2008-01-11[n年前へ]
■3軸加速度・3軸地磁気・気圧測定ができるセンサLSI"TDS01V"
1つで3軸加速度,3軸地磁気,気圧測定ができるセンサLSI「TDS01V」を使ったUSB接続の3軸加速度,3軸地磁気,気圧測定(絶対気圧)モジュール
2010-06-29[n年前へ]
■「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?
テレビを眺めていると、「空気で膨らんだ大きな風船」と「ほんの少し空気で膨らんだ風船」同士を繋いで、その後一体どうなるか、という問題をやっていました。こういう現象が起きることを、短い時間・言葉で説明するのは難しいだろうなとか、本当のところ欲しがられるのは、「理解するための苦しみ」でなく、「知識を増やしたかのようなお得感・心地良さ」なんだろう、とふと思いながら楽しく眺めていました。
ところで、この前からやっている一連の実験のために、風船がいくつか家にあったので、私もついでにやってみました。つまり、2つの 風船を、(ふくらます大きさは変えつつ)空気を入れたうえで、それらの口を繋いだら、その後一体どうなるかを確かめてみたわけです。…その答えは、小さく膨らんだ風船はさらに縮み、大きな風船はさらに膨らむ、という結果になりました。そして、その逆のことを起こさせようとすると、どれだけ困難な作業化は、四苦八苦する演者の腕を眺めれば想像できることと思います。
さらに大きく膨らんだ風船を、力一杯押さえて小さくしようとしてみても、全然縮んでくれません。逆側に繋がれた一度縮んだ小さな風船はピクリとも大きくなってくれません。
ところで、この「風船の力学」を解くためのカギは、これまでの本サイト"hirax.net"の記事にたくさん隠されているように思います。たとえば、「オッパイ星人の力学 第四回::(2001.01.13) バスト曲線方程式 編」のバスト曲線方程式に使われている”張力・曲率と圧力の関係”を示すラプラスの関係式や、「さらば、大艦巨砲主義。::(2003.10.19) 鍵はオトコのヤング率?」や「オッパイ星人の力学::(2000.06.29) 胸のヤング率編」記事中に出てくるヤングな状態…から遥かに離れた「ヤングでなくなった状態」といったものを考えれば、もしかしたら、何かのヒントが見えてくるかもしれません。
そんなものが、何かしら見えてくれば幸いです。
2010-07-05[n年前へ]
■続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?
「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?の続きです。「空気で膨らんだ大きな風船」と「ほんの少し空気で膨らんだ風船」同士を繋いいだら、一体、その後どういうことが起きるか、そして、その現象はどういう過程で起きているのだろうか、という問題が周囲数メートルの狭い世界でブームになっているわけです。時には理論武装し、時には実験検証でその結果に驚く…という超局所的ブームが来ています。
今日は、金魚を飼っている水槽から部品を調達し、「風船が膨らんだ時の風船内部の圧力を量ってみた」という実験レポートが送られてきました。右図のように風船と水の入ったホースを繋ぎ、どれだけホース内部の水を持ち上げることができるということから、風船内部の圧力を調べてみたというレポートです。何だか、金魚が可哀そうな気もしますが、その「科学のために金魚からホースを借りて行われた実験」の結果が、下のグラフになります。このグラフは、(黄色い手書きの矢印のように)風船を徐々に膨らまし、そして、空気をまた徐々に抜いていく際の内圧の測定結果を示しています。
この結果を眺めると、(少なくともある程度の直径の範囲では)風船を膨らますにしたがって風船の内圧は下がるが、途中から若干の増加がみられ、また、そこから風船をしぼませていくにしたがって内圧は一時的に下がるが、風船径の減少にしたがって、内圧は増加するという結果がわかります。風船のゴムが弾性限界を超え、降伏点を超えているような挙動が見えてきます。
ふとした話題をきっかけに、フットワーク軽く色々なことを「”魔法の”引き出し」から自分自身の手で取り出せる人たち・自分の手で取り出そうとする人たちを見ると、何だかとてもうらやましくなります。
2010-07-09[n年前へ]
■続々 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?
続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?を書く少し前に、100円ショップに行ってこんなものを買ってきました。気圧を簡単に測定することができる「ダイヤル式タイヤゲーシ」です。測定限度圧350kPaという高圧まで測ることができるにも関わらず、税込105円(消費税5%の現在)という実にリーズナブルな商品です。
しかし、この100円タイヤゲーシで膨らませた風船内部の気圧を計ろうとしたのですが、気圧計の針はピクリトとも動かなかったのです。最小刻みが10kPa刻みのタイヤゲージがなぜ動かないのだろうなぁ?などと呑気に感じていた最中に、続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?の実験結果を眺めて、ようやく納得しました。風船内部の圧力はせいぜい1~3kPaほどで、「最小刻みが10kPa刻みのタイヤゲージ」では測定しようがなかったのだなぁ、と思い至ったのです。
確かに車のタイヤ内部の気圧が、息で膨らますことができるしかもゴム風船と同じような気圧のわけがないよなぁとようやく思い至り、その時、ふと笑ってしまったのでした。
それにしても、普段の生活をする中で見ること、生活する中で行く100円ショップ、そんな中には色々な科学と学習が含まれていることに、何だか感嘆する毎日です。
2012-07-19[n年前へ]
■「打ち水で京町屋を通り抜ける風の速さ」を計算しよう!
「真夏始めました」と天気の神さまが宣言したかのように、急に暑くなりました。蒸して暑い空気が体に重くまとわりつきます。
京町家では「庭に打ち水をすることで、(水を撒いた)庭から(居住空間を通り)反対側への風の流れを作り、涼を得た」と言います(「京町家模型で確かめる打ち水の科学」)
庭に打ち水をすることで、京町家の中には 、一体「どのくらいの風」が吹き抜けるのでしょうか? …そんな疑問、そんなハテナマークが頭に浮かんだので、ごく単純に京町家の坪庭(家の奥にある庭)に水を撒いたとき煙突効果が生じるものとして、京町屋の中を通り抜ける風量を計算してみました。
まず、坪庭は高い壁に覆われています。その壁の高さは4mとしましょう。そして、水を撒くことで、(高さ4mの)坪庭内の気温が2度(外気より)下がったものとします。少しひんやりした坪庭は、坪庭最下部横から(居住空間を介して)暑い外へと空気が通り抜けることができるとします。すると、坪庭内と外部との圧力差で生じる風速はおよそ0.5m/s強、となります。
秒速0.5mの風を「風力階級」で表現すると、「至軽風(しけいふう)"Light air"」です。たかだか秒速0.5mですが、"Light air"と聞くと、少し心地良く・気持ち良く流れていく空気が、蒸した暑く重い空気をどこか遠くへと運び去って行くように感じられるのではないでしょうか。