2009-10-25[n年前へ]
■完全主義へのこだわりを捨てると、新しい道が見えてくる
重力多体問題の専用計算機GRAPEなどを作り上げ、同時に「栄光なき天才たち 」の原作者でもあった伊藤智義の「スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書)」から。
そのとき、「ワシントン・ポスト」紙の広告面に、ワインが半分だけ入ったグラスが描かれているのを目にした。そこには次のような問いかけが付記されていた。
「あなたはこれをハーフ・フル(半分も入っている)だと思いますか、ハーフ・エンプティ(半分しか入っていない)だと思いますか」
「半分では不十分」といつまでも完全主義にとらわれていると、一歩も前に進めなくなる。「半分もあれば十分」と完全主義を捨てた時、肩の力が抜けて、かえって大きな前進がもたされるという考え方だ。
この本は、第五章以降から、特に面白くなる(都立武蔵高校出身者なら、第四章から面白く感じられるかもしれない)。少なくとも、第三章より先まで読み進めると、読むことを途中で止められなくなる、と思う。
2010-01-06[n年前へ]
■利用者(≠研究者)視点の信念が欠けた研究からはイノベーションの推進力になる技術は育たない。
国策スパコン、復活の意義を問う 「利用者視点の強い信念がなければ技術は育たない」から。タイトルを繰り返すなら、「活動資金は研究者にとって欠かせないが、利用者(≠研究者)視点の強い信念がなければイノベーションの推進力になる技術は育たない」という、非常に重要かつ現実的なひとこと。
活動資金は研究者にとって欠かせないが、利用者視点の強い信念がなければイノベーションの推進力になる技術は育たない。むしろ、資金がないときの方が、資金に頼ることなく、新たな発想やアイデアが生まれることも多いと割り切って考えることも必要だろう。その上で、活動資金のことを考えるべきだ。
一方で、若い研究者に研究費が集まりづらいという現実もある。何の研究がイノベーションの推進力になる技術かは誰も分からないことなのだから、こうした若い研究者も育てる視点から必要最低限の資金を提供することは、別途、考える必要があるだろう。
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