2000-06-29[n年前へ]
■オッパイ星人の力学
胸のヤング率編
本WEBサイトは「技術系サイト」というジャンルに分類されることが多い。が、実際にはどうも変な話題も多いように思う。しかし、私の観察によれば技術系サイトと呼ばれるところには必ずこの手の話が転がっているのである。実際、究極の技術系サイトの「Fast&First」でもというような素晴らしい話題はいっぱいあるし、同様に至高の技術系サイトである「今日の必ずトクする一言」の中でもという絶品の作品達が飾られている。
いや、つまり何が言いたいのかというと、変な話を書いてしまったことを正当化したいのである。技術系サイトには「とても身近なナゾ」への探求話が欠かせないのだから、変な話を書いたけど、勘弁しておいて欲しい、と言いたいのである。間違ってもエロサイトには分類して欲しくないのである。さて、どんな話かは下を読んで頂くことにして、もう少し言い訳を続けたい。何と言うか、この話を書き終えて何故か言い訳なしにはWEBに出せないような気持ちに、私はなっているのである。いっそのこと、この話は封印しようかとも考えた。しかし、先に示したように究極・至高の技術系サイトにもこういった?類の話があることに勇気付けられ、せっかくなので公にしてみることにした次第である。
以前、
で「できるかな?」読者の好みを調べてみた。それがこの下の円グラフである。この円グラフから引っ張った部分は「エロ」である。これは、「IO = アイオー」ではない。「エロ= えろ=すけべぇ」である(前にも書いたけど)。 かように、「エロ」に興味を持つ人は多い。例を挙げるならば、「オッパイ星人」という言葉があるくらい、男の中には女性の胸に興味を持つ人が多い。私の友人の中には、ことあるごとに「おぉっ!!」と言いながら、通り過ぎる女性の胸を眺めるような輩までいるのである。しかもメガネをポケットからすばやく取り出し、サッとメガネをかけながら眺めるのである。まるで、ウルトラマンのセブンに変身する瞬間のモロボシダンなのである。「ウルトラセブンか、オマエは!」とか「モロボシダンがオッパイ星人に変身してどないすんねん!」と突っ込みたくなるほどである。
とりあえずこういう「オッパイ星人」のために、今回は「オッパイ星人の力学」について考えてみたい。具体的には、「バスト(なんか気恥ずかしいので言葉を変えた)の力学」について考えてみることにした次第である。
それでは、バストの力学について考え始めることにしよう。今回は、まずバストの基礎特性を調べ、次回にその運動力学について考えてみる予定である。
最初に、基本的な知識からだ。TVを観ていると、よく「Fカップアイドル」というような言葉を聞く。その言葉はよく耳にするのだが、実際のところその意味は知らなかった。そこで、調べてみると、ブラジャーのカップサイズは次の表のようにして決まるという。
カップ | AAA | AA | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K |
アンダーバストと トップバストとの差 | 5.0 | 7.5 | 10 | 12.5 | 15 | 17.5 | 20 | 22.5 | 25 | 27.5 | 30 | 32.5 | 35 |
胸のバスト直下の部分の胸囲 = 「アンダーバスト」と、バスト部分の胸囲= 「トップバスト」の差からブラジャーのカップサイズが決まるわけだ(って今知っただけの知ったかぶりだけど)。Kカップなんてのもあるなんて驚きである。いやぁ、知らなかった。
しかし、「アンダーバストとトップバストとの差」が判っただけではバストの力学について考えるのは難しい。もう少し、取り扱いやすい量に変形させたい。そこで、次のような図を考えてみた。これは「胸部の断面図」である。上方向が人の前面方向である。
バストを「半球状の物体」と仮定して、その「半球の半径 = r」を計算したいのである。そうすることで、バストの形状を計算しやすくなるのである。現実問題としては、バストがそうそう「半球状の物体」になるわけはないだろう。しかし、今回はとりあえず理想のドーム形状のバストを計算してみる、ということで許してもらいたい。
