2008-12-08[n年前へ]
■「癖のある木」と「不揃いの木」
それにしても、西岡常一と、(西岡常一に唯一師事した)小川三夫の言葉にはもっと早く出会いたかった、と思う。彼らの話をもとに作った本は、本棚からすぐに引き出せる場所に置いておこうと決めた。
どのページを開いても、あぁそうなのかと、とても厳しくも的確に響くことばかりだ。
人間というやつは、褒められると、こんどは褒められたくて仕事をするようになります。・・・ところがそういうふうにして造られた建物にはろくなものがないんです。
西岡常一 「木のいのち木のこころ―天」
だいたい私もそうかもしれませんが、職人というのは頑固ですわ。人のいうことを簡単に聞きません。・・・
西岡常一 「木のいのち木のこころ―天」
俺は器用な子はだめだっていうんだ。器用な子は頭の中も起用なんだから。頭の中が器用というのは怖いで。・・・そういう生き方をしてしまうと自分のためにはならないんだ。
器用な人というのはやはり簡単にしかものを見ない。見られないんだ。すぐわかった気になるからな。それは自分のために損や。
小川三夫 「不揃いの木を組む」
2014-04-11[n年前へ]
■小保方さんを「職人」と称した不可解な記事を、タイの家作り職人さんで理解した!
「世界の日常」を主観的かつ客観的に映し出していくGOLVAL VISION、No.2 は"HOUSE"。世界の3つの場所での日常のうち、タイの家を作る大工さんが最高にいい。
「(建築)作業は長年の勘と経験が生かされる」…ん?それって行き当たりばったりの香りがするぞ(タイだし)?
「ところが、(ロケ日の)今日はどうやら苦戦の様子」
「くそ!どうしてはまらないんだ!」
「設計図はないんですか?」
「そんなものはないよ」
「全部頭の中に入ってるんですか?」
「あぁ全部覚えてる」
「今まで設計図を描いたことがないというので、この家の間取りを訊いてみると…」
「間取りも描いたことがないんだよな」
(…で描き出したのが三角屋根)
「こりゃ本当にわからないな」
「(予算のない夫婦のために)実はこの家はたった6日間で建てたんだ」
「(普通ならば一ヶ月ほどもかかるところを、たった6日で建てたこの家、耐久性は大丈夫だろうか)耐久性は大丈夫ですか?」
「30年は絶対持つよ」
「凄いですね」
「凄いだろ」
「設計図も間取りもなく勘と経験だけで家と作るジャガットさん。住む人を思う気持ちは誰にも負けない」…彼、タイの高床式住宅に、洋式便器を取り付けた。もちろん下にただ落ちるだけ、水も流れなくただボットンだけど、座りやすいのも本当だ(値段は高いけど)。
この大工さんが、(3歳くらいの本当に可愛い娘さんを抱きながら)「これが僕の理想の家だよ」と描いた(三歳児くらいのラクガキに見える)「椰子の木が横にある三角屋根の家の絵」を見たら、単純にとても楽しくて・とても単純に感動してしまった。
そうか!小保方さんを「職人」と称した(その書き手の感覚に少しばかり驚かされた)この記事は、タイの職人さんを念頭に置いたグローバルビジョンかつマイペンライでコップンカーな感性をもとに書かれた記事だったんだな。それなら凄いわかるぞ!(そうでないとわからないけど)
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