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2009-09-14[n年前へ]

「作る」と「時間」と「葛藤」と 

 橋本治の「人はなぜ「美しい」がわかるのか (ちくま新書) 」の「産業は、人にどのような間違いをもたらすようになったか」から。

 「作る」という行為は、葛藤の中を進むことなのです。「ものを作る」という作業は葛藤を不可避として、葛藤とはまた、「時間」の別名でもあります。
 簡単な真理とは、「いいものは簡単に作れない」で、「時間をかけて作られたものは、それなりに”いいもの”になる」です。

2009-11-19[n年前へ]

「こころを喜ばす科学」 

 平林久・黒谷明美「星と生き物たちの宇宙―電波天文学/宇宙生物学の世界 (集英社新書) 」の「おわりに」から。

平林:最後のメッセージです。僕は、科学、技術と、一般の人々との遊離を憂います。一般の人々に、科学を率直にみて好きになって欲しいと思います。
 産業、経済、医療等々は僕等の生活を安全で豊かなものにしてくれますが、芸術、スポーツ等がこころを楽しませてくれます。科学は応用を通じて実生活に関わり、知的追求というこころの喜びにも関わる二面を持っています。科学、芸術を愛し、ちゃんと理解する社会は、いい社会だと思います。

黒谷:多くの人に、こころを喜ばす科学を楽しんでもらいたいですね。

2011-02-27[n年前へ]

「ここは人間が工場の主人公だ」 

 「下丸子にある町工場で電車で通うようになって…」から始まる一節が、多摩川を眺めたことがあるガテン系なぼくらにとても印象的な、 小関智弘「町工場で、本を読む 」から。

 世界の工場になろうという中国の産業の躍進ぶりは、テレビや新聞・雑誌でよく伝えられてきた。…どうせ行くのなら(中国の)町工場がいい。そこで働いている旋盤工と話がしてみたい。
 優秀な機械を買い揃えて、安い労働力をふんだんに使って…というイメージとはほど遠いその現場では、現場の若い技術者や技能者が額を寄せ合って、日本ならとっくにスクラップになっている門型のプレスを改良して、電気部品の深絞りに挑戦していた。
 いま管理のゆき届いた工場を見学すると、その職場の空気があまりに無機質なことに落胆してきた。それに比べるとここは人間が工場の主人公だ。



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