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2001-08-31[n年前へ]

モンロー・ウォークの伝説X 

努力、天性、それともそれとも?


 世の中には二種類の人間がいる。「オッパイ星人」と「ヒップ星人」だ。いやもちろん、そんな風に人間を二種類に分けられるハズもなくて、これは口からデマカセの大ウソである。とはいえ、そんなホラを吹く根拠が必ずしも無いわけでもない。

 何故ならば、「オッパイ星人」シリーズの話を書くたびに、「胸のことなんかいいから、お尻のことを考えてるべきではないでしょうか?」というメールが届くのである。「私は揺れる(時には揺れない)胸よりも、プリプリ揺れるお尻にこそ断然目が引き寄せられます!」との意見も多いのだ。しかも、それが男性ばかりからというわけでもなくて、女性からも(もしかしたら、女性の方が多いかもしれない)そういったメールが届くのである。つまりは、男女を問わず、「お尻(ヒップ)星人= 」という異星人もまた地球上には生息しているらしいのである。

 これまで、本「できるかな?」ではそんな異星人達を識別すべく、日夜戦いを続けてきた。ぼくの地球を守るべく、そんな異星人達の特徴を見つけ出してきたのである。例えば、オッパイ星人であれば、「オッパイ星人」達は「揺れ動くオッパイ」に目を常にロックインさせているという特徴を利用し、「視線が妙に上下・左右に揺れ動くエイリアン」達を見つけ出してきた。ブレードランナー(アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)でアンドロイドを見つけ出す主人公さながらに、私は戦い続けてきたのである。そして、その主人公と全く同じく、最終的には私までもオッパイ星人であるかのような気さえするほどだったのだ。

 私のことはさておき、それでは同じような戦法で「ヒップ星人」を識別できるものだろうか?「オッパイ星人」達は「揺れる胸の動き」に目をロックインさせていたが、「ヒップ星人」達はもちろん「揺れ動くヒップの動き」に目をロックインさせているハズだ。その揺れるくヒップの動きさえ調べてしまえば、「ヒップ星人」達特有の「奇妙に揺れ動く不自然な目」を見つけ出すことができるに違いないのである。結局は、揺れ動くヒップを調べさえすれば良いのである。

 「ヒップ星人」達の憧れる「揺れ動くお尻」と言えば、それはもちろんマリリン・モンローに違いない。何しろ、お尻フリフリの象徴たるモンロー・ウォークの開発者なのだ(多分)。お尻フリフリ=マリリン・モンローと言っても良い位であるし、マリリン・モンローは「歩くお尻」と言っても良いくらいのハズなのである。

 というわけで、今回は何はともあれモンロー・ウォークを調べてみることにした。まずは、下の写真が「有名なお尻フリフリのモンローウォーク」の後姿である。
 

有名なお尻フリフリのモンローウォーク

 もちろん、静止画ではその揺れ動くヒップを実感できるわけもない。なので、モンロー・ウォークのバイブルとも言われているらしい映画「ナイアガラ」の1シーンを抜き出してみた。上がそのままの速度で再生したモンロー・ウォークで、下が奇数・偶数フィールド分離処理をして、半分の再生速度に変換したものである。

 何とも私には表現しづらいのだけれど、足の動きよりちょっと遅れてついてくる感じのお尻の動きが何とも言えずセクシーである。そのヒップの動きの素晴らしさ、じゃなかった不思議さをつらつらと考えてみたいのではあるけれど、それより先にちょっと不思議な話を考えてみる。

 まずは下調べ、とモンロー・ウォークで検索をかけると、例えばこんな情報がそこらかしこに見つかるのである。

<モンローウォーク/「ナイアガラ」ヒールの秘密>

 スクリーンで見るモンローの魅力のひとつにモンローウォークがあります。ちょっと赤ちゃんみたいにヨチヨチ歩く感じ。それとボディのきれいなラインと豊かなバストがちょっと揺れるアンバランス感が魅力的な歩き方。「ナイアガラ」のワンシーンで、永遠とつづく道を歩いていく後姿のロングショットで、よく見るとハイヒールの高さが左右ちょっとちがうんです。どっちかが擦り減ってるとかじゃなくて、ちゃんと演出されているんだと思うんです。だから、靴の片方にだけ中敷をいれればモンローウォークの真似ができると思いますよ。

