2008-11-09[n年前へ]
■"What Happens in Vegas"
少し前、"What Happens In Vegas"(「ベガスの恋に勝つルール」)を観ました。決してA級の映画ではなく、それほど時間が経たないうちにタイトルを忘れられてしまうB級映画なのかもしれません、・・・けれど、面白い映画でした。ひとことでストーリーを表現してしまうと、主人公(キャメロン・ディアス演ずる)ジョイとジャックを中心に繰り広げられるラブコメディ、というものになってしまうのでしょう。しかし、同時に、何かふと考えさせられる、そして、そこで感じたこと・楽しんだことが湯冷めしないままに記憶(けれど、記憶の底)に残るような映画でした。
Ultimately, Jack and Joy discover and identify each other's admirable and loving traits. ・・・ Using a gambling metaphor, Jack tells Joy, "You bet on me and you made me want to bet on myself."
(from here.)
ジャックが、スロット・マシーンでジャック・ポット、それはまさにジャックの場所です、を当てたことから始まるストーリーは、(些細だけれどもとても的確な異性間の違い・他者への過剰な意識と自分の可能性を信じることができないといったこと・他者と自分の間で自分が自然に立つことができる場所といったものを、スクリーンに自然に浮かび上がらせるように思います。“What happens in Vegas, stays in Vegas” そんなラス・ベガスのキャッチフレーズとは違い、ラス・ベガスでの出来事がラス・ベガスでで終わらずに、その後も続くのです。
エンターテイメントとして誇張されて描かれてはいたとしても、スクリーンに映し出されている男女の姿、現代の等身大の男性と女性の姿そのままだと思ったのです。
"I'm really interested in stories about finding love or getting to know someone through dysfunction or adversity," says screenwriter Dana Fox. "I first came up with this story about two people who strangely get to know each other while divorcing. Around that time, I kept hearing the phrase 'What happens in Vegas, stays in Vegas' and thought, if it wasn't already taken, it would make a great title for a film.
(from here.)
2009-09-25[n年前へ]
■「のりしろ」という、ムダではない「ムダ」
瀧口雅仁「平成落語論─12人の笑える男 (講談社現代新書) 」から。
文化でいう「のりしろ」と言えばいいのか。ムダではない「ムダ」。あとになって切り捨てられるかもしれない部分があってこそ、芸というものの良し悪しは見えてくるのではと、最近強く思うのだ。
2009-10-15[n年前へ]
■世の中には「騙す人と騙される人」の二種類しかない
堀井憲一郎「若者殺しの時代 (講談社現代新書) 」中の「1989年の一杯のかけそば」から。
世の中には「自分は人を騙さない。でも人からも騙されずに生きていたい」というムシのいいことを考えてる人が多いこともわかった。僕は、世の中には「騙す人と騙される人」の二種類しかないとおもっている。
1 騙す人
2 騙される人
これで全部だ。どっちかを取るしかない。
どちらかを選ぶしかない。もちろん騙されるほうに立っても、大きく騙されることもなく生涯を終えられることもあるだろう。騙す側を選んでも、表立って人を騙すことなく、平穏に人生を過ごせる可能性だってある。でもそれは結果である。どっちのサイドにつくかはきちんと自分で決めないといけない。人生の成り行きは自分では決められない。
2010-01-17[n年前へ]
■人間とは他人と自分の心の間の感覚器集合に過ぎない
石黒浩の「ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) 」から。
「人間とは他人の心と自分の心にはさまれた感覚器の集合にすぎない」
見事なくらい、ロボット工学における試行錯誤を通じて、人間というものは何なのだろうか、ということを「単刀直入」に語る本である。どれだけ、「単刀直入」で「わかりやすい」かは、数頁本書をめくってみればすぐにわかると思う。
2010-01-19[n年前へ]
■悪用できない技術は偽物である
石黒浩の「ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) 」から。
「悪用できない技術は偽物である」
これが私の持っている一つの基準だ。技術とは世の中を変える可能性があるものである。逆に世の中にまったく影響を与えない技術は、意味のない技術であって、技術とは呼べない。その技術の使い方次第で、悪いこともできれば、よいこともできる。