2004-05-18[n年前へ]
■「物差し」では計れない
先日、発表資料を作りながら業田良家の「自虐の詩」の一節を思い浮かべていた。頭の中で、その中の言葉を色んな言葉で入れ替えながら、その一節を思い浮かべてみた。善や悪、美しさや醜さ、賢さや愚かさ、あるいは強と弱、いろんな「物差し」をその一節に差し込んでみた。
色んなものを眺めると、色んな「物差し」をあてたくなる。自然と色んな基準で判断したり、色んな値踏みや値付けをしてみたくなる。けれども、ふとこの一節も思い出す。この一節の中の言葉を、「幸」や「不幸」や「人生」といった色んな言葉で入れ替えて、色んなことを考える。
そして、入れ替えたそれらの言葉を元の言葉に戻した後に、もう一度だけ元の文章を読んでみる。
私たちは泣き叫んだり立ちすくんだり…でもそれが幸や不幸ではかれるものでしょうかこの世には幸も不幸もないのかもしれません人生には意味があるだけですこの人生を二度と幸や不幸ではかりません「…幸や不幸はもういい」「どちらにも等しく価値がある」「人生には明らかに意味がある」 業田良家 「自虐の詩」
2004-11-09[n年前へ]
■掘り起こして、見つける
掘り起こしているうちに、自然に見つかるもの。「自然に」とは言っても、掘り起こして初めて見つかるもの、かな。
物語はね、書いてると、あるんだよね、見つけてしまうことってさ。…ずらっと並べた、並列に並んだキャラクターの中に、業田はある日、この幸江とイサオを見つけてしまったんだよね。「あっ、オレはこの二人が描きたかったんだ」ってことに気づいてしまったんだよね。で、この二人をずーと描いているうちに、「この二人にはこういう過去があったんだ」ってことに気づいてしまったんだよ。それは最初からそこにあったの。この二人は最初からそこにいたし、この二人の過去は最初からそこにあったんだよ。業田はそれを掘り起こして見つけてしまったんだよね。…どんどん、もうすでにあるものを業田は見つけていくんだよ。これは絶対、業田が創ったんじゃないんだよ。ほんとに自分が穴を掘っていくうちに、見つけてしまったんだよ。…もうそこにあるものを、描いただけなんだよ。 いしかわじゅん BSマンガ夜話 「自虐の詩」
2004-12-31[n年前へ]
■Now Printing 2004.
LIMG http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/409187701X/hiraxnet-22 n /diary_image/20041231143928s.jpg Title 「ぼくんち」LIMG http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120004465/hiraxnet-22 n /diary_image/20041231144641s.jpg 「新 物理の散歩道」LIMG http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4812401275/hiraxnet-22 n /diary_image/20041231144917s.jpg 「自虐の詩(下)」
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