2010-08-01[n年前へ]
■免許更新時に配布される「交通の教則」で「安全運転の物理」を学ぶ!?
先日の「事業仕分け」で話題になった、隠れたベストセラー「交通の教則」のページをめくっていると、面白いページに行き当たりました。それは、「5-2 自動車に働く自然の力」で、「車に働く自然の力」について書かれていて、軽く理系心をくすぐられる一節でした。たとえば、こんな風に、交通安全のための「科学」が説明されていくのです。
(カーブを曲がろうとする自動車に働く)遠心力の大きさは、カーブの半径が小さいほど大きくなり、速度の2乗に比例して大きくなります。
(追突時の)衝撃力は速度と重量に応じて大きくなり、また、固い物にぶつかるときのように、衝撃の作用が短時間に行われるほどその力は大きくなります。
例えば、時速60kmでコンクリートの壁に激突した場合は、約14mの高さ(ビルの5階程度)から落ちた場合と同じ程度の衝撃力を受けます。
制動距離や遠心力などは、いずれも速度の2乗に比例して大きくなります。速度が2倍になれば、制動力や、カーブで車の横すべりや転倒をさせようとする力は、2倍になるのではなく、4倍になります。「衝突時の時速」を「ビルから落ちた時の高さ」に対応させて、衝突の衝撃を想像させるイラストなどもあって、で「交通安全の(ための)物理」を実感させられます。
「いらないからすぐ捨てる」という人も多いらしい「交通の教則」ですが、手渡されてしまったからには、「安全運転の物理」を楽しんでみるのも良いかもしれません。そのページを読むと、意外に捨てられずに家に持って帰る人も多くなるかも…しれません。
2013-02-11[n年前へ]
■「風速60kmの疑似おっぱい」を感じる大仏の掌を真面目に計算してみよう!?
十数年前、「風速60kmは疑似おっぱいの感触か?」という大問題を追いかけました(参考:オッパイ星人の力学 仏の手にも煩悩編、擬似オッパイに関するhiraxの関係式)。そして、疑似おっぱいの感触を説明するために必要な科学について学びました(たとえば、ナヴィエ・ストークス方程式は疑似オッパイのパラドックスを解決するために登場したといった歴史的経緯など)。
その時は、疑似おっぱいの感触を感じる掌周りの空気流を計算するために、「指周囲」の流体計算をしました。しかし、それでは不十分極まりない!と反省し、今日は「風速60kmの風に疑似おっぱいを感じ取る掌」周りの空気流を3次元で計算してみました。計算対象の掌は、(十数年前の前回と同じように)ビッグな東大寺の大仏さまの掌サイズです。
計算のようすが、たとえば上の画像です。掌の周り(特に後方)で空気がうずまき、掌の前の部分では空気圧が高まり、掌の後方では空気圧が低くなっています。
計算結果を簡単にまとめると、”風を受ける掌の前後で50パスカルの圧力差が発生し、その圧力差が大仏の掌に与える力はおよそ50ニュートン…つまり風速60km/hの風は大仏の掌に5kgの重さを感じさせる”という具合です。
(大仏の掌)一個あたり5kgの疑似おっぱい…。私の知る限りでは、Gカップが一個あたり1kgナリです(松坂季実子主演のビデオ内で行われた実験にもとづく)。ということは、大仏の掌に風速60km/hの風をあてると、大仏はGカップ5個分の疑似おっぱいを感じていることになります。
風速60km/hは東大寺の大仏なら、Gカップ5個分の疑似おっぱい、これが今日の「得する豆知識」です。