さて、上の極めて大雑把な近似をしまくりの図を見て頂くと判るように、
アンダーバスト = 4r + 4r + 2 胸のベース部分の厚さであり、
トップバスト = 2 r + 2 π r/2 + 4r +2 胸のベース部分の厚さである。したがって、
「アンダーバストとトップバストとの差」 = ( 2 r+2π r/2+4r+2胸のベース部分の厚さ)と計算してやることができる。そのようにして、計算した「胸のカップ数とr(cm)」を示したものが下の表である。ただし、実際には胸囲はそもそも下へ行くほど小さくなっているだろうから、アンダーバストはトップバストよりも胸のベース部分が35%小さいとして計算してみた。
- ( 4r+4 +2胸のベース部分の厚さ )
=2 r+2πr/2-4r
カップ | AAA | AA | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K |
r | 2.8 | 4.3 | 5.7 | 7.1 | 8.5 | 10 | 11 | 13 | 14 | 16 | 17 | 19 | 20 |
これをグラフにしたものを下に示す。ほぼ直線的にバストのサイズが増加しているのが判ると思う。
例えば、AAAカップだと半径2.8cmの半球状の物体だ。まるで、スーパーボールである。これなら、ブラジャーはいらないだろう。それが、Kカップともなると半径20cm程になる。ちょうどメロンを半分に切った感じだろうか?これはかなり、デカイ。
このr(cm)さえ計算できれば、あとは物体形状も体積もわかる。体積が判れば、当然のごとく重さも計算することができる。というわけで、次は重さについて考えてみよう。何しろ、バスとの運動力学を考えるならば、どの程度の質量を持つかどうか考えることは避けて通れないのである。
バストのほとんどの部分を占めるのはきっと脂肪だろう。脂肪の密度は水とほぼ同じだろう。そこで、脂肪の比重が1g/cm^3であるとして計算してやると、「胸のカップ数と胸一個あたりの重さ(g)」は以下のように計算することができる。(実はこの計算には後の松坂季美子の胸の重さに合わせるための定数、季美子定数を乗してある。)
カップ | AAA | AA | A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K |
胸一個あたりの重さ(g) | 8.9 | 30 | 71 | 140 | 240 | 382 | 570 | 810 | 1100 | 1500 | 1900 | 2500 | 3100 |
なんと、Kカップでは「胸のカップ数と胸一個あたりの重さ(g)」が3000g= 3kg程もあるのだ。新生児が二人胸にぶら下がっているのである。この数字がホントなら大変な話だ。肩に負担がかかりんまくりである。1.5リットルのペットボトルを4本も胸にぶら下げているのだから、これは大変だ。なるほど、ブラジャーは必需品である。
上の表をグラフにしたものが下である。
バストの質量は体積に比例する、すなわち、バストのサイズ( =長さ )の二乗に比例する。そこで、このような形状のグラフになるわけである。このグラフを眺めていると、Dカップ辺りを境にして、それより大きくなると胸や肩にかかる負担がシャレにならないくらいの大きさになると推測される。
ところで、地表にいる限り、当然バストも重力の影響を受ける。いや、むろん地表でなくても重力の影響は及ぼされるわけだが、そういう話は今回はおいておく。とりあえず、六本木を歩いている彼女も、ロサンゼルスにいる彼女も重力の影響を受けるのである。重力を受ければ、当然バストは重力で引っ張れる方向に垂れ下がってしまう。その様子を示したのが、次の図である。ここでは、「胴体から垂れ下がるバスト」を単純に「重りとバネで表すことができるモデル」だとしてみた。
さて、一般的にバネの特性はフックの法則により
ここまで来れば、あともう一歩である。この式のkすなわち「バストに関するヤング率」を調べるだけである。「バストの垂れ具合」と「バストの重さ」を同時に計ってやれば良いのである。そうすれば、残るただ一つの変数、「バストに関するヤング率」を計算することができる。いやぁ、簡単、簡単....
