2007-07-25[n年前へ]
2008-08-21[n年前へ]
■「姉を慕い続けた少年ジャック」
2008年7月19日(土)の朝日新聞、「うたの旅人」はとても興味を惹かれた。ペギー葉山の「爪」を題材に、演出家・作家の久世光彦のことを書いた記事だ。
「もう、向田さんのことを言ったり、書いたりするのをやめよう」とつぶやくのを聞いた。06年、急逝した年だった。
「久世はやはり深爪で、裸足が好きでした。おしゃれで気の利いたお姉さんのような向田さんの影響をいっぱい受けてます。きっと心配りの仕方や好みまでまねていたのだと思います」一時期、向田邦子や久世光彦が書いた本、向田邦子や久世光彦に関する本を見つけるたびに読んだ。
向田さんの、一目会った人を虜にしてしまう人たらしぶりは伝説に近い。…久世さんもまた、接した相手の心をつかむ人だった。かけられた言葉をずっと宝物のように覚えている編集者や書評家も少ないくない。
「演出家として身に付いた癖なのよね。演出家は、出演者の一人ひとりを、違う言葉で口説き落とす仕事だから」
「私は、少なくともあの一夜だけは、あの人を愛していたのだと思う」
「久世ちゃんは、度を超すくらい好きだったんだと思うよ」
「だからこそいつまでたっても思いきれない人なのかもしれない」
2010-02-09[n年前へ]
■「恋愛旅人」と「頁の折り目」
角田光代 「恋するように旅をして 」(旧題「恋愛旅人」)から。
小学校の高学年が一、二年で学ぶことを、二十歳をすぎた私は十年以上かけて学びつつある。アジアとヨーロッパの区別。大陸の区別。そこで生産される製品と、そこで生きる人々。人々の持つ歴史と、彼らの食べる日常食。差別ということ。和解ということ。
古本で「恋するように旅をして 」を買い、列車の中で頁をめくる。読み進めていると、端に折り目のある頁が、いくつかあった。
私の前にこの本を読んで、頁の端を折った誰かは、一体どの言葉に惹かれたのだろう。頁の端っこをどちらの面に向けて折り、そして、どの言葉を記憶しておこうと思ったのだろうか。
本を読みながら誰かが感じたことの痕跡が、頁を折った跡の向こうに見える。その人の感じた道のりを、ふと辿ってみたくなる。その気持ち・心の動きは、少し、恋愛に似ている。
2010-12-13[n年前へ]
■雨の日も、風の日も。
「そう 行かなくちゃ。このバスに乗れば間に合うはず」から始まる、くるりの「Jubilee」
「次は何をしよう?」「次はどこへ行こう?」と思いながらバス停に座りながら、そんな歌を聞く。
人はそれぞれのライフ、
新しい場所を探して。
「歓び」とは、
誰かが去るかなしみを、
胸に抱きながら、
あふれた一粒の雫なんだろう。
雨の日も 風の日も、
なんで僕は 戻らないんだろう。
くるり 「Jubilee」
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