2008-12-17[n年前へ]
■「速い球」と「遅い球」の境界は時速何kmか?
「野球の科学」を解説した本は多い。野球はとても人気があるスポーツであるし、野球に含まれている「力学から複雑な流体力学にわたる科学的事象」を単純化して解くことが比較的簡単にできるためか、野球を題材にした科学本が数多く出版されている。
ワッツ&ベイヒル 「ベース「ボール」の科学―ボールから目を離すな (数理科学ライブラリ)」を読んでいて面白かったのが、「球速 vs. 打者がホームベースの何m 手前で球を見失うか」というグラフだった。下のラクガキはそれを描き写したもので、ピッチャーが球を投げたとき、バッターから見て球の移動速度が「(角速度)にして300°/s」を超えたとき「打者は球を見失う」として作成された計算結果(のグラフ)である。追尾可能な角速度が300°/sというのは、(テストに参加した)プロ野球選手の能力のほぼ2倍という値だというから、実際にはこのグラフに示されているものより遙かに遅い速度で(=ホームベースから遠い場所で)、バッターは球を見失ってしまうことになるだろう、と書かれている。つまりは、どんなバッターもボールの軌跡を眺め続けることはできないと書かれている。
バッティングセンターに行ってみると、時速90kmくらいを境に「速い!」と感じてしまうが、このグラフを眺めてみると、ちょうど草野球レベルが時速90km辺りになるから、普通の草野球レベルを超える辺りのスピード球から「速い」と感じているようだ。つまり、私にとっては、「速い球」と「遅い球」の境界線は草野球レベルの時速90km辺りに引かれているようだ。野球好きな人、よく野球を楽しむ人たちの「速い球」と「遅い球」の境界線は一体時速何km辺りなのだろうか?
2010-04-29[n年前へ]
■野球の硬式ボールと軟式ボールの重さの違い
陽の光が柔らかく当たる公園横のグラウンドで、米軍の関係者らしき人たちが野球をしていた。ボールを久々に投げてみたい気持ちになり、一瞬だけ混ぜてもらい、ノックを受け・送球をした。
その後、野球に興じる人たちを横目で見ながら、「速球を投げられない」と同行者にこぼすと、「硬式と軟式のボールの重さ」の違いについての話をしてくれた。硬式ボールの方が軟式ボールより重いので、硬式ボールを使うプロ野球の選手が軟式のボールを投げた時には、空気抵抗のため硬式ボールほどの速球を投げることができないのだ、という。
なるほどそうだったのかと思い、帰ってから、ボールの重さの違い・規格を確認してみた。すると、硬式ボールが141.7-148.8gとなっていて、軟式ボールは134.2-137.8g(A号)となっている。なるほど、10%弱ほども重さが違うのであれば確かに球速に影響を与えるに違いない。
それにしても、春が過ぎ初夏の前、梅雨が来る前のこの季節、野球をしている人たちは心から気持ち良さそうに見えた。「幸せって何だっけ?」という問いへの答えのひとつが、こんな景色だったりするのかもしれない。