といっても、実際のところここが一番苦労した。「バストの垂れ具合」と「バストの重さ」を同時に計らせてくれる人なんかどこにもいないのである。当たり前である。
そこで、ネットで検索をかけまくること数時間、ついに私は見つけたのだ。
そして、その質量 一個1kg!」
科学の徒として、私が丁寧に観察した結果、松坂季美子の「バストの垂れ具合」は約10cmであることがわかった。いや、もちろん科学の探究心のためであって、それ以外の気持ちはなかったことをここに誓っておこう。
その苦労の結晶のデータが、
- 松坂季美子はGカップ、バストの重さ=1kg、バストの垂れ具合10cm
この境界条件さえあれば、「バストに関するフックの法則」を完全に解くことができて、「バストに関するヤング率」も導き出すことができるのだ。ちょちょいのちょい、である。
その「バストに関するヤング率」を用いて計算してみた「胸のカップ数とバストの垂れ具合(cm)」を次に示してみる。
バストの「カップ」サイズの三乗に比例して、「バストが垂れていく様子」がよくわかると思う。この物理形状は「カップ」サイズに比例して、「バストの垂れ具合」は「カップ」サイズの三乗に比例するというデータを用いることにより、「究極のバストサイズ」を導き出せるのではないか、と私は考えているのである。が、それはまたいつかの話題と言うことにして、話を続けたい。
ところで、「バストに関するヤング率」は常に一定ではない。「おばあちゃんの垂乳根」を想像して頂けばわかるように、年をとれば「バストの垂れ具合」は大きくなるのである。
というわけで、さっきの計算結果をもっと若い条件、すなわちもっとヤングなヤング率で計算してみたのが次のグラフである。
赤のもっとヤングなヤング率で計算してみた場合には、バストには張りがあって、バストの垂れ具合は小さいことがわかると思う。
さて、今回はバストの基礎特性を調べてみた。次回、この「バストに関するフックの法則」を用いて、「オッパイ星人の動力学」について考えてみたい、と思う。
追伸 : この話を書き上げた後に、恐る恐る回りの人に感想を聞いてみた。すると、
と言われてしまいました。ハイ、申し訳ありません。その通りでございます。返す言葉もありません。「こんなの作るくらいなら、
男の人のヤング率でも計算しなさいよ。」
2004-11-07[n年前へ]
■「コーラの科学」と「ナニワのオカン」
「沈むコーラ」と「浮かぶコーラ」
「水槽に沈むコーラ」と「水に浮かぶダイエット・コーラ」
今年の夏はずいぶんと暑く、真夏日が一月以上続いた。そのため、ソフト・ドリンク類の売り上げが昨年の二倍近く売れたコンビニなども多かったようだ。家の近くのコンビニで、汗をかいた後に、スポーツ飲料や冷たいビールを買って、そしてゴクゴクと飲み干していた人たちも多かったかもしれない。あるいは、夏のキャンプ先で、川の畔の水中にドリンクの缶を沈め、いつの間にかキリリと冷えたビールやジュースを味い楽しんだ人たちもいることだろう。それとも、夏祭りの夜店の水槽の中に沈んでいるジュースを買ってもらって飲んだ子供たちも多いだろうか。
ところで、「川の水や夜店の水槽の中にドリンクの缶を沈めて、ドリンク缶を冷やした」と何気なしに書いた。しか、し「水槽の中にドリンクの缶を沈めて」というからには、当然ドリンク缶は水よりも重いということになる。ドリンクの缶が水の中でブクブクと沈んでいるからには、それらの缶というものは水に浮かぶことができない「カナヅチ」でなければならないはずである。とはいえ、「カナヅチ」でなければならないはずとは思うのだが、それを確認したことはない。そこで、試しにダイエーで買ったダイエー・コーラの350ml缶(写真中の赤い缶)を洗面台で水中に入れてみると、ブクブクと確かに水底に沈んでいる。…なるほど、コーラ缶はどうやら水より重い「カナヅチ」のようだ。
ところが、よくよくこの写真を眺めてみると、その横でプカプカと水面に顔を出して浮かんでいる別のコーラ缶がいることがわかるハズだ。そう、コーラ缶は水の中に沈んでいるのに、なぜかダイエット・コーラの缶(手前の白い缶)は水に浮かんでいるのである。つまり、ダイエット・コーラの350ml缶はナント水よりも軽いようだ…?実験に使った缶は(私がビンボーなので…)ダイエー・ブランドの一本40円ナリのコーラだったが、由緒正しい米国コカ・コーラで実験したようすや、その解説などもあって、やはり一般的にコーラ350ml缶は水に沈むのに対して、ダイエット・コーラ缶350mlは水に浮くようである。何故に普通のコーラ缶は沈み、ダイエット・コーラ缶はプカプカと浮くのだろうか?
350mlコーラ缶の「浮き沈み」を計算してみよう!
