2008-06-02[n年前へ]
■騒音メータ「きんりんくん」
町の中を歩いていると、横にきりんが立っていた。黄色くて、首が長い、あの「きりん」だ。動物園の柵の中でぽつんと立っている、あの「きりん」である。そんなきりんが柵の向こうで立っていた。
正確に書けば、町角に騒音監視ロボット「きんりんくん」が置いてあった。「JIS C 1510 」に沿って、20Hzから8kHzまでの30~120dBの範囲を、分解能0.1dBで計ってくれる高性能の黄色いロボットである。
「きんりんくん」というメーカ的なネーミングセンス、それどころか、そのネーミングそのままの形に作ってしまう、という辺りが楽しい。それに、何より、結構かわいい。
2008-09-18[n年前へ]
■「99%カット」と「20dB低減」のどちらがスゴイように思えるか?
ソニーの“騒音99%カット”ヘッドホンを見たとき、こんなことを考えた。ノイズを99%カットするということは、つまりノイズを20dB低減する、ということである。dB=10 Log10(残ノイズ量/元ノイズ量)だから、騒音90%カットなら10dBだけノイズを除去できていることになるし、騒音99.9%カットなら30dBカットということになる。というわけで、騒音99%カットなら20dBだけノイズを除去できていることになる。「99%カット」と「20dB低減」のどちらがスゴイように聞こえるだろうか。100dBの騒音が80dBになるというのと、100の量のノイズが1になるというのと、どちらが効果が大きいように思えるだろうか。
10cm×10cmの黒い正方形が、10cm×10cmの白い正方形を1cm×1cmの部分だけ黒く塗りつぶしたものになった時の変化がいわば、99%=20dBの変化である。「99%カット」と「20dB低減」のどちらがスゴイように思えるだろうか・・・ということになぜか興味を感じてしまう。
2008-09-22[n年前へ]
■アクティブ・ノイズ・キャンセリング PC を作る
「周りの騒音が大きな場所で、集中してPC作業をしたい」と思うことがあります。そんなときに、ふとこんなことを思いつきました。
PCのマイク入力から環境音を取得して、その逆位相の音をスピーカーから出力したら、PCのごく近くの領域だけは、ノイズ=ゼロの理想的な作業環境が生じるのではないだろうか?というわけで、アクティブ・ノイズ・キャンセリング PC を作ってみました。やったことはとても簡単、SimuLinkを使って、サウンド入力の逆位相の音をスピーカーから出力するモデルを作ってみたわけです。一言で書けば、サウンド入力×-1の音声をサウンド出力するだけのモデルです。
1分クッキングで作った「サウンド入力の逆位相の音をスピーカーから出力するモデル」が下中央で、(試しに動かした時の)下左画像はサウンド入力の波形で、下右画像はサウンド出力画像になります。なお、両者ともオートスケールなので、一見するとDCレベルが違っているように見えますが、DCレベルは同じです。(そもそもDC成分はサウンド入出力では無視されますし)
PC周囲の騒音を逆位相の音波で消せたか・・・というと、その効果は全然わかりませんでした。大雑把な計算では、低音騒音は消せそうな気がしたのですが、1分クッキングのアクティブ・ノイズ・キャンセリング・モデルでは何の効果もありませんでした。・・・というわけで、「アクティブ・ノイズ・キャンセリング PC を作る」という楽しい課題がここに生まれたのです。
2011-09-07[n年前へ]
■「うるさい電車の車内放送」を避けるためのテクニック
電車に乗ると、過剰な音量で流されている車内放送に驚きます。駅と駅が離れている地方の路線では異なると思いますが、首都圏を走る電車ではのべつまくなしに車内放送が流れていて、「あ”〜うるさい〜!」と感じることしきりです。
そんな時、頭上を見上げると頭の真上や正面真上にはいつも車内放送用スピーカーがあり、いつも「このスピーカーさえなかったらなぁ…なんでスピーカーのすぐ近くに座ってしまったのだろう?」と恨めしく間近にあるスピーカーをいつも見上げ続けてきました。
しかし、考えてみれば「自分の真上にいつもスピーカーがある」というのは、少し変なような気がします。そこで、飛び乗った東急東横線 各駅列車車両を隅から隅まで眺め、一体スピーカーがどこにあるのかを確認してみました。確認した結果の図、車両のどこに車内放送用スピーカーがあるかを描いてみたのが下の図です。
この図を描いてみて、「私は列車の中で隅っこの席に好んで座っていたけれど、そんな”隅っこの席”14/16=87.5パーセントの確率で間近にスピーカーがあったのだ!」ということに気づきました。隅っこの席には、(今日、確認した東急東横線の車両では)非常に高い確率で「真上・正面・すぐ横」のいずれかにスピーカーがあったのです。
「鉄道車両内部の音響特性について」という(遠藤氏らによる)研究報告を読むと、スピーカーの近くと(少し)離れた席では、(身長ほどの160cmの高さですら)4dB程度も”車内放送が響く音量”が違います。4dB…されど4dBです。
というわけで、今日見つけ出したのは「うるさい電車の車内放送」を避けるための
- あえて、隅の席には座らず、7人掛け席の真ん中に座る
ちなみに、上の図にも書き入れたように、「車両の隅っこの特定側にある席=隅っこの席かつ静かな席」となっていました。…しかし、その他の路線の車両種によっては、この席の真上にスピーカーがあることも多いのです。…というわけで、その席に座ろうとするならば、席の真上を見上げスピーカーの有無を確認しなければならない・・・という落とし穴があるのです。いやぁ、奥が深いものですねぇ。