2009-03-28[n年前へ]
■「相手の気持ちや事情を理解し、考える」
京都新聞 出版最前線の、渡辺 淳一 「欲情の作法 」に対する書評より。
センセイはまず、男性に自分の精子を顕微鏡で見なさいと勧める。卵子にたどり着く精子は一つだけ。男は振られる生き物だという自覚を促し・・・
教えの根底に流れているのは「相手の気持ちや事情を理解し、考える」ということだ。…これは恋愛論であると同時に、性を切り口にした優れた人間関係論でもあるのだ。
2009-11-27[n年前へ]
■理屈より事実の迫力の方が上
渡辺淳一「男と女のいる風景 」から
理屈より事実の迫力の方が上なんです。たとえば野口英世のお母さんが、アメリカにいる英世に充てた手紙に「はやくきてくたされはやくきてくたされ。はやくきてくたされ」(早く帰ってきて下され)ってチビた鉛筆でカタカナとひらがなと感じと全部まぜこぜで繰り返し書いてあるけど、この文章のほうが、本当に帰ってきてほしい、という愛情がわかるんです。読む人が読めば、文章などの技術を超えて、嘘の部分と本当の部分がわかるものなんです。
-ミヤコ蝶々さんとの対談より-
2009-11-29[n年前へ]
■過去の一瞬を舞い戻す匂い
渡辺淳一「男と女のいる風景 」から
ある歌や曲で、ある人の思い出が蘇(よみがえ)るように、ある季節の匂いで過去の一瞬が舞い戻ってくることがある。
「公園通りの午後 (集英社文庫)」
2009-12-11[n年前へ]
■一瞬の才能なんてだれでもあるんだよ。
「あぁ…」と感嘆させられる言葉を本の中で読むことがあります。そして、手帳に書き写します。そして、時折、ここにさらに書き写します。これは、渡辺淳一の「男と女のいる風景 」の中の言葉です。
一瞬の才能なんてだれでもあるんだよ。けれど、とても心に鋭く響く言葉は、ここには書けず、手帳にすら書き写すことができないことも多いものです。ただ、心の中に、その言葉が残るのです。
問題はそれを持続させるのがむずかしいんだよ。
この本も、そんなここに書き写さない言葉がたくさんある、そんな本でした。
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