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2013-09-20[n年前へ]

遠赤外線や近赤外線カメラをHMDに取り付けて「赤外線視覚動物」になってみよう!? 

 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に、サーモカメラや赤外線カメラを付けて、世界を眺めてみました。Oculus Rift とは比べものにならないくらいの小さなHMDを使ってみたのですが、それでも可視光とは違う視覚を持った動物になったかのような心地になります。

 たとえばサーモカメラを取り付けると、こんな世界になります。ノートPCの熱さが「これはマズイぞ!」と冷や汗をかくほどに実感することができて、窓から外を見上げると、言葉通りに冷たい秋の青空が広がり、けれど雲は熱く輝いています。

 そして、サーモカメラ(遠赤外線)ではなくて、近赤外線カメラをHMDに取り付けて「近赤外線(視覚)動物」になってみると、世界はこんな感じに見えてきます。目の前にあるハッピーハッキングなキーボードは、なんとビックリ!超ハッカー仕様な無刻印モデルに変身します!(もちろん、可視光ではちゃんと文字は見えます…)

2013-10-30[n年前へ]

「人の錯覚」も考えて作ってあるのが「本当に真っ当なフォント」です!? 

 正方形(あるいは長方形)の紙を目の前に置き、筆記用具を取り出して、紙の中央に印を付けてみます。その上で、(紙の対角線を折るなどして)本当の紙中央を調べると、「私たちが真ん中だと思う場所」は本当の真ん中より、少し左上に位置することに気づかされます。実際、私が何人かにこのテストをしてもらった結果では、1/2~1/3くらいの人たちが(本当の真ん中に対して)左上辺りを「ここが真ん中だ!」と指差します。

 「真性活字中毒者読本―版面考証/活字書体史遊覧」に、こんな「人の錯覚例」とともに、だからフォント(書体)を描く時には、線が真ん中にあるように見せるためには、横線なら数学的な座標中心よりも上に線を配置し、縦線なら少し左に寄せるように作る、そういうことを書体デザイナーは意識的・無意識的に行っていると書いてありました。

 試しに、ヒラギノ明朝で「闇」という字を描き、門構えと音という部分、つまり「3本の横線が引かれている部分」を眺め・横線の間の感覚を計ってみると、確かに3本線の真ん中に引かれた線は少し上に寄っています(横線の間に間隔比を数字で表してみました)。数字を眺めてみると、おおよそ5パーセントほど「中央線」が上に寄っていることがわかります。

 真っ当な書体は、人の錯覚を意識して「文字が自然に見える」ように人工的な作為を凝らしている…という話など、書体に込められた工夫がとても面白く感じます。

「人の錯覚」も考えて作ってあるのが「本当に真っ当なフォント」です。






2013-10-31[n年前へ]

続 「人の錯覚」も考えて作ってあるのが「本当に真っ当なフォント」です!? 

 「人の錯覚」も考えて作ってあるのが「本当に真っ当なフォント」です!?で紹介した、「真性活字中毒者読本―版面考証/活字書体史遊覧」に小宮山博史氏が書かれている話は、書体(フォント)を作成する上での「人の錯視・錯覚を意識して調整を行う例」がいくつも書かれていて、本当に興味深いものです。

 他の例としては、たとえば、「ノ木偏(のぎへん)」の中央を走る縦線を完全に垂直な棒にしてしまうと、(ノの字型の)ハライの線の影響で、ノ木偏が左に倒れているように見えてしまう。だから、何らかの工夫が必要だといった話です。あるいは、「各」という文字は上部の(左右へハラわれるハライの影響で、各の下部にある「口」の上部が拡がって見えてしまうので、「口」を直方体として描いてしまうと、上が拡がった台形に見えてしまう(だから工夫するのが基本だ)…といった話です。

 はたして、ヒラギノ明朝(上段)と小塚明朝(下段)で、「秋」「閣」という字を描いてみました。上に描いたのがヒラギノ明朝で、下段に描いたのが小塚明朝です。

 …なるほど、ヒラギノ明朝の「秋」のノ木偏(のぎへん)の縦棒は、線下部が左側に拡がっていて、全体の(錯視分も含めた)重心として「錯視を防止して垂直に見せる」ような処理になっていそうです。また、「閣」の中にある「口」も幾何学上は「上が狭まった台形」となっていて、錯視分も含めた形として、水平・鉛直に線をなす「四角」となっているかのように 感じられます。

 それに対して下段の小塚明朝は、「秋」の「ノ木偏(のぎへん)」の上部が左に傾いているように見えたり、「閣」の中にある「口」の下部がすぼまっているように感じられてきます。もちろん、データ・電子上は小塚明朝の秋のノ木偏縦棒は完全に垂直ですし、閣の中にある口は完全な直方形です。しかし、感覚的には、形状がおかしく見えてしまうように感じられてきます。

 人の感じ方や見え方といったもの、たとえば錯視とか感覚的なものの研究は、人にまつわる色んな技術における過去のありとあらゆる技術者たちの常識をまずさらってみるのが良いのかもしれません。そうしないと、車輪の再発明を時間を掛けて繰り返してしまいそうです。

続 「人の錯覚」も考えて作ってあるのが「本当に真っ当なフォント」です!?






2014-02-04[n年前へ]

「人の視覚」と「生物の進化」 

 古代、光の4波長帯を識別する目があったのに、哺乳類が夜行性として生きてきたがゆえに(いつの間にか)緑と青の視覚を無くし、けれどヒトは、赤センサの一部が緑に変異したことで、赤と緑を識別することができるようになった…(それは森の中で赤い果樹を見分けられるから?)という話とか。…こういった話を読んで、ようやく人類の色覚の個体差について、少し納得することができたような気がする。

2014-09-24[n年前へ]

フィラデルフィア美術館所蔵のクリムト絵画を高解像度でリアルなVR表示にしてみよう!? 

 手作り感満載の(行き当たりばったりで作ったまさに手作りの)マブチモータ的な自動回転偏光フィルタカメラを使い、フィラデルフィア美術館で撮影した巨匠名画をリアルに写し取るシリーズクリムトの女性ポートレート(超巨大)のVR表示を、もう少し高解像度にしてみました。…手作りカメラで撮影した特殊画像データは比較的低解像度なので、普通のカメラで高解像度に撮影された画像と組み合わせることで、視覚的には結構高解像度に見えるリアルなVR画像の作成を狙ってみたというわけです。それはちょうど、JPEG画像が、色情報は低解像度でも明暗情報の解像度が高ければ自然に見える…ということと少し同じような「狙い」のもとに作ってみたVR画像表示です。

フィラデルフィア美術館所蔵のクリムト絵画を高解像度でリアルなVR表示にしてみよう!?








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