2010-07-22[n年前へ]
■「光沢液晶」と「「ノングレア液晶」と「絹目仕上げやツヤ消し写真」」
スラッシュドットで「光沢液晶、好きで使ってる人っているの?」という記事を読んだ。この記事を読んで、10年近く前に机上の空論的実験コーナー「できるかな?」用に準備したデータと記事ドラフトを思い出した。それは、「白黒写真はなぜツヤ消しが好まれて、カラー写真はなぜ光沢仕上げが好まれるのか?~そして懐かしき絹目仕上げはどこへ行った?~」というような仮題で作り始めたシミュレーション・データ&記事だった。
ネタ用に作成したデータは、白黒写真とカラー写真の表面を、「絹目仕上げ」や「光沢仕上げ」、そして、「ツヤ消し仕上げ」にしたときに、方向によってどのように見えるか、ということを実感できるようにしたファイル群である。
今では「絹目仕上げ」なんていう言葉を知らない人が多いかもしれないが、それは表面に適当な凹凸がつけられた写真である。そして、「ツヤ消し写真」は写真版の「ノングレア液晶」みたいなようなものだ。そんな、写真版の「ノングレア液晶」や「ノングレア液晶」に白黒写真やカラー写真を写しだしてみる(現在で例えるならそんなような内容の)VR体験を通じて、画像を眺める私たちが、何を重要視するのだろうか?ということを「眺める対象に映し出されているもの・種類」ごとに考えてみよう・その感じ方と理論を共有してみよう!?、という内容を書こうとしてみたものだった。
そのとき解こうとしたナゾを端的に書けば、なぜ絹目写真が一時もてはやされたけれども消えるに至ったのだろうか。なぜ、結局のところ、カラー写真は光沢仕上げだけが生き残ったのか。けれども、なぜ、白黒写真はツヤ消しが好まれているのだろうか(あぁ、懐かしきバライタ紙だ)、ということだった。
結局、ネタのオチというか、最後のまとめの言葉が思い浮かばなかったことと、その内容をビジネスに転用できそうだと考え、ビジネスにしてしまったこともあり、雑文記事にする機械のないままに眠らせてしまった。
10年近く前のデータだけれども、ただ埋めてしまうのもったいない。また、そろそろ書いても良い頃だろう。というわけで、近日中にその古い古いデータ群を引っ張り出して、日記ページ上で雑文でも書いてみようと思う。
2010-12-01[n年前へ]
■美しい肌色を表現する画像処理技術
NEC「美しい肌色を表現する画像処理技術を開発 ~自分らしさを活かした顔画像の高画質化を、高速に実現~」
NECはこのたび、顔画像を光学的に解析することで、顔の表情や質感など自分らしさを活かしつつ、思い通りの美しい肌色を表現できる顔画像処理技術を開発しました。また、高速な計算方式を開発したことで、ケータイ、デジタルカメラ、プリンタなどの比較的演算性能の低いCPUを用いる組込み機器にも対応可能としました。
従来の顔画像処理技術では、美白などの一見美しく見える肌の色を表現することができました。しかし、鼻の陰など顔の暗い部分まで明るくなるなど、顔の立体感や質感が損なわれ、表情が失われてしまうなど、不自然な顔画像に補正されてしまうという課題がありました。
本技術は上記の課題を解決するもので、特長は以下の通りです。
1. 肌の色を光学的に解析することで、顔の立体感、艶等の質感制御を実現
顔画像における肌の色情報を、拡散反射成分(本来の肌の色)、表面反射成分(艶)、陰影(立体感)の3つの成分に分解し、それぞれを制御。本来の肌色を理想の肌色に近づけるとともに、顔の表情や質感に影響する艶と立体感は正しく保つことで、自分らしさを活かした美肌を世界で初めて実現。
2. 処理を軽くする計算手法により、組込み機器に対応
通常、顔の3次元形状を利用して計算される拡散反射成分を、顔のぼかし画像を利用することで精度良く推定する技術を開発。これを、肌の色情報の分解処理に適用することで、3次元形状を利用する場合と比べ、品質を損なうことなく約75倍の高速化を実現。比較的演算性能の低いCPUを用いる組込み機器でも高速処理(1Mピクセルあたり390ms)が可能。
2017-07-02[n年前へ]
■USB顕微鏡で「簡易立体顕微鏡」を作ってみる
今日は、USB顕微鏡を使って「立体顕微鏡」を作ってみました。照明周りとソフト側をいじり、下記のような撮影をして、Shape From Specular 手法で法線積分から形状生成をすることで、カラー立体画像を撮影可能なUSB立体顕微鏡へ変身させてみる!という具合です。つまり、USB顕微鏡を「照明光の向きと各画素に対する撮影方向から、法線方向を推定し、その法線積分による形状を生成する」USB 3次元形状撮影顕微鏡に変身させてみた…という具合です(撮影のようすは、下に貼り付けた動画を見るとわかりやすいかもしれません)。
下に貼り付けた、添付画像は「五千円札の樋口一葉」の目を中心にした「1ミリメートル角くらい」ぐらい部分を撮影してみたものです。五千円札の樋口一葉の眼を描く、インクの超盛り上がり具合を確認することができます。
といっても、お札は偽造防止のために、触感でも本物・偽物をすぐに判別できるように、超盛り盛りでインクを盛り上げてあります。だから、これくらいの撮影ができなければ、…実際のところ「立体顕微鏡」なんて名乗る資格は無いのです。
今や高倍率のUSB顕微鏡も1000円くらいで買うことができる時代。そして、「あったらいいな」と思うことを実現する処理アルゴリズムも、コンピュータで簡単に走らせることができる今日この頃。
それはつまり、千円あれば「あんなことやこんなこと」…色んなことができるというのが2017年の夏なのかも、と思ったりします。