hirax.net::Keywords::「直径」のブログ



2004-09-04[n年前へ]

色んなもので「くらべてみよう!」 

 テレビでよく「東京ドーム5杯分の」や「2万立方メートルの土砂が」などという表現を耳にする。そんな、比較を高さや長さ・距離や重さや面積、ありとあらゆるもので比較してみることができる「くらべてみよう!」適当に数字を入れたりすれば、あとはJavaScriptがガシガシと計算してくれる。

 例えば、「奈良の大仏の重さは小錦1,382人分」「地球の直径は万里の長城の長さの4.8倍」「琵琶湖の容積は350ml缶ジュースの78,571,428,571,429本分」

2004-10-09[n年前へ]

アクセサリサイズのハンディレフ板 

i-Shop Shokodo 直径20cmの丸レフ板。折りたためば、アクセサリサイズになるネックストラップ付きハンディレフ板。送料込み240円なら、買って損は無いかも。モノは「写るんですモデル撮影セット」に付いているものと同じ、ですね。

2004-11-07[n年前へ]

「コーラの科学」と「ナニワのオカン」 

「沈むコーラ」と「浮かぶコーラ」

「水槽に沈むコーラ」と「水に浮かぶダイエット・コーラ」

 今年の夏はずいぶんと暑く、真夏日が一月以上続いた。そのため、ソフト・ドリンク類の売り上げが昨年の二倍近く売れたコンビニなども多かったようだ。家の近くのコンビニで、汗をかいた後に、スポーツ飲料や冷たいビールを買って、そしてゴクゴクと飲み干していた人たちも多かったかもしれない。あるいは、夏のキャンプ先で、川の畔の水中にドリンクの缶を沈め、いつの間にかキリリと冷えたビールやジュースを味い楽しんだ人たちもいることだろう。それとも、夏祭りの夜店の水槽の中に沈んでいるジュースを買ってもらって飲んだ子供たちも多いだろうか。

 ところで、「川の水や夜店の水槽の中にドリンクの缶を沈めて、ドリンク缶を冷やした」と何気なしに書いた。しか、し「水槽の中にドリンクの缶を沈めて」というからには、当然ドリンク缶は水よりも重いということになる。ドリンクの缶が水の中でブクブクと沈んでいるからには、それらの缶というものは水に浮かぶことができない「カナヅチ」でなければならないはずである。とはいえ、「カナヅチ」でなければならないはずとは思うのだが、それを確認したことはない。そこで、試しにダイエーで買ったダイエー・コーラの350ml缶(写真中の赤い缶)を洗面台で水中に入れてみると、ブクブクと確かに水底に沈んでいる。…なるほど、コーラ缶はどうやら水より重い「カナヅチ」のようだ。水に浮かぶコーラと沈むダイエットコーラ

 ところが、よくよくこの写真を眺めてみると、その横でプカプカと水面に顔を出して浮かんでいる別のコーラ缶がいることがわかるハズだ。そう、コーラ缶は水の中に沈んでいるのに、なぜかダイエット・コーラの缶(手前の白い缶)は水に浮かんでいるのである。つまり、ダイエット・コーラの350ml缶はナント水よりも軽いようだ…?実験に使った缶は(私がビンボーなので…)ダイエー・ブランドの一本40円ナリのコーラだったが、由緒正しい米国コカ・コーラで実験したようすや、その解説などもあって、やはり一般的にコーラ350ml缶は水に沈むのに対して、ダイエット・コーラ缶350mlは水に浮くようである。何故に普通のコーラ缶は沈み、ダイエット・コーラ缶はプカプカと浮くのだろうか?

350mlコーラ缶の「浮き沈み」を計算してみよう!

