2009-09-20[n年前へ]
■「映画版長編アニメ」と「グランドツアー」
かつてイギリスの裕福な家に生まれた若者たちは、大人になる儀式として「グランドツアー(Grand Tour)」に出たという。その長い旅行で使われた馬車の略称は、現代の日本でも"GT"という(車の)略称として残っている。
春休みや夏休みには、日常を描いたTVアニメが長編映画として公開されることが多い。そうした映画を見ると、「グランドツアー」を連想してしまう。なぜなら、これまで慣れ親しんだ日常世界から遠く離れ、異世界に混じり試練を乗り越えて大人になりつつ、元いた場所に戻る…という「物語」が多いような気がするからだ。それは、やはり少し「グランドツアー」に似ているように思う。
もといた場所に戻らない「グランドツアー」があるとしたら、それは一体どんなものだろうか。それは、たとえば、 惑星間グランドツアーと呼ばれた無人探査船「ボイジャー」のようなものなのかもしれない。
映画を見た観客も、スタッフロールが流れた後には必ず日常に戻る。もしも、今も宇宙空間を先へ先へと進み続けるボイジャーのように、決して日常生活には戻らない「グランドツアー」映画、観客を二度と帰さない映画版長編アニメがあったたとしたならば、そんな映画を見てみたいと思うものだろうか?それとも、そんな映画は見たくないと思うものだろうか。
2010-01-22[n年前へ]
■(ただの夢でも)いいやないの。夢はタダなんだし。
映画 「デトロイト・メタル・シティ 」から。
(ただの夢でも)いいやないの。夢はタダなんだし。現実は厳しいし、誰でも夢が叶うわけじゃない。でも、誰でも夢を見る事だけは自由でしょ。
夢って凄いよ。
それを思うだけで勇気が出て、一歩前へ進んで行ける。
2010-01-30[n年前へ]
■よく知っている物事からスタートすれば…
リチャード ウィリアムズ「アニメーターズ・サバイバルキット 」の最後の頁から。
よく知っている物事からスタートすれば、知らなかった物事が明らかになってくるものだ。アニメーションを作る、アニメーター向けの本を読んでいると、私たちが認識する「世界」とはどういうものであるか、ということを少しだけわかるような気がする。言いかえれば、私たちにとっての世界というものが、一体どんな姿をしているのかを改めて認識することができるように感じる。
レンブラント、1606-1669年
本書は「教科書」というのはこういうものだ、「教科書」を作るというのはこういうことだ、ということを教えてくれる。
アカデミー賞をトリプル受賞した映画『ロジャー・ラビット(Who Framed Roger Rabbit)』のアニメーション監督が自ら解説する、実用的なアニメーション制作マニュアルの決定版。本書は、アメリカおよびヨーロッパ各国で、ウォルト・ディズニー社、PIXAR社、DreamWorks社、Blue Sky社、Warner Bros社のアニメーターたちが参加した「アニメーション・マスタークラス」に基づく内容だ。ウィリアムズは、初心者からエキスパートまで、あるいは古典的な手描きアニメーターからCGアニメの名手まで、すべてのアニメーターが必要とするアニメーションの基本原則を提供してくれる。
2010-02-01[n年前へ]
■「しゃべり過ぎの時代」と「いしぶみ」
映画「おくりびと [DVD] 」のモチーフにも使われた、向田邦子の「男どき女どき 」に収録されている「無口な手紙」から。
現代は、しゃべり過ぎの時代である。
昔、人がまだ文字を知らなかったころ、遠くにいる恋人へ気持ちを伝えるのに石を使った、と聞いたことがある。男は、自分の気持ちにピッタリの石を探して旅人にことづける。受け取った女は、目を閉じて掌に石を包み込む。
2010-04-24[n年前へ]
■気持ちがちょっとわかったような気がするかもしれない
映画の予告編は面白さが詰まっている。少なくとも、興味を感じさせる予告編でなければ、本編を見てもらえないのであるから、当たり前である。
今、気になっているのが「ตัวอย่างหนัง สาระแนสิบล้อ : Saranae Siblow」という映画である。ふと眺めた予告編には不思議なくらいバリエーションに富んだシーンが詰まっていて、目が離せなくなってしまったのだ。本編を見ることができないから、せめて、その感想を眺めてみようと思って読んでみると、これがまた面白そうな感想が書いてある。
何かこの映画を観た後に、道にたむろってる赤組の人たちやら、バイクに旗立てて爆走してる赤組の人たちを見ていると、あぁ~この映画を観た今なら、この赤組の、このスットコ野郎どもの気持ちが、ちょっとはわかったような気が(中略)しちゃったのかもしれない・・・・と延々と考え込んでしまった。この「赤組」は、赤シャツを着た「タクシン派」とも呼ばれた人たちである。何だか、本編を通して眺めてみたくなる。
いやこれはもしかしたら良い意味でタイ人をわかる映画なのかもしれない・・・
少しでもクスリと笑えたら・・・あなたも赤組に交じる事出来ると思いますよ~。
遂にタイ国非常事態宣言!「สาระแนสิบล้อ」~笑えない所が笑い所?タイ人民度測定コメディ