2003-04-21[n年前へ]
■人間の目の感覚で画質を分析するプリンタ
さてさて、現在の市場価格の6分の1以下のコストの高性能な分光分析装置ってどんな製造法なんでしょね。
2007-04-28[n年前へ]
■Spectrum Color Conversion
Spectrum Color Conversion は分光的な色変換を行うことができるWEBページです。 Spectrum Color Conversion::RGBtoCMY はディスプレイで用いられているような赤・緑・青のRGB加算混色で示された色(スペクトル)を、印刷などで用いられているシアン・マゼンダ・イエローのCMY減算混色で表現された色(スペクトル)へと変換します。その逆に、CMYからRGBへの変換を行うのが、Spectrum Color Conversion::CMYtoRGB です。各色に対する入力値は、RGBtoCMY・CMYtoRGBのいずれの場合も、0から255までの値を入れるようになっています。なお、CMYtoRGB の際のD65という欄には、255という数値が入っていますが、これは減算混色時にインクを照らす照明光の明るさです。この数値を変える必要は特にありませんが、もしも、この照明光D65の強度を変えたりしてみれば、その強度に応じて明るくなったり・暗くなったりすることは確認できると思います。
CMY<=>RGB の色変換の際に用いている基準は、「スペクトル強度の差の自乗和が最小になること」です。つまり、人の視覚特性などに特化した色変換ではなく、単純に分光強度の形状が近くなるような色変換を行っています。また、赤・緑・青、および、シアン・マゼンダ・イエローの各色のスペクトルは非常に大雑把な値を使っています。特に、シアン・マゼンダ・イエローに関しては、印刷で用いられているインクとは異なり、比較的理想に近い吸収スペクトルの場合を示しています。もしも、赤・緑・青、および、シアン・マゼンダ・イエローの各色のスペクトルを眺めてみたい場合には、RGBtoCMYやCMYtoRGBの入力値として、単色だけを255にして、それ以外の色を0にしてみて下さい。たとえばシアンだけがある場合の単色スペクトルを眺めたければ、シアン=255, マゼンダ=0、イエロー=0にする、という具合です。すると、その色だけを使った時のスペクトルを見ることができるわけです。ただし、減産混色の場合に表示されるのは、いわゆる吸収スペクトルではなく、インクに吸収されなかったスペクトルということになります。また、CMYが示している量には対数変換がかけられています。
RGBtoCMYとCMYtoRGBは、相互に入力スペクトルと再現されたスペクトルを比較することもできますから、RGBとCMYの間で相互に色変換を繰り返しながらスペクトルの変化を眺めてみるのも面白いかもしれません。
なお、このSpectrum Color Conversion は、離散化を必要としない連続的なスペクトル演算・表示を扱うためのパッケージをWolfram Technology 社のMathematica上で作成し、webMathematica エンジンを用いることで、web アプリケーションとして動作しています。
2009-04-10[n年前へ]
■分光スペクトル・色処理用のMathematica 7.0用ライブラリ
以前、「光スペクトル操作用のMathematicaライブラリ」というものを作りました。また、その習作として「スペクトル処理で遊ぶためのMathematicaノートブック」というノートブックを書いたことがあります。さまざまなスペクトル分布と持つ可視光を重ね合わせたり、塗り重ねたりしたとき、どんな色に見えるかを簡単に計算できる、しかもなるべく単純でいて応用しやすいようにしたい、と思いながら書いてみたライブラリです。
たとえば、D65光源のもとで、赤紫色の絵具を重ね塗りしていったときの色の変化を CIE Lab 空間のグラフで眺めるには
labPlot[ Map[lab,Table[ transmissionSpector[D65, magentaFilter, d], {d,0,10.0,0.1}] ] ];というコードを書けば良い、という具合です。ちなみに、「スペクトルデータ」はすべて純関数で表現する仕様にしてあるので、上記のコード中のD65もmagentaFilterも実体としては「関数」です。そのため、波長の離散化も不要ですし、((D65[#]+D50[#])/2)&といったような数式風に書けば、D65とD50の平均のような照明光を表現することもできます。