 何と、マリリン・モンローはンローウォークのために右のヒールの高さを左のヒールより低くしていた、というのである。"Herfamous sexy walk was said to be aided by wearing very high-heeled shoes,with one heel a quarter-inch lower than the other"とか"shesawed a quarter-inch off the right heel of all her shoes to create thatswivel-hipped walk"という風に、どうやらその話は有名な話らしい。1/4インチだから、6mm程度マリリン・モンローの右のヒールは左より低い、というわけか。しかもそれは、先の「ナイアガラ」の歩くシーンを眺めれば確認することができる、というのである。

 そこで、目を皿にして、マリリン・モンローの揺れ動くお尻(じゃなかったヒール)に目をロックインさせてみたのではあるが、速いしブレるしで、全然判らないのである。そこで、その走査線の狭間に隠された真実を暴くべく、奇数フィールドと偶数フィールドを分離してみたりしたのではあるが、やっぱり判らないのである。ちなみに、下の画像がフィールド分離をした上での静止画例である。果たして、あなたは右と左のヒールの高さの違いが判るだろうか?右のヒールの方が左よりも短い、と断言できるだろうか?
 

映画"Niagara"でのモンローウォーク

 少なくともこの写真からは、私にはマリリン・モンローの右のヒールの高さが低いとは判断できない。まぁ、そもそも6mm程度の短さというのは、この動画から判断するのは無理なような気がしないでもない。

 そこで、他の判り易そうな画像をGoogleのImage Searchを使って調べてはみたが、やはり実際のところよく判らなかった。比較的判別しやすそうな下の写真を参考までに挙げておく。ぜひ、じっくり目をこらしてヒールの高さを判断してみてもらいたい。
 

マリリン・モンローのヒール

 ナイアガラなどのシーンを自分の目で眺めて、片方のヒールが短くカットしてあると判断した人は本当にいるのだろうか?巷にはモンローの片ヒールカットの伝説が溢れていて、「ナイアガラを見れば判る」とその伝説は言うのだけれど、本当のところその伝説を確かめた人がいるのだろうか?それはまさに幻の都市伝説なのではないだろうか?

 と、ここで終わってしまうといくら何でも私としても面白くないので、頭の整理も兼ねて、モンロー・ウォークの歩行模型を作ってみることにした。何しろ、映画の中にモンロー・ウォークのシーンがそれほどあるわけでもないし、それを眺めながらいろいろと考えるというわけにはいかないのである。ゆっくり動かしたり、色んな方向から眺めたりするには歩行模型を作るのが一番だろう。

 となれば、人間の歩行模型と言えばやはりコイツだろうというわけで、Poserの歩行シミュレーションを使って、ちょっと遊んでみることにした。モデルのヒールの高さ(実際には足底の厚さ)を変えてみた場合と、普通の場合とを比べてみるのである。左が普通?の場合で、右が片ハイヒールカット(マリリンモンローの場合とは反対であるが左足)の場合である。
 

Poserを使ったセクシーウォーク
普通?の場合
片ハイヒールカットの場合

 ふむふむ、確かに片ハイヒールカットの場合にはセクシー度がアップしているような気がする。なんと言うかプリップリップリップリッ…というか上品にオノマトペで言えばプリップリップリップリッ…というか(全然変わってない)、

 しかし、片ハイヒールカットをすればセクシーさが増すと言っても、実際のところマリリン・モンローのハイヒールの高さが左右不ぞろいになっているかは確認できていないのである。このままでは、砂上の楼閣ならぬ砂上のモンローウォークなのである。もしかしたら、マリリン・モンローの歩き方が特にセクシー度がアップしているのは他の原因があるのでは無いだろうか?果たして、他に可能性は無いのだろうか?それを少し考えてみることにしたい。

