2009-01-12[n年前へ]
■オービスと同じ目で「車のナンバー」を眺めてみよう
「プリンタで偽造したナンバープレート」と「速度取り締まり機の撮影波長」や「プリンタで偽造したナンバープレート」と「速度取り締まり機の撮影波長」 実験編 Part.1で、で、「赤外光をほとんど吸収しない通常のカラーインクで偽造したナンバープレートが、一体どのように速度取り締まり機(オービス)に写るか」ということについて考えたり、「濃い緑色の文字色でないと、偽造プレートは赤外線で見れば”のっぺらぼう”に見えてしまうかもしれない」といった簡単な実験をしてみました。
今日は、赤外線カメラ付きケータイに改造したケータイで、車のナンバーを実際に撮影してみました。つまり、オービスと同じ目で「車のナンバー」を眺めてみたのです。その結果が、上の2枚の画像です。左が白地に濃い緑字のナンバープレートで、右が黄色時に濃い緑字の軽自動車のナンバープレートです。人が眺めた時には全然違うように見えるナンバープレートも、同じように鮮明に見えることがわかります。
赤外線カメラ付きケータイを持ち歩き、いつか”プリンタやコピー機で偽造した”偽造ナンバープレートを付けた車を見かけたら、すかさずシャッターボタンを押してみようと思っています。オービスと同じ目で眺めたら、一体どんな風に見えるのでしょう?
2011-10-02[n年前へ]
■「天下一品(テンイチ)」のラーメン無料券には「紙幣」のように偽造防止透かしが入ってる!?
10月1日は「テン=10&イチ=1」といいうことで「天下一品(テンイチ)祭り」でした。ご存じない方はいらっしゃらないと思いますが、念のために書いておけば、テンイチ(天下一品)というのは、京都が本店で、科学的に言えば「極限まで粘性が高いスープ」を特徴とするラーメン屋です。「マクドナルド(関西風に言えばマクド)」がアメリカ発のジャンク・フードなら、京都発のジャンク・フードが天下一品(テンイチ)のラーメンです。そして、そのトロトロスープを、ある種のジャンキーたちは中毒のように欲するのです。
10月1日は「天下一品祭り」ということで、ラーメン一杯食べると、もれなく「ラーメン無料券」が一枚ついてきました。天下一品ジャンキーな私も、そのラーメン無料券をもちろん手に入れて、それが通し番号「十九万四千三百三十二番」という右の写真です。
この「天下一品ラーメン無料券」を、手に持ち太陽に透かしてみると(円形部分だけが明るく見える)透かしが入っています(参照:下写真)。この透かしは、もちろん偽造防止のためでしょう。天下一品(テンイチ)と言えば、誰もが欲する稀少品…というわけで、もはやそれは一種の「紙幣」です。コンピュータやインクジェットプリンタが出回ったことで、「見た目に違いがわかりづらい」コピーを作り出すことが容易なこの時代でも、さすがに透かしがある紙を使ったならば、そう簡単には偽造されたりしない…というわけです。
「天下一品(テンイチ)」のラーメン無料券は、今や一種の紙幣ともいうべき価値ある存在です。だから…と書くのも変ですが、実は天下一品ラーメン無料券には、偽造防止のために「紙幣」のように透かしが入っていたのです。テンイチ恐るべし。
*偽造防止にまつわる記事は「「追跡コードの記事」と「紙幣偽造の現場」」なども面白いかもしれません。
2012-03-02[n年前へ]
■赤外線で「千円札」を眺めてみると…あぁビックリ!?
