2001-12-02[n年前へ]
■ウィルスメールとアスキーアート
Photoshop用ASCIIアート出力プラグインを作る
風邪が大流行するのは日本の冬の風物詩の一つだ。11月の中旬頃から、私の職場の周りでもかなりの人がゴホゴホ咳をしている。人間というよりほとんどロボットのような人(でないかもしれない)でさえ、カゼをひいている。何故、そんなロボットのような人までも風邪をひくのに、このガラス細工のように繊細な私がカゼをひかないのかと首をひねったりすることもあるのだけれど、その答えを考え出すと、何故かイヤ〜なことわざが頭に浮かんでしまって、そんなことわざにちょっとムムッとしてみたりするのである。
そういえば、ここ何週間か人間がかかる風邪だけでなくて、それに加えてPCの間でもウィルスが大流行している。次から次へと添付ファイル付きのウィルスメールが送られてくる。その送られてくるウィルスメールだけでも面倒くさい話だけれど、面倒くさいのはそれだけではない。メーリングリストなどにウィルスメールが送られてしまうと、「MS製品を使うやつは…」とか「添付ファイルつけんな」とかのメールが飛び交って、フレーム寸前になってしまうこともよくある話だ。実に不毛だ。
私宛に、「自分で撮影した画像」をメールに添付して送って下さる方も多いのだけれど、こんな御時世では、そんな人達も画像を添付して送ることに躊躇してしまうかもしれない。そんな色々な街中の写真が大好きな私は、それではとても寂しくなってしまう。それに、恥ずかしながらOutlookExpressを使う(UIが好きで)私としては、このご時世は非常にマズいのである。
そこで、私は考えた。時代は再度アスキーアートを要求しているのではないだろうか?添付ファイル無しで、アスキー形式で画像を送ることができる、という素晴らしきアスキーアートを時代は欲しているのではないだろうか?やはり、画像をメール本体にそのまま貼り付けるのがやっぱり一番いい、ということになるのではないだろうか。そう、時は巡り、またしてもアスキーアートの時代が訪れた、と私は考えたのである。
そして、そんな時代のために、私も何かできることはないだろうか?ウィルスメールに恐れおののく「か弱き人」がもしもこの世にいるのであれば、この私に一体何ができるだろう?と救世主のような気分に(ビールのせいで)なった私は、再度「アスキーアート出力プログラム」を作成することにした。というわけで、「ASCIIアートの秘密」シリーズ番外編の始まりである。
今回は、Photoshopで開いている画像データをアスキーアート形式で「データ書き出し」をすることができるエクスポートプラグインを作成してみた。名づけて、AsciiExportプラグイン(そのまんま)である。言うまでも無く、いつもと同じ動作保証無しバージョンである。なお、Windowsのバージョンで二種類あるので、気をつけてもらいたい。(ありがとー >麗美さん、CHICさん)
- AsciiExport9x.8be (をLHA圧縮したもの AsciiExport9x.lzh 14kB) Win9x,NT4用
- AsciiExport.8be (をLHA圧縮したもの AsciiExport.lzh 14kB) Win2000,XP用
何しろ、よく汎用のRAWデータで画像を保存する時など、「再度ファイルを開いたとき、画像が正確に再現されない恐れがあります」なんて表示されたりするけれど、このAsciiExportプラグインはそれどころではないのだ。アスキーアート形式で保存してしまうと、その画像ファイル(いや、すでにテキストファイルなのだ)を開いても、もう絶対に「正確に再現されるわけがない」のである。ダブルクリックしたところで、立ち上がるアプリケーションはPhotoshopでも他のお絵かきソフトでもなくて、エディターとかワードとかなのだ。大事な画像をこの形式だけで保存してしまった日には、後悔すること間違い無しなのである。しかも、ファイルサイズだってRAW形式で保存した場合より、改行コードのぶんだけ(ほんの少しだけど)大きくなってしまう、という踏んだり蹴ったりの保存形式なのだ。