 マリリン・モンローは比較的ぽっちゃり型であって、もともとお尻が少し大きいように私には思われる。言い換えれば、マリリン・モンローは安産型で骨盤が広いのである(多分)。腰の横幅が広いということは、どうしても左右の水平安定性に欠ける訳で、どうしても左右の腰の高さがユラユラとゆれてしまうのに違いないと私は思う。しかも、左右の腰自体の幅が長ければ、それが揺れたときの存在感もやはり大きいわけで、骨盤の長さが長くなると二つの独立した理由によりセクシー度がアップするハズなのである。ということは、骨盤の長さの二乗に比例してそのセクシー度はアップするハズなのだ。

 そこで、そんな安産型の女性が普通に歩いた場合の後姿を同じくPoserで眺めてみることにしよう。ちなみにここでは腰の幅を10%程普通の場合よりも広くしてみた。すなわち10%アップの安産型お尻の場合である。
 

普通の女性と安産型の女性が歩いたときの後姿の比較
普通?の場合
安産型の場合

 やはりお尻部分の横幅が10%アップしている分だけ揺れるお尻の存在感もアップしている。そして、さらにはお尻の動きが少し遅れているのか、こちらも方ヒールカットの場合と同じく、通常のフリッフリッフリッフリッ…に比べてセクシーなプリップリップリップリッ…のテイストを感じざるをえない。セクシー度は10%アップどころではなくて、30%くらいはアップしているような感覚さえ受けるのである。やはり、骨盤の長さの二乗に比例してそのセクシー度はアップする説は正しいに違いないのだ。

 この歩行模型ではないけれど、マリリン・モンローの場合もやはり骨盤が通常よりも広く、ただでさえ歩くときに左右の腰の高さ、いやはっきり言えば左右のお尻の高さが大きく変わりやすく、通常のフリッフリッフリッフリッ…がセクシーなプリップリップリップリッ…に変化したのではないだろうか?方ヒール説も面白いが、この単に安産説だってとても自然だと思う。

 ところで、もちろん先の片ハイヒールカット作戦をこの安産型プリップリップリップリッ…にさらに加えてやれば、もちろんもっと効果的なセクシー歩行になるわけで、それを実際に眺めて見たい!というわけでやってみたのが、次の比較である。何と言うか、普通の場合に対しても、さらには単なる片ハイヒールカットを行った場合よりも、安産型+片ハイヒールカットでセクシー度がますますアップしているように思われる。通常のフリッフリッフリッフリッ…が見事なまでに官能的なプリップリップリップリッ…に昇華していることが判ることだろう。
 

安産型の女性がさらに片ハイヒールカットを行うと…?
普通?の場合
 

安産型の女性が
さらに
片ハイヒールカット
を行った場合

 本当のところ、今回映画や画像を眺めた範囲内では、マリリン・モンローの片ハイヒール伝説が本当なのかはよく判らなかった。「色々なことを考えている女性だった」というイメージにモンロー自身がしたかったり、あるいは周りがしたかったせいで生まれた伝説でないかとも思ったりする。もしかしたら、モンローは単にとっても安産型の女性だったせいで、あの歩き方になったのではないだろうか、とつまらなくも想像したりもする。

 とはいえ、私も浪花節の好きな日本人であるので、単なる偶然のお話でなくて「そこに隠された物語」のある方を気に入ってしまうタイプである。なので、モンローは生まれ持った安産型の体型を、つまりモデルや女優にはウィークポイントになりがちな欠点を、苦悶の末に片ハイヒール作戦によって長所へと変えて、あの有名なモンロー・ウォークを開発したとプロジェクトX(もういいかげん止めて欲しいと切に願っているのだが)風に考えておくことにしたいと思う。あぁ、何てキレイなまとめ方だろう…。

2002-11-29[n年前へ]

仮想細胞プロジェクト 

 仮想細胞プロジェクト。いつか新宿駅も電気羊の夢を見るのかな。



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