私たちが目に見ることができる光は「可視光」と呼ばれます。 可視光以外の「光」で世界を眺めれば、普段眺めている世界とはずいぶん違うものが見えてきたりするものです。
右の画像は、千円札の表面を顕微鏡で撮影した写真です。 碧(あお)や朱(あか)そして黒い線を、拡大撮影した写真です。 この写真は可視光で撮影しているので、私たちがふだん眺めている千円札の色ということになります。
それでは、私たちが目にすることができない赤外線で、この千円札を眺めたら、一体どんな風に見えるのでしょうか? そんな「赤外線で眺めた千円札の顕微鏡拡大写真」が、次に示した右の画像です。 意外に思われるかもしれませんが、赤外線で眺めると、碧・朱・黒…いずれの線も、姿を消し・真っ白けの透明な紙になってしまうのです。
ほとんどの色材は、赤外線(可視光より少し波長が長い光)の領域では透明になります。 色材が吸収することができる「光」の波長は限られていますから、特定の色以外の光に対しては、おのずと透明になってしまうのです。 だから、上の千円札では、撮影部分の(可視光では)碧・朱・黒だったはずの印刷線が、赤外線で眺めると透明になり「消えてしまった」というわけです。
ところで、「色材が吸収することができる光の波長は限られている」と書きましたが、そういうものばかりではありません。 たとえば、印刷などで黒の色材として使われることが多いカーボンブラック(炭素微粒子)は、可視光も赤外線も、そのどちらも吸収してしまいます。 だから、カラー印刷された本を赤外線だけが見える目で眺めれば、カラーインクはすべて透明になり消え失せて、黒インクだけが「見える」ことになります。
実際に、カラー印刷を顕微鏡で眺める時、可視光で眺めれば左下のように見える領域を赤外線で眺めてみれば、右下の写真のごとく見えるのです。 まさに、黒インクだけが白い紙の上に浮かび上がって見えるのです。信じられないかもしれませんが、左下の写真と右下の写真は、可視光で眺めるか赤外線で眺めるかという違いだけで、完全に同じ場所を撮影した顕微鏡写真です。(おもしろ実験サイトオールガイドという本の表紙を撮影してみました)
もしも、紙幣を(カーボンブラックを黒インクの色材として使う)印刷機でプリントしたりしたなら、可視光だけで見る人には本物そのものに見えたとしても、赤外線で眺めれば、タヌキやキツネが手に持つ葉っぱのお札のような、お札とは全く違う全く違う真っ白けの模様が浮かび上がってきたりするかもしれません。
眺める光の波長次第で、丸っきり違う模様が見えてきたりする…まるで、手品の世界のようですね。
2012-03-07[n年前へ]
■昔々の「切った貼った」で作った偽造紙幣は…やっぱり矛盾があるのです。
遙か昔に、紙幣切断し、切断した紙幣を貼り合わせることで、なんとn枚の紙幣からn+1枚の紙幣を作り出す…という紙幣偽造事件がありました。それはつまり、たとえば、10センチメートルの大きさの紙幣があったなら、それを9.5センチメートルにして、残った5mmの紙幣のカケラを19枚集めたならば、もう1枚9.5センチメートルの長さの紙幣が生み出される!? というテクニックです。
もしも100枚の1万円から101枚目の1万円を作り出せば、「紙幣」がいつの間にか1パーセントの増大し、もしも、10枚の紙幣から11枚の紙幣を作り出したなら、それはなんと10パーセントの利率マジックです。
しかし、そんな切断マジックって結構大変だよね…という実験をしてみた過程を写したのが、右の写真です。36枚の千円札から37枚を作り出す実験をしていると、おっとビックリ、千円札が百円札になっていたのです。36枚が37枚に増える…では、たった2パーセントの増率です。しかし、そんな微妙な倍率であったとしても(工作が適当なせいもありますが)、紙幣画像デザイン的には…それらの違いを意外なほどに容易に判別できたりするのです。
というわけで、子供銀行券を大人買いして、切った貼ったの工作をしてみた話は、明日にでも書いてみようと思います。
2012-03-08[n年前へ]
■「紙幣を1枚増やしてしまう偽札作り」と「破れた紙幣の交換ルール」
学生の可能性を可能にするポータルサイト ワンダーノーツに、「紙幣を1枚増やしてしまう偽札作り」と「破れた紙幣の交換ルール」を書きました。
さて、ここで復習問題です。 上のような交換基準を踏まえて、冒頭で作った「切断千円札」銀行に持ち込んだとしたら、元は36枚の千円札は一体「何枚」になるでしょうか?