2009-07-15[n年前へ]
■Microsoftとゲイツ氏,物理学者ファインマンの講義ビデオを無償配信
Microsoftとゲイツ氏,物理学者ファインマンの講義ビデオを無償配信
米Microsoftの研究部門Microsoft Researchは米国時間2009年7月15日,同社会長のBill Gates氏と協力し,著名な物理学者Richard Feynman氏の講義映像を一般公開すると発表した。Microsoft ResearchのWebサイトから無償でアクセスできる。
2009-11-22[n年前へ]
■NEWS今昔物語 「 科学の楽しみ」編 (初出2004年10月28日)
時間が矢のように過ぎ去る師走が近づいています。というわけで、何かを書くことができなかった日には、ずっと昔に書いた(リンク切れになっている)文章を書き写していくことにします(実際にはWikiで書いた文章を整形するスクレイピング用Rubyコードを書いただけです)。
過去に書いたものは、今から振り返って見ると的外れなものも多いとは思いますが、意外に今から眺め返してみても新鮮なこと(不思議に現在や未来がわかりやすく見えてくること)もあるかもしれない、と思います。というわけで、シリーズ「今昔物語」を始めてみます。古い文章なので、リンク先は「リンク切れ」になっているものばかりだとは思いますが、ご容赦ください。
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
今は、今井功の直筆書き込みがされた本を、お借りして読んでいます。この記事を書いてから、今井功が病の中、病院で点滴されながら、点滴の落ち具合を観察して考察していた話など聞きました。毎日が、「物理の散歩道」だったのだろうかと、感じます。
(記事を書いた時の)ひとこと
新潟の地震による被害はとても大きく、ネット上でも多くの募金が行われている。気軽に募金ができるのは不幸中の幸いだ。「人助けはまずお金から」、かも。
「ブラジャー・カステラ」と「学研まんが 下着のひみつ」
これまで数々の奇妙奇天烈なブラジャー(プレスリリース)を発表してきたトリンプが先月22日ブラジャー・カステラを顧客に配布したという。横浜文明堂カステラの表面を「天使のブラ」デザインでデコレーションしたというスグレもの?だ。
ブラジャー関連を「顧客に配布」と言えば、今年四月に学習研究社企画制作しワコール全面協力で発売された「まんがでよくわかるシリーズ 下着のひみつ」も、今夏にはワコールジュニア商品取り扱い店舗で限定配布されていたという。一般に女性の乳房は左右あわせて360~640mlの容積で500ml 入りのペットボトルを抱いているようなものなんていう役に立つ?知識も得ることができるようだ。これはちょっと読んでみたいかも…。
「国が育てる?サイエンスライター」と「理科大好きシンポジウム」
先月10日、「国がサイエンスライターを育て、研究の成果を国民に分かりやすく解説し、日本全体の科学のレベルを上げるべき」という文部科学省の科学技術・学術審議会の骨子案がasahi.comの記事を発端として話題になった。
文部科学省は「科学技術離れ」「理科離れ」対策の「科学技術・理科大好きプラン」の一環として、今月6日から大阪・岡山・東京・金沢で理科大好きシンポジウム2004も開催する。「科学技術・理科大好き」な生徒の研究発表もあるというから、興味のある人は(期待を込めて)行ってみると面白いかも?
ロゲルギスト今井功氏が亡くなる
先月24日、流体物理学者の今井功が亡くなった。今井功は覆面グループ・ロゲルギスト(近角聰信、磯部孝、近藤正夫、木下是雄、高橋秀俊、大川章哉、今井功)の一人"I2氏"として、50年代から70年代にかけて科学随筆「物理の散歩道シリーズ」「新物理の散歩道シリーズ」を書き続け、数多くの理科・技術大好き人間を生み出した。
もし、「物理の散歩道 」「新 物理の散歩道 」シリーズを読んだことがない人がいたならば,ぜひ探して読んでみてもらいたいと思う。きっと「科学技術・理科の楽しみ」に浸ることができるはずだ。ロゲルギストは間違いなく、日本の科学のレベルを上げてきたと思う。
2009-12-10[n年前へ]
■NEWS今昔物語 「色んな勘違い・間違い」編 (初出2004年07月00日)
5年前のNEWS(未来)を振り返ってみて思うこと
この後、「新書マップ」は「実際の書籍」になりました。まるで本の巣窟、はたまた、迷宮のような実に分厚い本になりました。私も買ったのですが、あまりに収録されている書籍の数が膨大で、全ては未だに読むことができていないような気がします。
ハチは実は怠け者?