その謎を探るため、とりあえず「コーラ缶350mlの水中における重さ」を計算してみることにしよう。そこで、まずはコーラの350ml缶を定規で測ってみると、ドリンクが入っている部分の高さは大雑把に114mmだった。そして、直径は大体64mmである。ということは、350mlコーラ缶の体積は
π×半径 (65mm / 2) ×半径 (65mm / 2)× 高さ (115mm) ≒ 375 cm3となり、およそ 375 cm3 程度であることがわかる。350ml缶というくらいだから、おそらく缶の中に入っているコーラは350~355ml(12 オンス)だろう(ちなみに、米国からの輸入品であるダイエーのコーラ缶には、内容量は355mlと書いてあった)。そして、缶の中の差し引き375- 350~355 ml ≒ 20~25mlの空間には炭酸ガスや窒素などが入っているのだろう。ということは、つまりコーラが入った350ml缶は全体として20~25gの浮力を受けることになる。
また、アルミ缶自体の重さはおよそ16gほどだという。アルミの比重は2.7g/cmだから、体積は5.9cm3である。同体積の水の重さが5.9gだから、16gのアルミは当然5.9gの浮力を受ける。ということは、水中でのアルミ部分は差し引き、アルミの重さ(16g)? アルミの体積が受ける浮力(5.9g) = 10.1gほどの重さになっていることになる。つまり、アルミ缶は10gほどの「重し」を外殻としてまとっているわけである。
さて、すると残りの肝心のコーラの液体自体の重さはどの程度になるのだろうか? それは簡単、なぜならコーラは結局のところ、「砂糖水」である*1。原材料の表示は「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン」となっているが、つまりはほとんどが糖類である。何しろ、350mlのコカ・コーラには35gもの量の糖分が溶け込んでいるのである(コカ・コーラのライバル「ペプシ・コーラ」の場合には、40gほどにもなる)。砂糖(糖分)が水に溶け込んでも水溶液の体積はほとんど変わらないから、実質この砂糖(糖分)の重さ35gだけ「350ml缶の中にあるコーラの液体自体の重さ」は水よりも重いことになる。
つまり、コカ・コーラの350ml缶は、水と比べると
- 缶の中の空き体積分の浮力:20~25g
- アルミ部分:10g
- コーラの液体(に溶け込んでいる糖分):35g
*1
余談になるが、かつて「砂糖水を売って一生を終える気か」という口説き文句により、ペプシ・コーラ社長だったジョン・スカリーがアップル・コンピュータの社長に引き抜かれたのは有名な話である。
ダイエット・コーラの秘密
おやおや? それならば何故ダイエット・コーラがプカプカと水に浮いていたのだろうか?まさか、「ダイエット・コーラはダイエットしたコーラやろ?ダイエットしたんやったら、その分軽くなるやん?」なんて自分本位で超感覚的、つまりは「ナニワのおかん」的な意見を言う人はいないだろう。「何でコーラがダイエットすんねん!?」なんである。「何でコーラがダイエットしたら浮かなアカンねん!?」なのである。というわけで、ナニワのおかんはとりあえず無視して、私たちは科学的に考え・調べてみることにしよう。
とりあえず、ダイエット・コーラの原材料を眺めてみる。すると、「カラメル色素、酸味料、甘味料(アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)、香料、保存料(安息香酸Na)、カフェイン」というように書いてあることがわかる。つまり、通常のコーラでは「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)」であったものが、ダイエット・コーラの場合には人工甘味料の「アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース」に変わっているわけだ。
アスパルテームは1966年に甘味料として注目され始め、そして1982年に「味の素」が製造特許*2をとった人工甘味料である。アスパルテームは砂糖の150倍もの甘味を持っている。そして、アセスルファムKは1967年に生み出された人工甘味料で、なんと砂糖の200倍もの甘味度がある。甘味度というのは「砂糖と同じ甘さ」を感じさせるためには、水溶液中に「(砂糖と比べて)どの程度の重さ」の甘味料を溶かさなければならないか、ということを示している。だから、甘味度が150~200ということは、「同じ甘さを感じさせるためには、(砂糖に比べて)甘味料の重さが150~200分の1ですむ」というわけである。つまり、通常のコーラで必要だった35gの砂糖が、アスパルテームやアセスルファムKといった人工甘味料を使えば、
35g / 150~200 ≒ 0.18~0.23というわけで、たったの0.18~0.23gですむのである。ということは、結局のところ通常のコーラに溶け込んでいる糖分の重さと、ダイエット・コーラに溶け込んでいる人工甘味料の重さはずいぶんと違うことがわかる。
*2
この特許は発明対価の22億円を巡って、「味の素」と元社員の間で係争中である。今年2月の東京地裁での判断は1億9千万円を元社員に支払うようにというものだったが、さらに控訴されているため、決着にはまだ時間がかかりそうだ。
実は正しかった「ナニワのおかん」 恐るべき野生の感覚!?
