2006-10-11[n年前へ]
■そもそも経済学の「目的」って何なんですか?
「そもそも経済学の「目的」って何なんですか?」を書きました。今回は『分数ができない大学生』などの著書を持ち、元日本経済学会会長でもある西村和雄京都大学経済研究所教授に「経済学の目的」「みんなの意見」「ソフトウェアの値段」ということについて聞いてみました。
「事実上“標準ソフト”により阻害されるようなものは、所詮"小さな技術進歩"に過ぎない」というフレーズが、ふと新鮮で面白かった瞬間です。
すべてについて優秀な人がいたとしても、その人のやれる仕事はひとつだけです。1番目の人ができないことを2番目の人が…と巡っていけば、1番“できない”人だってやることがあるわけです。広く勉強をしていればね。
「ひとつ」を選ぶことが選択というものであるなら、選択肢が増えるということは、「選べない選択肢」が増えていくということでもあるんだな、とふと感じました。
2009-03-26[n年前へ]
2009-08-07[n年前へ]
■このごろ都にはやるもの
万城目学が「鴨川ホルモー 」の世界を違う筆致で描いた「ホルモー六景 」の小気味よい売り口上から。
このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。人それぞれ好みは違うでしょうが、私は「鹿男あをによし 」より、この「ホルモー」の方が、学生時代の切なく貴重な空気を感じることができてとても好きです。そして、「鴨川ホルモー」より、(各話が各所で繋がっているとはいえ)短編集な分、序盤に飽きを感じないところも良いように思えます。
「鴨川ホルモー 」を半分程度読んだ辺りで、「ホルモー六景 」を同時並行的に読むのも面白いかもしれません。
「Girls be ambitious」
何だか、少しだけ元気が出てきた。
2009-11-11[n年前へ]
■「河合隼雄」と「吉田寮」と「ボーイズラブ」
「河合隼雄―こころの処方箋を求めて (KAWADE夢ムック)」を読んでいて、「はて?」と首をかしげたのがこの部分。
それから僕は1988年に60歳になったんですが、還暦祝いに1年遊ぼうと思って京大の学生部長になったんです。京都大学には吉田寮というのがあって、みんな金も払わず名前も言わずに20年以上ずっと入っていたんですが、それを僕が学生部長になって1年半で解決したんです。このときも学生さんとよく団交なんかをやりました。その頃、確か寮費として400円/月を払っていた(が、大学が受け取らなかったので積み立てていた)ような気がする。「団交」もあったが、同時に、茶碗に日本酒が入っていた「会合」もあったような気もする。
河合捕捉計画を立てようと作戦会議を開いた。教育学部の戦闘的学友の情報提供もあって河合のスケジュールも把握できた。
ところが、戦闘的学友は闘争に忙しすぎて授業に出ておらず、河合の顔が分からないという。そもそも吉田寮生は授業にほとんど出ない。
仕方なく図書館で河合の著書を借り出し、後ろの方に載っていた著者プロフィールの顔写真をコピーして回した。ものすごく粒子の粗いコピーで、人相はよく分からない代物だった。
「おっとせい日記」 2006/08/19 土
ちなみに、もっとびっくりしたのが、かわいゆみこ「猫の遊ぶ庭 (ショコラノベルス) 」という新書。
今年K大の院に進学する織田和祐は入居予定だった下宿が取り壊されてしまい、やむなく吉田寮に住むことに。この吉田寮、過激派が住むだの、幽霊が住むだのと言われるほどの尋常ならざるところだった。寮生も変わり者ばかりで、これからの生活に不安を覚える織田だったが、そこでまるで蒸留水を飲んで育ったかのような涼やかな青年と出会う。寮内で唯一まともそうなその青年、杜司篁嗣にすっかり魅せられ、親しくなろうと必死になるが…。ノンケも非ノンケも普通にいたと思うが、こんな本が出ていて、偶然作者「かわいゆみこ」の名字が同じ「かわい」だということが、何だか河合隼雄ならぬユング心理学のシンクロニシティっぽく新鮮で面白い。
2010-03-29[n年前へ]
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