2008-07-21[n年前へ]
■エクセルでシミュレーション Vol.4 [定常理想流体準備 編]
夏の午後の空に浮かぶ雷雲を見ながら、昨日は静電界シミュレーションをマイクロソフト・エクセルで手軽にしてみまたわけです。暑い夏空をシミュレーションしてみたので、今度は、冷えた湧水が地下で流れているを眺めてみたくなりました。そんなシミュレーション計算をするために、理想流体の「定常的な流れ場」を表計算ソフトで解くための前準備を、今日はしてみました。
というわけで、そのためのラクガキが下の画像になります。
ここまでくると、もう「エクセルでシミュレーション Vol.1 [静電界準備 編]」と同じです。ポワソン方程式とラプラス方程式は、端的に言ってしまえばほとんど同じなので、後は「2次元の(ポテンシャル)流れ場を記述するラプラス方程式を、(エクセルの)セル間の計算式で解く」ことができることになります。
2008-07-22[n年前へ]
■エクセルでシミュレーション Vol.5 [冷たく美味しい湧水 編]
暑い夏空の下、私たちが立つ地面の遥か奥底で流れる地下水が、長い時間をかけ湧水地にまで流れてくるようすを眺めてみたくなりました。そこで、そんなシミュレーション計算をしようと エクセルでシミュレーション Vol.4 [定常理想流体準備 編]で計算の準備をしてみました。
というわけで、準備したワークシートが下の画像です。左上に山腹の高原湖があって、右下には海辺近くにある湧水群がある、という具合です。右上半分は青空で、一番下の列は固い岩盤が水を遮っている、というのがこのエクセルのセルで描かれたモザイク画です。
上のような状態で、定常な理想流体のポテンシャル流れを計算してみた結果が、下の図になります。左上の湖水が地中に沁みわたり、ゆっくりと時間をかけて冷えて漉されて美味しい水となって、湧水地に辿り着くまでの姿が見えてくるような気がします。
エクセルのグラフからは見えてこないかもしれませんが、富士の近くで眺める湧水は本当に澄んでいます。空の色を少し映して、ほんのりと水底を青緑色に染め、その上の水面に夏の青空と白雲を重ねた、そんな景色を見せています。
2008-07-23[n年前へ]
■「肌」と「昼の日差し」のスペクトル
夏の日差しを実感するようになりました。肌は日焼けして赤黒くなり、そんな肌はピリピリと痛く、熱っぽさすら感じます。そんな、夏の明るい景色を眺めていると、なぜか楽しくなります。
痛いけれど日焼けする夏の日差しが気持良く感じる人もいる一方で、日焼けする夏を嫌う人も多いと思います。特に日焼けしたくない女性にとっては、夏は面倒でとても嫌な季節だったりするのかもしれません。
…と考えているうちに、ふと、夏の日差しを浴びる「肌の色」を眺めてみたくなったのです。そこで、2週間ほど前に作った「光スペクトル操作用のMathematicaライブラリ」にいくつかの色関数(スペクトル吸収関数)を追加してみました(サーバからダウンロードできるライブラリ更新は数日後になります)。追加したスペクトル吸収関数は、「血液」「カロチン」「メラニン」…といったもので、皮膚内部にある物質の吸収スペクトルを表現するための(単純化した)スペクトル関数を実装してみました。
そういった色関数を組み合わせると、いろいろな「肌色」を眺めることができるます。たとえば、右上の図は、(どの波長も均等に含んでいるような)白色光源で照らした時に血液の反射スペクトルがどう見えるかを試しに計算してみたものです。
spectorPlot[transmissionSpector[
whiteLight, bloodColorFilter, 0.5]
]];
ところで、こんな「色関数」を作り、適当で大雑把な「肌」を作って眺めてみました。すると、色温度6500ケルビンの標準光源、すなわち自然な昼光光源であるD65で、肌色を形作るメラニンや血液を照らしてみると、意外なほど「反射スペクトル」が平らになるものだ、と気づかされました。
つまり、昼の日差しのスペクトルのうち、スペクトル強度が強い短波長領域では、メラニンや血液などの色吸収率が高く、その一方、「昼光」のスペクトル強度が低下する長波長域では、メラニンや血液などの色吸収率が低く、それらの結果として反射スペクトルが”結構”均等になるのだなぁ、と感じたのです。たとえば、右のスペクトルグラフが、昼光=D65光源で皮膚を照らした時の反射スペクトルの例になります(ちなみに、右下のグラフがD65光源のスペクトルです)。
それは、単に長波長領域の光は皮膚中で吸収されることが少なく、短波長の光が吸収される、というだけのことでしょうし、さらには、人によってメラニンの分布量・形状が異なり、反射スペクトルは全然違うわけで、こんな結果も一般的なものでは全くありません。
けれど、「昼光の逆関数のような、まるで、強い日差しから身を守るかのように最適化されたような皮膚の吸収スペクトル」を適当に作ったライブラリ関数が生成したのを眺めたとき、とても不思議なくらい新鮮さ・意外な面白さを感じたのです。
2008-07-25[n年前へ]
■日焼けが危険なのは3月末!?