ちなみに、このライブラリはMathematica 5.2で作ってみたものです。最近、Mathematica 7.0も使いだしました。すると、グラフィックス関連の関数の機能変更がたくさんあって、以前のライブラリでは表示関係のライブラリが動作しないことに気付きました。そこで、Mathematica 7.0用の「光スペクトル操作用のMathematicaライブラリ for Mathematica 7.0」を(まずは)適当に作ってみました。それが、ColorLib_amature on 7.0.nb (263kB)になります。
ところで、Mathematica 7.0では、インタラクティブなアプリケーションも簡単に作成できるということなので、ColorLib_amature on 7.0.nbを使って、「D65光源の下で、白色紙の上にシアン色とマジェンタ色を塗り重ねていくとどんなスペクトルになるか」を表示するインタラクティブ・アプリケーションを作ってみました。その動作画面が、下の動画になります。上のスライダーがシアンを塗り重ねる量で、下のスライダーがマゼンタを塗り重ねる量を示しています。それぞれのスライダーを動かすと、「どんなスペクトルになるか」がグリグリと表示されます。
さて、次回は、Mathematicaで作ったアプリケーションを誰でも使える形にして配布できるようにしてみたい、と思います。
2009-04-13[n年前へ]
■分光スペクトル・色処理のデモ・インタラクティブ・アプリケーション
分光スペクトル・色処理用のMathematica 7.0用ライブラリを使った「デモファイル」を、誰でも操作できるインタラクティブ・アプリケーション」に変換してみました。変換したファイルは、ColorLib_amature+on+7.0demo.nbp(124kB)として置いておきます。
実行には、 Mathematicaノートブック実行用の無料インタラクティブプレーヤー Mathematica Player が必要です(ダウンロードページ)。Windows 2000/NT/XP/Vista, Mac OS X 10.4以上, Linux 2.4以上で実行することができます。下の「実行画面」動画のように、「D65光源の下で、白色紙の上にシアン色とマジェンタ色を塗り重ねていくとどんなスペクトルになるか」を表示することができます。
不具合などありましたら、教えて頂ければ幸いです。
2009-06-25[n年前へ]
■Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ
以前作った、「分光スペクトル・色処理用のMathematicaライブラリ(関数群)」を利用して、「Mathematicaで発色シミュレーションをオブジェクト風記述にするライブラリ」を作りました。前回書いたように、三次元構造の中で反射・屈折・散乱を行う「光」のスペクトルが、どのように変化していったかを知ることができます。
ライブラリは、Imagearts.2.5.nb(3.7MB)として、サイト上にアップロードしてあります。このファイルには、関数・オブジェクト定義に加え、いくつかのサンプルが入っています。
たとえば、「4層構成の物質(Layer)があり、それらの層はすべて透明だけれども、その中間層2層の散乱度合いを変えた場合」のシミュレーションを複数条件下でしたければ、下記のようなコードを書けばOKということになります。
layers[sc_] := (z = #[[3]]; Piecewise[{ {{1, 0,Spector[new][set,transparentFilter]}, z > 1}, {{1, sc,Spector[new][set, transparentFilter]}, 1 >= z && z > 0.5}, {{1, sc,Spector[new][set, transparentFilter]}, 0.5 >= z && z > 0}, {{1, 0,Spector[new][set, transparentFilter]}, 0 >= z} } ]) &;
Table[Light[new][in,Layer[new][set,layers[i]]][showTrace], {i,0,1,0.1}]
ここでは、最初に層構成を純関数として定義し、その純関数を使い、条件を変えたオブジェクトをTableで作成し・計算を行っています。
なお、現状のライブラリは、表面形状は水平平滑に限る、という単純なコードになっています。表面凹凸対応は、また気が向いた(近い)時期にしてみよう、と思います。