「忙しい蜂は悲しむ余裕をもたない」「蜜蜂が他の動物より尊敬されるのは、勤勉であるからではない。他の者のために働くからである」というような言葉に表されるように、ミツバチは「働き者」の代名詞となっている。しかし、実際のミツバチは働き者どころか怠惰をむさぼる怠け者だったらしい。
先月、ドイツ動物学学会から蜂の研究に対する表彰を受けたベルリン自由大学教授のRandolf Menzel博士が言うには、「蜂は夜の80%は寝ているし、昼もすぐ飛ぶのを止めて羽を休めている」らしい。とかく残業が多くなりがちで休むヒマもないひとたちは、ミツバチに(自分自身を重ねて)仲間意識を持っていたりするかもしれない。しかし、哀しいことにそれは勝手な思いこみによる誤解だったようだ。
ホーキング博士が認めた「誤り」と「寺田寅彦の学位論文の誤り」
物理学者スティーヴン・ホーキング博士が、「ブラックホールに落ちた物質が持っていた情報は失われてしまう」という-量子力学に反してしまう「ブラックホールの情報喪失問題」における誤りを認めた 、とnature.comで7/15に発表(日本語訳)された。
ホーキング博士でも誰でも「誤り」はある。そういえば、随筆でも有名な物理学者である 「寺田寅彦の尺八の音響学に関する学位論文にも誤りがあった」という。優れた物理学者達でもミスをする、と聞くと少しホッとする。しかし、自らがおかしているハズのミスの数々を顧みると背筋に冷や汗がタラタラと流れてきてしまう。
新書マップで本棚散策
本屋で探していた本の近くの本棚に何故か目を惹かれ、その本棚につい手を伸ばしてしまうことは多い。また、間違えて本棚から引き出した本が意外に面白く、読みふけってしまうこともある。そして、さらにその隣りの本棚にもまた心を惹かれて…と、いつの間にか本屋の中を長いこと散策してしまったりする人も多いに違いない。
そんな感覚を味わうことができるサイト「新書マップ」が国立情報学研究所により開発され、6月30日から一般公開された。
新書マップは汎用連想計算エンジン(GETA)を使い、さまざまな本を「幻想的なマップ」上にジャンル分けし表示している。しかも、まるで本当に心赴くままに色んなジャンルの本棚を眺めることもできる。これからは、ネット書店の本棚でも長時間散策してしまうかもしれない。
2010-01-16[n年前へ]
■寺田寅彦の文学的表現に流れる「重く喪失の感覚」
末延 芳晴「寺田寅彦 バイオリンを弾く物理学者 」から。
寅彦の文学的表現の根底には深く、重く喪失の感覚が流れている。人間が人間として生きていくうえで、欠かすことのできない大切な何かが失われ、断ち切られている。
寺田寅彦に関する書籍は多い。しかし、昨年の末に出版された本書は、これまでに出版された寺田寅彦に関する書籍中でも、最も情報量が多く、そして奥深いものではなかろうか。
理系と文系と言う単純な1次元の世界は、多くの場合、誰もが一度は通り(語り)、そして誰もがいつか卒業する(飽きる)単純極まりない世界だと思う。・・・けれど、あえて書くならば、(そのひとつの道を選んだ)科学者が書く寺田寅彦評論とは一味違うものが、(やはり、そのひとつの道を選んだ)文学者が描いた本書には確かにあるように思う。
俳諧で「虚実」ということがしばしば論ぜられる。数学で、実数と虚数とをXとYとの軸にとって二次元の量の世界を組み立てる。虚数だけでも、実数だけでも、現わされるものはただ「線」の世界である。二つを結ぶ事によって、始めて無限な「面」の世界が広がる。
寺田寅彦 「無題六十四」
2010-03-15[n年前へ]
■「政治は一瞬、方程式は永遠」
「痛みは一瞬。映画は永遠」で、体を張ったスタントばかりだった"バック・トゥ・ザ・フューチャー"を作る時に、主演マイケル.J.フォックスが監督ロバート・ゼメキスと繰り返し交わした言葉を書きました。
痛みは一瞬。映画は永遠。
"バック・トゥ・ザ・フューチャー"では、主人公は、1985年の世界から1955年にタイムスリップします。今日、引用する言葉は、そのさらに3年前の1952年、まさに時空間を表現する相対性理論で有名な、アルバート・アインシュタインの言葉です。
1948年にイスラエルが建国されたあと、1952年にはイスラエル初代首相ベン・グリオンから大統領になってほしいと要請されましたが、「政治は一瞬、方程式は永遠」と言って断りました。
米沢富美子「人物で語る物理入門〈下〉 (岩波新書) 」
この2つのフレーズは、似ているようで、文の流れは結構違います。前者は、永遠のために一瞬を受け入れることを厭わず、後者は、永遠のために一瞬には目を向けません。
色々な一瞬と永遠があることでしょう。あなたなら、この形の一文に、どんな言葉を入れたいと思いますか?