これでは、Exportプラグインというより、エクスポート機能付きフィルタープラグインと言った方が良いかもしれないが、何となく漂う「無意味っぽい」テイストを楽しんで欲しい、そしてお願いだから、「こんなのを作っているから風邪をひかないんじゃないの」なんて言わないで欲しいと切実に願っているのである。
このAsciiExportプラグインの使い方はとても簡単で、AsciiExport.8beをPhotoshopのPlug-Ins\Import-Exportディレクトリの中に入れて、Photoshopを起動すれば、ファイルメニュー-> データ書き出し -> Ascii Exportというメニューが使えるようになる。グレイースケール8bit画像を開いている状態でこのメニューを選択すれば、アスキー形式で画像ファイルを保存することができる。
使用の際に、8bit画像であることは必須である。また、グレイスケールでない場合には、あまり意味の無い出力がされてしまうので、とりあえずはグレイスケール8bit画像で使った方が良いと思う。
試しに、上の画面で開いている深田恭子のセクシーショット(いや、こんなファイルを開いているわけではないですよ、ハイ)をAsciiExportプラグインで出力したテキストファイルのスクリーンショットが下の画面だ。
画像が正確に再現されるわけもない様子が端的に見て取れると思う。が、そこはそれ心の眼で「深田恭子のセクシーショット」を思い浮かべて欲しいと思うのだ。人間、想像力と言うのは極めて大事である。想像力育成のためにも、このAsciiExportプラグインはきっと役に立つハズだと思う。モロモロ・セクシー画像を集めまくっているようなヤカラはぜひこのアスキーアート形式を標準形式にして、想像力を根本から鍛えなおして欲しい、と思うのである。
参考までに、「出力されたテキストファイル(7kB)」と「整形済みのWORD形式ファイル(34kB)」も一応置いておく。どうしても普通のエディターは行間がアスキーアート用には広すぎるので、MSWORDの整形済みの方を眺めるのが良いかもしれない。
このようにして保存したテキストファイルの内容をコピーしてメールに貼り付ければ、昔懐かしいアスキーアート貼り付けメールの完成だ。ウィルスメールを送ってしまうことが怖くて、ビクビクしているような繊細な心の人が「もし」いるのであれば、ぜひAsciiExportプラグインを活用して安心してもらいたい、と思う。画質が無意味に落ちたり、ファイルサイズを無意味に大きくなって限られた地球のリソースを無意味に使ったりしはするけれど、それはそれご愛嬌ってことで。想像力も養えるしね。ほら、眼を半開きにして眼と想像力をこらせば、見えてくるでしょう?
2002-06-23[n年前へ]
■あなたが描く私の木漏れ日
The your sun streaming through my fingers
「木もれ日プロジェクト」というものを見た。表参道のSPIRALの一角に展示されている木村崇人氏の作品である。色んな形の灯りを作ってやって、木漏れ日が色んな形になるのを楽しもう、という作品である。星形や三日月型の灯りが発する光に掌をかざすと、指の隙間からこぼれた光はキラキラとした星形になったり、幾重にも重なる三日月型になったりするのである。
太陽は丸いから、木漏れ日を見てもいつもは何の不思議にも感じない。だけど、こんな色んな形の木漏れ日を眺めると、重なり合う木々の葉がピンホールレンズになっていて、木漏れ日が刺す様子が大きなカメラオブキュラだったことに今さらながら気づくのである。そしてまた、重ねた掌の隙間からこぼれ出す光が星形を描くとき、とても不思議に気持ちよく感じる。
