時、妙に納得した理由の一つに「多体問題」が頭に浮かんだことがある。「相互に影響を与えあうものの挙動を扱う問題」を連想し、2つのものの間の問題、つまり「二体問題」は解くことができるが、三体以上になると(極めて少ない例外を除けば)一般的に解くことができなくなる。
ここで、振り返って橋爪大三郎の言葉を読み直してみると、それはこんな風に変わる。
二人の人間の関係は「力関係」だが、(極めて少ない例外的な状況を除けば)「政治」はのように動いていくかはわからないのである。
(それは力関係で厳密に決まる)
三人以上の人間関係は「政治」だ。
(それがどのように動いていくかはわからない)
この言葉を聞いてから、「政治」の話を聞くたびに、頭の中でその多体問題を図示してみたくなった。そして、どんな相互作用が働いて・どんな関係にある多体問題なのかを描いて眺めてみたいと感じるようになった。
たとえば、今のさまざまな政治問題を図示して見ると、一体どのような図になるのだろう。どんな眺めになるのだろうか。
2009-04-09[n年前へ]
■源氏物語も政治の道具
「寂聴と磨く「源氏力」全五十四帖一気読み! (集英社新書) 」
瀬戸内寂聴: (紫式部は)面白い物語を書くと評判になって、当時の最高権力者、藤原道長に召し抱えられて、道長の娘の中宮彰子の女房になりました。…その時の一条天皇は文学趣味があり、彰子より年上の定子という、清少納言が仕えていた方のお姫様とすごく仲が良かった。その天皇の興味を幼い彰子に向けさせるために、道長は紫式部を雇ったわけ。源氏物語も政治の道具だったということです。
2010-03-15[n年前へ]
■「政治は一瞬、方程式は永遠」
「痛みは一瞬。映画は永遠」で、体を張ったスタントばかりだった"バック・トゥ・ザ・フューチャー"を作る時に、主演マイケル.J.フォックスが監督ロバート・ゼメキスと繰り返し交わした言葉を書きました。
痛みは一瞬。映画は永遠。
"バック・トゥ・ザ・フューチャー"では、主人公は、1985年の世界から1955年にタイムスリップします。今日、引用する言葉は、そのさらに3年前の1952年、まさに時空間を表現する相対性理論で有名な、アルバート・アインシュタインの言葉です。
1948年にイスラエルが建国されたあと、1952年にはイスラエル初代首相ベン・グリオンから大統領になってほしいと要請されましたが、「政治は一瞬、方程式は永遠」と言って断りました。
米沢富美子「人物で語る物理入門〈下〉 (岩波新書) 」
この2つのフレーズは、似ているようで、文の流れは結構違います。前者は、永遠のために一瞬を受け入れることを厭わず、後者は、永遠のために一瞬には目を向けません。
色々な一瞬と永遠があることでしょう。あなたなら、この形の一文に、どんな言葉を入れたいと思いますか?