「肌」と「昼の日差し」のスペクトル(つまり「色」ですね)について考えてから、日焼けを気にしている女性たちがどのような対処をしているのだろう?という疑問が湧いてきました。そこで、そんな疑問をそのままぶつけてみたところ、
「普通に生活してる分には、夏にならないとつけない」
「日焼け止めは夏にならないと塗らないけれど、夏向けの化粧品には日焼け止め効果があるから、化粧品の入れ替え時期で日焼け止めをしてることになると思う」というような答えが返ってきました。
そういった言葉を聞いた後、今度は「”夏”っていつだったっけ?」「”化粧品の入れ替え時期”っていつなのだろう?」という疑問が湧いてきました。
そこで、まずは一年の間の「(日焼けに影響を与える)平均日照時間」と、「(夏を感じさせたりする)平均気温」をグラフにして、その上に「化粧品の新製品発売日(商品入れ替え時期)」を重ね書きしてみました。それが下の図です(平均日照時間や平均気温の値は、あくまで大雑把な傾向を示したものになります)。また、この図の中では、とりあえず、暑い時期を”夏”として、寒い時期を”冬”としてみました。つまりは、平均気温が高い時期を夏として、寒い時期を冬としてみたのです。また、化粧品の新製品が発売され、夏向け・冬向けの商品が入れ替わるのは4月と10月だという話を聞いたので、その時期も図に書き入れてみました。
ところで、上の図を見ればわかるように、平均日照時間の変化から平均気温は約2か月ほど遅れて変化していきます。また、日焼けは紫外線量=日照時間量に比例すると考えるのが自然ですから、日焼け対策は「日照時間量が長くなり始める春分(三月中旬)を過ぎた頃」から始めるのが(本来であれば)適当に思われます。
しかし、三月中旬はまだまだ”暑い夏”ではありませんし、まだ化粧品の新製品も発売されてはいないわけです。……ということは、この時期には日焼け対策が不十分であったりする可能性が高いようにも思われます。ひとことでまとめてしまえば、「春分を過ぎた三月後半が日焼け対策の空白時期になっていて、その時期が実は日焼け要注意時期」なのではないだろうか、と感じたのです。
また、まだ暑くないけれど日差しはとても強い5月なども、気持の良い時期ですけれども、やはり日焼け要注意時期なのかもしれません。
2011-09-05[n年前へ]
■長野 下諏訪駅で夏風に吹かれる風鈴の音
長野にある諏訪は(数えで七年毎に開かれる)「御柱」祭で有名です。そんな諏訪にある上諏訪駅や下諏訪駅のホームには風鈴が飾られていて、夏の風が吹くたびに、その流れに合わせ心地良いガラスの鈴音が響いていたりします。
下の動画は、下諏訪駅の改札口で眺めた景色です。人影のない駅のホームに夏の終わりの風が吹き抜け、丸時計の横に吊されたたくさんの風鈴が揺れ、そして、涼しげな音を周りに心地良く響かせる…そんな景色です。
小さな変化しか生じない映像と、その映像に重なる風の音色を、ヘッドフォンでもかけて聴いてみると、夏の終わりを実感させられるかもしれません。