これを眺めた後に、私も色んなカタチの灯りを作って色んなカタチの木漏れ日を作ってみようか、と考え、それには何が必要かな、はさみと、ランプと、光を拡散させるためのトレーシングペーパーと、色んな色の木漏れ日を使いたいからカラーフィルターも…、と考え始めたときに気が付いた。そんなに色んなものがなくても大丈夫なのだった。考えてみれば、パソコンのディスプレイの画面はかなり明るいのだから。パソコンの画面に「色んな形」を描けば良いだけの話なのである。つまりは、パソコンでお絵かきしている画面を「太陽」の代わりにすれば良いのだ。そして、その画像だけを画面に表示させて、真っ暗な部屋でそのディスプレイの前に手をかざせば、壁に映し出される掌の影の隙間には「色んな形」の木漏れ日が幾重にも重なり見えてくるはずだ。
そこで、例えばこんな風にPhotoshopのフルスクリーンモードで星型を描いてみた。
そして、部屋を暗くして両手を重ねると、両手を重ねた隙間を抜ける光が「木漏れ日」を形作る。それはPCの画面に描いた星型をしている。重ねた両手の指の隙間から抜けた光が、幾重にも重なる星型になって光るのである。
もちろん、PCの画面に自分で「色んな形」を描かなくても良いだろう。誰かが楽しそうにお絵かきをする。マウスを動かして、色んな言葉を書き込んでみたり、ハートマークを書いてみたりする。私はディスプレイの前で手をかざしている。そうすれば、私の掌の影の中の木漏れ日は色んな言葉やハートマークをゆっくり描き出すだろう。それはとても気持ちよい景色に違いない。
そして、さらにはこんな風にも考えてみた。その他の誰かは必ずしも私のPCで「色んな形」を描く必要はない。例えば、ネットワークの何処かに繋がった他のPCを前にして、そんなお絵かきをしてみても良いはずだ。
- Photoshopをフルスクリーンモードで動かして、黒を背景にして好きなものを描く
- その画面をVNCのような「ネットワークを介してPCの画面を転送するソフト」でネットワーク上の他のPCに送る
- その送られた画面を(例えば)InternetExplorerをVNCビューアーにして、フルスクリーンモードで表示する
「三色のハートマーク」の姿をしている |
「あなたの木漏れ日・ストリーミング」はちょうどこんな感じだ。例えば、何処かで誰かが何かを描く。恋人が親があるいは誰かが、他の誰かへの気持ちを描く。例えば、何かの「キモチのカタチ」を描く。例えば、ハートマーク、あなたの名前ををゆっくり描く。あるいは、PCに繋がったCCDカメラに向かってポーズを手を振ってみる。
そこから離れた何処かの場所で、その恋人がその子供があるいは他の誰かが、PCのディスプレイが発する光に掌をかざしてみる。その掌の隙間から漏れた光は掌の下に木漏れ日となって何かを描く。ネットワークに繋がった遠く何処かで誰かが描いている気持ちが、誰かの名前を綴る文字が、あるいは手を振る姿が離れた場所のPCの前にかざす掌の下の木漏れ日になる。遠く何処かで描かれていく「キモチのカタチ」が、「笑いながら遠くで手を振る誰かの姿」が、木漏れ日となって、私達が重ねる掌の下で光り、映し出され、そして私達の目の前に浮かび上がってくる。
2003-03-31[n年前へ]
■「全てを選ぶ」と見えないものが見えてくる
魔法のショートカットは"Ctrl + A"
この写真は「強大な国の頂点にいる人物」である。知らない人はほとんどいないに違いないアメリカのブッシュ大統領だ。大統領のそっくりさんでもなければ、独裁国家で大流行中の大統領の影武者でもなく、正真正銘のブッシュ大統領だ。目を皿のようにして眺めてみても、やっぱりブッシュ大統領以外の誰でもないのである。さて、インターネットエクスプローラーを使っているユーザーは、ここでおもむろに、"Ctrl(コントロール・キー)+ A"を押して"全てを選択"してみることにしよう。さて、あなたが眺めているこのWEBページはどういう風に姿が変わっただろうか?先ほどじっくり見たはずの「強大な国の頂点にいる人物」の写真はどうなっただろうか?