 その謎を探るため、とりあえず「コーラ缶350mlの水中における重さ」を計算してみることにしよう。そこで、まずはコーラの350ml缶を定規で測ってみると、ドリンクが入っている部分の高さは大雑把に114mmだった。そして、直径は大体64mmである。ということは、350mlコーラ缶の体積は

π×半径 (65mm / 2) ×半径 (65mm / 2)× 高さ (115mm) ≒ 375 cm3
となり、およそ 375 cm3 程度であることがわかる。350ml缶というくらいだから、おそらく缶の中に入っているコーラは350~355ml(12 オンス)だろう(ちなみに、米国からの輸入品であるダイエーのコーラ缶には、内容量は355mlと書いてあった)。そして、缶の中の差し引き375- 350~355 ml ≒ 20~25mlの空間には炭酸ガスや窒素などが入っているのだろう。ということは、つまりコーラが入った350ml缶は全体として20~25gの浮力を受けることになる。

 また、アルミ缶自体の重さはおよそ16gほどだという。アルミの比重は2.7g/cmだから、体積は5.9cm3である。同体積の水の重さが5.9gだから、16gのアルミは当然5.9gの浮力を受ける。ということは、水中でのアルミ部分は差し引き、アルミの重さ(16g)? アルミの体積が受ける浮力(5.9g) = 10.1gほどの重さになっていることになる。つまり、アルミ缶は10gほどの「重し」を外殻としてまとっているわけである。

 さて、すると残りの肝心のコーラの液体自体の重さはどの程度になるのだろうか? それは簡単、なぜならコーラは結局のところ、「砂糖水」である*1。原材料の表示は「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン」となっているが、つまりはほとんどが糖類である。何しろ、350mlのコカ・コーラには35gもの量の糖分が溶け込んでいるのである(コカ・コーラのライバル「ペプシ・コーラ」の場合には、40gほどにもなる)。砂糖(糖分)が水に溶け込んでも水溶液の体積はほとんど変わらないから、実質この砂糖(糖分)の重さ35gだけ「350ml缶の中にあるコーラの液体自体の重さ」は水よりも重いことになる。

 つまり、コカ・コーラの350ml缶は、水と比べると

  • 缶の中の空き体積分の浮力:20~25g
  • アルミ部分:10g
  • コーラの液体(に溶け込んでいる糖分):35g
の35g + 10g - (20~25g) ≒ 25~20gだけ、同体積の水より重いことになる。なるほど、水の中にコーラの350ml缶を入れれば、これならば確かにブクブクと沈んでいくに違いない。「川の水や夜店の水槽の中にドリンクの缶を沈めて、ドリンク缶を冷やした」という真夏の経験は見事に科学によって裏付けられたわけである。つまり、コーラの甘さを作り出している糖分が「重し」となって、コーラの350ml缶は水に沈むのである。

*1
 余談になるが、かつて「砂糖水を売って一生を終える気か」という口説き文句により、ペプシ・コーラ社長だったジョン・スカリーがアップル・コンピュータの社長に引き抜かれたのは有名な話である。

ダイエット・コーラの秘密

 おやおや? それならば何故ダイエット・コーラがプカプカと水に浮いていたのだろうか?まさか、「ダイエット・コーラはダイエットしたコーラやろ?ダイエットしたんやったら、その分軽くなるやん?」なんて自分本位で超感覚的、つまりは「ナニワのおかん」的な意見を言う人はいないだろう。「何でコーラがダイエットすんねん!?」なんである。「何でコーラがダイエットしたら浮かなアカンねん!?」なのである。というわけで、ナニワのおかんはとりあえず無視して、私たちは科学的に考え・調べてみることにしよう。

 とりあえず、ダイエット・コーラの原材料を眺めてみる。すると、「カラメル色素、酸味料、甘味料(アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)、香料、保存料(安息香酸Na)、カフェイン」というように書いてあることがわかる。つまり、通常のコーラでは「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)」であったものが、ダイエット・コーラの場合には人工甘味料の「アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース」に変わっているわけだ。

人工甘味料の分子構造
アスパルテーム
アセスルファムK

 アスパルテームは1966年に甘味料として注目され始め、そして1982年に「味の素」が製造特許*2をとった人工甘味料である。アスパルテームは砂糖の150倍もの甘味を持っている。そして、アセスルファムKは1967年に生み出された人工甘味料で、なんと砂糖の200倍もの甘味度がある。甘味度というのは「砂糖と同じ甘さ」を感じさせるためには、水溶液中に「(砂糖と比べて)どの程度の重さ」の甘味料を溶かさなければならないか、ということを示している。だから、甘味度が150~200ということは、「同じ甘さを感じさせるためには、(砂糖に比べて)甘味料の重さが150~200分の1ですむ」というわけである。つまり、通常のコーラで必要だった35gの砂糖が、アスパルテームやアセスルファムKといった人工甘味料を使えば、

