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2011-09-11[n年前へ]

意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」 

 旧暦8月15日の夜には、「お団子」や「里芋」を作り 、夜空を動く満月を眺める「お月見(つきみ)」をします。満月の「十五夜」ということにちなみ、一般的には十五個のお団子を積み上げて飾ります。

 ところで、「十五個のお月見団子」を一体どんな風に積み上げるものでしょうか? 十五個の「球」をピラミッド型に積み上げるというのは、少し考えてみれば、「とても難しい」ということに気づかされます。

 一番上が一個というのは外せないとして、その下の上から2層目を三個、つまり、三角錐志向でお団子ピラミッドを作り始めると、上から4層目でにっちもさっちもいかなくなります。かといって、上から2層目を4個という四角錘志向にしてみると、上から三層目を作り終わった段階で、1個あまりが出てしまうのです。

 十五個のお月見団子は、さまざまな積み重ね方があるのでしょうが、最下層から8個・4個・2個・1個という風に積み上げるのが一般的であるといいます。…と書いても非常にわかりにくいので、「お月見団子」の代表的な積み上げ方を、白い球模型で示してみたのが下の写真です。

 まずは、下の写真は、左端から「(お月見団子を十五個積み上げる際の)下から1層目・2層目・3層目・4層目」をそれぞれ別々に示した模式形状です。

 そして、上写真のような「お団子層構造」を4層分積み上げていくと、下に貼り付けた写真のような、ピラミッド状「お月見お団子」ができあがるというわけです。

 十五個のお月見団子を「8個・4個・2個・1個」といいう具合に積み上げようとすると、これが結構難しいものです。特に、最後の「2個・1個」という山頂部分は、かなり無理がある構造で、不安定極まりない構造です。それはつまり、運動会などで行われる「組み体操」の一番上のような状態、2個並んだ団子の上に(一番上の)団子が一個乗っかるという状態です。もしも、彼らの団子三兄弟を(前や後ろから)ポンッと押せば、あるいは揺らせば、すぐに倒れること間違いない不安定状態なのです。

 さて、明日は中秋の名月です。お団子を自分たちで作り、がんばって十五個の団子を積み上げてみるのも面白いはずです。あるいは、コンビニやスーパーで月見お団子をセットを買うのなら、その十五個のお団子がどのように積み上げられているかを調べてみるのも面白いと思います。もしも、面白い積み上げ方がされているのを「発見」したならば、お裾分けに、わたし(jun@hirax.net)にもこっそり教えて頂ければ幸いです。


 コンビニやスーパーで、十五個のお月見お団子がどのように積み上げられているかを調べてみた話が『続:意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」』に書かれています。

意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」






2011-09-12[n年前へ]

続:意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」 

 今日は、旧暦八月十五夜、中秋の名月です。だから、コンビニエンス・ストアやスーパーマーケットに行くと、レジ近くには、十五個入りの「お月見 お団子セット」が並べられています。

 そのお団子セットを眺めてみると、(意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」で書いたような)「最下層から8個・4個・2個・1個と積み上げる」システムではなく、最上層から一個・五個・九個という配置になっていました。

 そこで、白い球模型で「コンビニに売られていた十五夜お月見お団子セット」を再現してみたのが、下の写真です。左から(下から数えて)第1層目=9個・2層目=5個・(一番上の)3層目=1個で、これらを全部積み上げると右の写真のように全部で十五個の団子ピラミッドになるという積み上げ方です。

 「最下層から8個・4個・2個・1個と積み上げる」システムに比べて、「最下層から9個・5個・1個と積み上げる」システムは、積み上げ方が「一階」低くなっています。

 たとえば、その2種類の積み上げ方をした「お月見団子」を比較した写真を眺めてみれば、「9ー5ー1 システム」の先端が鋭く天上に伸びているのに対して、「8ー4ー2ー1 システム」のお団子は(まるでエジプトの屈折ピラミッドのように)先が鈍く低くなってしまっています。けれど、それと同時に、低くなった分だけ安定感が非常に増しています。

 …もしかしたら、「お月見団子ピラミッド」を大量生産し・店頭に届けようとすると、「9ー5ー1 システム」のような安定感があるシステムでなければダメで、つまり、「8ー4ー2ー1 システム」のような構造的に不安定な積み上げ方では形を維持することができなくて、「使えない」のかもしれません。

 お店で「お月見団子」を眺めたら、どんな積み上げ方=どんなシステムになっているかを眺めてみると面白いかと思います。そして、それらのシステムの違いによる安定感の違い・見た目の違いに考えを巡らせてみると、面白いと思います。

続:意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」続:意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」続:意外に難しい、お月見団子の「積み上げ方」






2011-09-13[n年前へ]

「十三個お月見団子ピラミッド」と「名残の月」 

 今日は新暦いわゆる太陽暦の9月13日ですが、旧暦の9月13日…つまり、来月の頭頃には「十三夜」の観月が行われます。旧暦8月15日「十五夜」が「仲秋の名月」なら、旧暦9月13日「十三夜」は「名残の月」と呼ばれます。

 十五夜は、ススキを飾り、月見団子や枝豆などを頬張り、空に浮かぶ月を眺めました。…いえ、正確に言えば、十五夜の一日前にあたる日曜夜、ススキならぬ「ススキみたいな草木」を飾り、まだ完全には丸くない月を眺めました。それはつまり大晦日に正月を祝うようなものですし、それっぽいけれど、そこはかとなくニセモノの香りも漂ってきます。

 しかし、想像した以上に「十五夜の月と空」は綺麗でした。月が時折雲の後ろに隠れ、動く雲の背後から輝いていることもありましたが、空を動く雲の速さを新鮮に感じることができて、それもまた趣ある光景だったのです。

 肌寒さが感じられるだろう来月の頭「十三夜」には、どんな風に月を眺めてみようかと考えます。そしてまた、十五夜の「十五個お月見団子ピラミッド」の並べ方に頭を悩まされたように、今からすでに、十三夜の「十三個お月見団子ピラミッド」は一体どういう風に積み上げれば安定なんだろうか・綺麗に見えるのかというパズルを楽しんでいます。

 今年の「十三夜」は10月9日の日曜夜です。日曜の夜なら、「大晦日に正月を祝う」かのごとく「日にちをずらす」ようなことはしなくても良さそうです。

 あなたは、どんな風に十三個のお月見団子を積み上げて、どんな十三夜の月を眺めるのでしょうか? 



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