2012-07-19[n年前へ]
■「打ち水で京町屋を通り抜ける風の速さ」を計算しよう!
「真夏始めました」と天気の神さまが宣言したかのように、急に暑くなりました。蒸して暑い空気が体に重くまとわりつきます。
京町家では「庭に打ち水をすることで、(水を撒いた)庭から(居住空間を通り)反対側への風の流れを作り、涼を得た」と言います(「京町家模型で確かめる打ち水の科学」)
庭に打ち水をすることで、京町家の中には 、一体「どのくらいの風」が吹き抜けるのでしょうか? …そんな疑問、そんなハテナマークが頭に浮かんだので、ごく単純に京町家の坪庭(家の奥にある庭)に水を撒いたとき煙突効果が生じるものとして、京町屋の中を通り抜ける風量を計算してみました。
まず、坪庭は高い壁に覆われています。その壁の高さは4mとしましょう。そして、水を撒くことで、(高さ4mの)坪庭内の気温が2度(外気より)下がったものとします。少しひんやりした坪庭は、坪庭最下部横から(居住空間を介して)暑い外へと空気が通り抜けることができるとします。すると、坪庭内と外部との圧力差で生じる風速はおよそ0.5m/s強、となります。
秒速0.5mの風を「風力階級」で表現すると、「至軽風(しけいふう)"Light air"」です。たかだか秒速0.5mですが、"Light air"と聞くと、少し心地良く・気持ち良く流れていく空気が、蒸した暑く重い空気をどこか遠くへと運び去って行くように感じられるのではないでしょうか。