35g / 150~200 ≒ 0.18~0.23
というわけで、たったの0.18~0.23gですむのである。ということは、結局のところ通常のコーラに溶け込んでいる糖分の重さと、ダイエット・コーラに溶け込んでいる人工甘味料の重さはずいぶんと違うことがわかる。

*2
この特許は発明対価の22億円を巡って、「味の素」と元社員の間で係争中である。今年2月の東京地裁での判断は1億9千万円を元社員に支払うようにというものだったが、さらに控訴されているため、決着にはまだ時間がかかりそうだ。

実は正しかった「ナニワのおかん」 恐るべき野生の感覚!?

 ということは、ダイエット・コーラの350ml缶は、水と比べてみると

  • 缶の中の空き体積分の浮力:20~25g
  • アルミ部分:10g
  • ダイエット・コーラ(に溶け込んでいる糖分):0.2g
0.2 g + 10g - (20~25g) ≒ - 10~-15g
となる。つまり、なんと同体積の水より10~15gも軽いことになるのである。だから、ダイエット・コーラの350ml缶を水の中に入れると、当然のごとくプカプカと浮いてきてしまうわけである。一言で言えば、通常のコーラが「溶け込んでいる砂糖(糖分)」の重みでブクブク…と水の中に沈んでいってしまったのに対して、ダイエット・コーラの場合はダイエットのために砂糖をカットして人工甘味料を使ったため、砂糖(糖分)の重さ分軽くなって、プカプカと水に浮いたのである。

 …ん?砂糖を「ダイエットのため」にカットしたら、「その分軽くなって」浮いた…? そう、ナニワのおかんの「ダイエット・コーラはダイエットしたコーラやろ?ダイエットしたんやったら、その分軽くなるやん?」ニいう(一言で言えば)ワケのわからない超ヘリクツは実は見事なまでに正しかったのである。恐るべきは「ナニワのおかん」の野生の本能だ。私たちが、「コーラの糖分をアスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロースに置き換えた分…」なんて長々しく考えて計算するところを、何にも考えずに知性でなく直感だけで「ダイエットしたから、そら軽くなるやろ」と言い放つのだから…。恐るべき、(年を召された)女性の本能だ…。 _|‾|○
 とはいえ、えてしてナニワのおかんは、ダイエット・コーラではなくて35gもの砂糖(糖分)が入っている通常のコーラをガブ飲みし、まるで「水にブクブクと沈むコーラ缶」のようにブクブクと肥えていたりする。「コーラよりアンタがダイエットせなあかんちゃうんか!」とも思ったりはするのだが…。

実は日本のコカ・コーラの350ml缶はプカプカ浮かぶ…!?

日本産のコーラはプカプカ浮かぶ

 ところで、経済事情(一言で言えば私がビンボーだから)により、今回はコカ・コーラでなく、ダイエーで売っていた一本40円の米国産コーラとダイエット・コーラを使って実験をしてみた。しかし、それだけではどうかと思ったので、(大枚払って)一本だけ日本コカ・コーラの350ml缶を買って洗面台で水中に沈めてみた。…いや、沈めてみようとしたのである。ところが、日本コカ・コーラの350ml缶(右手前の赤い缶)は全然沈まずにプカプカ浮かんでばかりなのだ(右の写真)。ダイエー・コーラ(奥の赤い缶)と日本コカ・コーラ(手前右)の違いと言えば、ダイエー・コーラが355mlの内容量で、(米国コカ・コーラと違って)日本コカ・コーラが350mlであるということ、つまり(容器の容量が同じであるとするならば)浮力が日本コカ・コーラの方が5g大きく浮きやすいということと、(表示カロリーから予想すると)ダイエー・コーラの方が3g程度砂糖(糖分)の使用量が多くその分沈みやすいということである。もちろん、少し容器の体積も違う。それらは微妙な違いに過ぎないが、その微妙な違いにより日本産コカ・コーラは米国産コーラと違って水に沈まずに浮かぶのかもしれない…。

 ところで、この「水に浮かぶダイエット・コーラと沈むコーラ」ではないが、コーラ一つとってみても色々な科学を知ることができる。キャンプ先の川辺や夜店の水槽の中に沈んでいるジュース缶の中には、「沈むコーラの350ml缶」から「人工甘味料の化学」や「浮力という物理」や「ナニワのおかんのスゴさ」が詰まっている。日常で目にする景色の中には、色んな科学の入り口が潜んでいる。街中には数限りない面白い謎が満ちあふれている。

2013-06-10[n年前へ]

「目の色が違っても、眺める世界は同じ」は本当か!? 

