2008-04-14[n年前へ]
■「バルコニー特許」の幾何学
建築基準法に基づいて建築物の容積率は決まる。それにしたがって床面積も決まる。
ところで、建築基準法上は「バルコニーのような外部に開放された部分は、幅2mまでは床面積には算入されない」という。そのため、
バルコニー面積が容積に参入されると、販売面積が減少し売れ行きが悪くなるため、必然的に世の多くのバルコニーは「幅2m以下」になっている。という。
「バルコニー特許」は、バルコニーの形状を工夫し、「幅2メートル以上だけれど、床面積には算入されないバルコニーを作る」というものだ。確かに、そう説明されて眺めてみると、4m×4mの10畳ほど広さのバルコニーが、(ほとんどの場所で)外部から幅2メートルの範囲におさまっている。
なるほど小さなアイデアのようだけれど何だかとても面白い。バルコニーの形状を、さらに形を変えてみたりしたならば、さらに有効利用できるようになったりすることもあるのだろうか。
2008-04-17[n年前へ]
■「バルコニー特許の限界」と「冬の日差しの限界」のヒミツ
「バルコニー特許」の幾何学を使うと、バルコニーをマンションの壁から4メートルほど突き出すことができる。ところで、この"4メートル"を「幅広バルコニー(ベランダ)」と「冬の部屋」のヒミツで書いたことと同じように、「冬の寒く湿気た部屋を照らす暖かな日差し」という観点から考えてみると、面白いことに気づく。
それは、バルコニーの幅(部屋からの長さ)が4メートルを超えると、(ひとつの階あたりの高さが2.5mほどのマンションであるならば)部屋に日差しが全く入らなくなる、ということである。逆に言えば、 「バルコニー特許」の請求項の範囲であれば、「バルコニーの幅を(部分的に)4メートル近くにも広げることができつつも、冬の日差しを(少しは)部屋に引き入れることができる」というわけである。「バルコニー特許の幾何学」と「冬の日差しの幾何学」を描き眺めてみると、何だか上手い関係になっていて面白い。
2009-04-11[n年前へ]
■「ミニスカートの幾何学」カリキュレータ
Mathematica のインタラクティブ・コンテンツ作成機能を使って、「ミニスカートの幾何学」カリキュレータを作ってみました。どういうものかというと、「ミニスカートの幾何学~32cmの攻防戦~」の計算をユーザがグラフィカル・ユーザーインターフェースを使って自由に行うことができるものです。具体的には、「階段の角度」や「スカートの長さ」を自由に変えて、ミニスカートの幾何学を勉強することができる、というものです。
「ミニスカートの幾何学」カリキュレータのファイルは、skirt_calculator.nbp (21kB)として置いておきます。実行には、 Mathematicaノートブック実行用の無料インタラクティブプレーヤー Mathematica Player が必要です(ダウンロードページ)。Windows 2000/NT/XP/Vista, Mac OS X 10.4以上, Linux 2.4以上で実行することができます。ちなみに、実行画面は下の動画のようになります。グラフの意味は、「ミニスカートの幾何学~32cmの攻防戦~」をご覧ください。
2010-05-06[n年前へ]
■お化け煙突の「幾何学」
「お化け煙突の謎解き」を読む。単純な、けれど美しい幾何の世界、そして、ひどくノスタルジックなずいぶん昔の景色に強く惹かれ、その中に深くひたる。
「足立」のシンボル、お化け煙突は隅田川に面した千住桜木町に大正大震災の後、1925年(大正15)に建設された。当時の、東京での建造物の最高の高さを誇る、83.5メートルであった。
夏と冬の渇水期に水力発電の能力が落ちる、その時、運転され、たくさんの煙を出した。そのために、時々、思い出したように煙が出るので「お化け煙突」と呼ばれ始めた。
見る方向(角)により四本が三本,二本,一本、と目まぐるしく変わって見えるので、不思議に思え(お化け)のようだと言い出した。
煙突が菱形に配置されており、また中心に2本並列していた煙突と前後にあった煙突が重なり合って1本に見えることから、真横から見ると1本、斜めから見ると2本ないしは4本、真正面から見ると3本になったと言われる。また常磐線や京成本線からもこの煙突は良く見え、列車の移動に伴う本数の変化が眺められたという。
2012-03-20[n年前へ]
■建築基準法とミニスカートの幾何学による「35cm丈のミニスカートは絶対安全」という証明
学生の可能性を可能にするポータルサイト ワンダーノーツに『建築基準法とミニスカートの幾何学による「35cm丈のミニスカートは絶対安全」という証明』を書きました。
建築基準法(第三節 第二十三条)によって、公共の場所においては「階段の一段の高さは18cm以下で幅は26cm以上、そして、階段の高さが3m以上であれば、3m以内ごとに1.2m以上の長さの踊り場を設けなければいけない」と決められているからです。 この建築基準法の規定にしたがうと、日本国内で作ることができる「最も急な階段」は35度となります。 そして、前述の「ミニスカート幾何学」によると、35度の急階段であったとしても(偶然、階段の角度と同じ数値である)35cm丈の長さのスカートであれば、スカート内部の下着を覗かれてしまうことはない、ということが証明されるのです。