hirax.net::Keywords::「手紙」のブログ



2009-11-27[n年前へ]

理屈より事実の迫力の方が上 

 渡辺淳一「男と女のいる風景 」から

 理屈より事実の迫力の方が上なんです。たとえば野口英世のお母さんが、アメリカにいる英世に充てた手紙に「はやくきてくたされはやくきてくたされ。はやくきてくたされ」(早く帰ってきて下され)ってチビた鉛筆でカタカナとひらがなと感じと全部まぜこぜで繰り返し書いてあるけど、この文章のほうが、本当に帰ってきてほしい、という愛情がわかるんです。読む人が読めば、文章などの技術を超えて、嘘の部分と本当の部分がわかるものなんです。

-ミヤコ蝶々さんとの対談より-

2010-03-30[n年前へ]

27年余りの刑務官生活で…。 

 坂本敏夫「少しだけ強くなれる手紙 ~ 今、不安と悩みを抱えながら生きる君たちへ ~ 1通目」から。

 そこで私は大学をあきらめて大阪刑務所の看守になって宿舎をもらったのです。
 27年余りの刑務官生活でたくさんの囚人とその家族の人生に関わりました。

2010-08-09[n年前へ]

テクノロジーとラブレター 

 もう10年以上、LaTexを使っていません。20年近く前は、何を書くにもLaTeXを使っていたような気がします。どんな文章も、MIFES風のキーコンビネーションにカスタマイズしたVZ EditorとLaTeXで書いていました。論文を書くときも、予算申請書を書くときも、あるいは、ラブレターを書くときだって、タイプしたテキストをTeXでコンパイルし、その結果をプリンターから出力して、そして、切手を貼った封筒に入れて郵便ポストに投函したのです。

 ラブレターというものは、まだこの世に存在しているのでしょうか?想いを伝えるだけなら、直接声で伝えるのがほとんどで、文字で伝えるというようなことはもうないのでしょうか。
 それとも、文字で伝えることはあるけれど、それはPCで読み書きする電子メールであったり、あるいは、ケータイの画面に浮かぶ言葉だったりするものでしょうか。…最近の恋文事情は全然わかりませんが、LaTeXでスタイルファイルを書いて、テキストを書き、ラブレターをコンパイルして…なんていう面倒なことをしている人は、もうほとんどいないような気がします。

 技術進化は、生活のディテールを大きく変化させます。テクノロジー変化にともない、生活のディテールが変化していくことは確かでしょう。けれど、その基本的な部分を俯瞰して眺めてみれば、意外なほどに変化していなかったりするかもしれません。

 かつてLaTeXのスタイルファイル作成方法やコマンドの書き方をまとめた資料をFTPサーバからダウンロードして真似して使っていた記憶があります。今の時代なら、ケータイ・メールに関して、似たようなことがされていたりするのでしょうか。

2011-06-10[n年前へ]

ペーパーレス時代の「ラブレター」 

 ペーパーレスという言葉が声高にうたわれるようになったのはずいぶん昔です。

 かつて月曜日の山手線に乗れば、週刊ジャンプを広げ読む人たちばかりだったような気がします。けれど、最近はそういう人はあまり見かけず、手に持ったケータイをみつめる人ばかり、になりました。

 ペーパーレスが謳われる時代、恋を告白するラブレターは一体どんな姿をしているのでしょうか。…そもそも、ラブレターというものが、今も生き残っているものなのでしょうか?

読んでもらえるだろうか?
手紙を書こう、あなたに。
あなたに、ラブレター。

THE BLUE HEARTS "LOVE LETTER"

 中学生の頃、恋心を伝えるラブレターを書きました。相手の手間を楽にしようと、往復はがきに「つきあってください」と書き、返送用はがき部分に「はい・いいえ」と書きました。「選択肢」に○をつけ、返送用はがきを切り取って、郵便ポストに返送用はがきを投函するだけで済むので、相手が切手や封筒や便箋を用意するといった手間をかけることもなく、それはとても便利に違いない、と考えたのです。シンプル・イズ・ベストの心です。

 ラブレターを郵便ポストに投函してから数日後、「いいえ」に○がつけられた返送用はがきが帰ってきました。それが、私が一度だけ書いたことがある(恋心を初めて告白する最初の手紙という意味での)ラブレターへの返事です。シンプル・イズ・ベスト…だったかどうかはわかりませんが、答えはとてもシンプルでした。

 今の時代、ペーパーレスという言葉を聞く時代、「好き」という心を初めて伝えるラブレターというものは、一体どんな姿をしているのだろう?と首を捻ります。ペーパーレス時代の「ラブレター」は一体どんなものなのでしょうか?



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