 アジア人(黄色人種)の瞳は茶色を強く帯びていて、コーカソイド(いわゆる白色人種)は色差の大小に依存して茶〜灰〜青といった色になります。そんな「目の色が違う人」たちが見ている世界の色や明るさは、果たして同じなのか…それとも違うか?という議論があります。

 そんな時、よく言われる「答え」は「目の色が違うといっても、それは瞳中央の「瞳孔」の色が違うわけではなくて(瞳孔はほぼ透明で)、その周囲にある虹彩(あるいは周辺組織を含んだぶどう膜)の色が違うだけだから、見えている明るさや色は同じだよ!というものです。…この「答え」は「目の色≠瞳孔の色」という(ミステリーの種明かしのような)意外性があるがゆえに「納得感」「落ち」を与えます。

 しかし、その一方で、たとえば「私たちがほぼ瞳孔を通して眺めるにしても、虹彩を透過して瞳中に入ってくる光もあるよね?その光の影響は果たして無視できるものなの?」というツッコミがされたりします。…そこで、今日は「目の色が違っても」と「眺める世界は同じ」は本当か!?ということについて(日常生活にもとづくアプローチで)考えてみることにします。

 虹彩の厚みはおよそ0.5ミリメートル程度です。これはシャーペンの芯直径と同じくらいの厚みですが、(同じ”肉”で例えると)しゃぶしゃぶ・すき焼き肉の1/3〜1/4くらいの厚みです。そこで、しゃぶしゃぶ・すき焼き肉の光透過具合を思い浮かべてみると、結構向こう側の光が透けて見える気がします(参考:右写真)。…そこで約2ミリメートル弱の(滅多に口に出来ない…涙)しゃぶしゃぶ・すき焼き肉の透過具合を基準にして、0.5ミリメートルの虹彩が(メラニン色差が少なかった場合)仮に約0.1%程度の光が透過するものとしてみます。

 光が強い眩しい条件下では、瞳孔の直径は約2mmほどになります。一方、虹彩の直径は12mm 程度です。すると、瞳孔部分と虹彩部分に当たる光量比は(面積に比例するものとして)は π(2/2)^2とπ(12/2)^2-π(2/2)^2となりますから、約3:110となります。つまり、虹彩部分に当たる光量は、瞳孔部分に当たる光を基準にすると35倍程度になります。

 瞳孔部分が光を100%素通しにして、0.5ミリメートル厚の虹彩が0.1パーセントの光を透過してしまうとすると、「虹彩部分に当たる光量は、瞳孔部分に当たる光を基準にすると35倍程度」ということは「瞳孔を通る光量を基準にすると3.5パーセントの光が(瞳孔でなく)虹彩から目の中に入ってくる」という計算になります。…これは、決して無視できる大きさではないような気もします。

 「虹彩の色が違っても、眺める色は変わらない」と言われる一方で、「メラニン色素が不足するアルビノの人々は虹彩で眼球入光量の調節ができずに眩しさを感じる(羞明)」と言われたり「(灰色や青色といった)虹彩の色が薄い人は虹彩が褐色の人より”明るい”と感じやすい」と言われたりもします。

 「目の色が違ってもと「眺める世界は同じ」は果たして本当なのでしょうか!? …このナゾ、あなたならどう考えますか?

2014-11-28[n年前へ]

直径25mから200mまで!超ビッグサイズな空気砲を楽しもう! 

直径25mから200mまで!超ビッグサイズな空気砲を楽しもう!…を書きました。

 直径25mから200mまで…常識破りの超ビッグサイズな空気砲たちを眺めれば、いつも常識に捕らわれて・どうしたって狭くなりがちなわたしたちの世界が、少しづつ大きく広がって、そして見えなかったものが目に見えてくるのかもしれません。



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