ということは、ダイエット・コーラの350ml缶は、水と比べてみると
- 缶の中の空き体積分の浮力:20~25g
- アルミ部分:10g
- ダイエット・コーラ(に溶け込んでいる糖分):0.2g
0.2 g + 10g - (20~25g) ≒ - 10~-15gとなる。つまり、なんと同体積の水より10~15gも軽いことになるのである。だから、ダイエット・コーラの350ml缶を水の中に入れると、当然のごとくプカプカと浮いてきてしまうわけである。一言で言えば、通常のコーラが「溶け込んでいる砂糖(糖分)」の重みでブクブク…と水の中に沈んでいってしまったのに対して、ダイエット・コーラの場合はダイエットのために砂糖をカットして人工甘味料を使ったため、砂糖(糖分)の重さ分軽くなって、プカプカと水に浮いたのである。
…ん?砂糖を「ダイエットのため」にカットしたら、「その分軽くなって」浮いた…? そう、ナニワのおかんの「ダイエット・コーラはダイエットしたコーラやろ?ダイエットしたんやったら、その分軽くなるやん?」ニいう(一言で言えば)ワケのわからない超ヘリクツは実は見事なまでに正しかったのである。恐るべきは「ナニワのおかん」の野生の本能だ。私たちが、「コーラの糖分をアスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロースに置き換えた分…」なんて長々しく考えて計算するところを、何にも考えずに知性でなく直感だけで「ダイエットしたから、そら軽くなるやろ」と言い放つのだから…。恐るべき、(年を召された)女性の本能だ…。 _|‾|○
とはいえ、えてしてナニワのおかんは、ダイエット・コーラではなくて35gもの砂糖(糖分)が入っている通常のコーラをガブ飲みし、まるで「水にブクブクと沈むコーラ缶」のようにブクブクと肥えていたりする。「コーラよりアンタがダイエットせなあかんちゃうんか!」とも思ったりはするのだが…。
実は日本のコカ・コーラの350ml缶はプカプカ浮かぶ…!?
ところで、経済事情(一言で言えば私がビンボーだから)により、今回はコカ・コーラでなく、ダイエーで売っていた一本40円の米国産コーラとダイエット・コーラを使って実験をしてみた。しかし、それだけではどうかと思ったので、(大枚払って)一本だけ日本コカ・コーラの350ml缶を買って洗面台で水中に沈めてみた。…いや、沈めてみようとしたのである。ところが、日本コカ・コーラの350ml缶(右手前の赤い缶)は全然沈まずにプカプカ浮かんでばかりなのだ(右の写真)。ダイエー・コーラ(奥の赤い缶)と日本コカ・コーラ(手前右)の違いと言えば、ダイエー・コーラが355mlの内容量で、(米国コカ・コーラと違って)日本コカ・コーラが350mlであるということ、つまり(容器の容量が同じであるとするならば)浮力が日本コカ・コーラの方が5g大きく浮きやすいということと、(表示カロリーから予想すると)ダイエー・コーラの方が3g程度砂糖(糖分)の使用量が多くその分沈みやすいということである。もちろん、少し容器の体積も違う。それらは微妙な違いに過ぎないが、その微妙な違いにより日本産コカ・コーラは米国産コーラと違って水に沈まずに浮かぶのかもしれない…。
ところで、この「水に浮かぶダイエット・コーラと沈むコーラ」ではないが、コーラ一つとってみても色々な科学を知ることができる。キャンプ先の川辺や夜店の水槽の中に沈んでいるジュース缶の中には、「沈むコーラの350ml缶」から「人工甘味料の化学」や「浮力という物理」や「ナニワのおかんのスゴさ」が詰まっている。日常で目にする景色の中には、色んな科学の入り口が潜んでいる。街中には数限りない面白い謎が満ちあふれている。