もしもあなたが(少なくとも)WindowsのInternetExplorerを使っていれば、上の写真の中には「強大な国の頂点にいるサル」が写し出されているハズである。「アメリカ合衆国を指揮する二世ボスザル」が写し出されているハズなのである。人によっては、「最初の写真だってどう見てもサルだった」と言うかも知れない。「強大な国を指揮しているボスザル以外には見えなかった」というかもしれない。そうであるなら、あなたが実に素晴らしい眼力を持っているか、単にひねくれ者であるかのどちらかに違いないのである。この画像は「通常はブッシュ大統領に見える」のに、「画像が選択された状態になると何故かブッシュ大統領ではなくてサルの画像が浮かび上がってくる」のである。
種明かしをすれば、この画像は、実は"市松模様状にとびとびに描かれた"ブッシュ大統領の画像に、それと互い違いに"市松模様状に描かれた"サルの画像が合成されているのである。そして、サルの画像の方はコントラストが低くて見にくい画像なので、通常の状態では"市松模様状にとびとびに描かれた"ブッシュ大統領の画像の方しか見えないのである。いや、もっと正確に言うならば、サルの画像はちゃんと目には見えてはいるのだけれど、そのサルの画像は「あまりにおぼろげで」「他の鮮やかではっきりとしたブッシュ大統領の顔に目を奪われてしまうので」、その目に見えているハズのサルの画像に私たちは気づくことができないのである。
ところが、インターネットエクスプローラーで「画像を選択」すると、インターネットエクスプローラーは画像を市松模様状に塗りつぶして表示し、「画像が今選択されていますよ」と示すのである。その時、普通の画像で有れば私たちの目には画像が少し灰色っぽく見え、「ナルホド、今は画像を選択中なんだな」と判るわけである。
ところが、この「ブッシュ大統領+サル」の画像のように「市松模様状の二枚の画像が組み合わさった画像」の場合には、市松模様状に画像が隠され(つまり例えばブッシュ大統領の画像が隠される)てしまうと、残された「隠されていない市松模様状の部分」というのは「サルの画像」であるので、サルの画像だけが見えるようになるのである。そして、私たちはそれまでは見えていたのに気づかなかったサルの画像にやっと気づくのである。
そういうわけで、こんな市松模様状の二枚の画像を組み合わせた画像を作ると、「インターネットエクスプローラーで全てを選択すると、違う画像が目に浮かび上がってくる」という不思議な画像を作ることができる。例えば、マイケル・ジャクソンの顔が大きく変わってしまう画像であったり、綺麗な服を着た女性の内面(ハッキリ言えば単なるヌードだ)が見えてしまったりする画像であったり、ひまわり畑には女性のヌードが横たわっていたりする画像を作り出すことができるのである。もちろん、こんな画像はPhotoshopでも持っていれば簡単に作ることができるのだけれど、標準添付の「ペイント」だけでせっせとお絵かきをして、WEBページを作ったりしている人だって中にはたくさんいるに違いない。 というわけで、簡単にこの"Ctrl+A"の魔法の画像を作ることができるソフトを作ってみたので、興味を持った人はこんな「早変わり画像」をぜひ作ってみて欲しい、と思う。
さて、今回の一連の画像のように、「いくつかのモノが重なり合っているのに、鮮やかではっきりとしたその中の一つだけに目を奪われてしまい、目に見えているはずの他のモノに気づかない」なんてことは世の中にたくさんあるような気がする。たった一つの見やすいモノだけが見えて、他の全てのものが見えなかったりするなんてことはきっと多いに違いない。そんな時、魔法のショートカット"Ctrl+ A"があれば、「全てを選択」して隠された色んなものを眺めてみることができるのに、と思う。魔法の呪文、「全てを選択」で、「気づきにくくて」「周りに埋もれがちなもの」を眺めてみるのも面白いに違いない、と思う。
そうすれば、ブッシュ大統領の着ぐるみの中にはサルがいるとか、女性の綺麗な服の内側にはヌードがあるとか(当たり前)、実はひまわり畑には女性のヌードが隠れてるとか(そんなわけない)、色んなモノが見えてくるのに違いないのである。
2003-05-31[n年前へ]
■お絵かきBOARD(CLCS arquitectos)
こせきさんの日記から、CLCS arquitectos。FLASHが素晴らしく気持ちよい。中でも多くの人にお絵かき"BOARD"は特に見て欲しい、そしてこのすばらしさを共有したいと思うくらいに気持ちよい。
2003-07-17[n年前へ]
■デスクトップ上の様子を録画・編集してFlashムービーを作成するソフト
ScreenFlashプロ。似たようなソフトにCamStudio があるけれど、とりあえずメモメモ。
お絵かきが好きな人なら、これで絵を描く様子をフラッシュにしてみるのはいかがですか?きっと、あなたが楽しそうに絵を描くようすを見てみたいなぁと心から思う人もきっといると思いますよ。