2010-01-19[n年前へ]
■「飲食店」と「風俗店」の境界線は明るさにある (初出:2005年09月07日)
夏も過ぎて、秋の気配を感じるようになりました。太陽の光が差して「明るい」日中の時間もますます短くなっていることを感じます。
「明るい」と言えば、何事にも「ほど良い明るさ」というものがあります。例えば、勉強机の上面の場合だと750ルクスくらいがほど良い明るさだと言われています。勉強机の上があまりに暗かったりしたら、目が悪くなってしまいそうな気持ちになりますから、ほど良く明るい必要があるのでしょう。その逆に、「便所」の場合には、75ルクス程度が「ほど良い明るさ」だと言われています。こちらの場合には、便所の中があまりに明るく照らされていたら、何だかちょっと困った気分になってしまいそうです。だから、便所の場合にはある程度暗い必要があるわけでしょう。
こういった「大体このくらいの明るさがちょうど良い」というような「ほど良い明るさ」だけでなく、もっと厳格な「適正な明るさ」というものもあります。例えば、客に飲食をさせる店は「飲食店」ですが、客席の明るさが10ルクス以下になると、「風俗店」に分類されるようになります。同じようなサービスを提供していても、「飲食店」という名前から「風俗店」という箔が付いた名前に変わってしまうのです。
つまり、「飲食店」と「風俗店」の境界線の一つが「10ルクスという明るさ」であるわけです。ちなみに、客席の明るさが5ルクスよりも暗くなると、設備構造基準違反になってしまいますので、「違反、風俗店」というようにさらに名前が変わり、もっとパワーアップした箔が付いてしてしまいます。
社会の中の色んな場所の「明るさ」を眺めてみると、色んなものが見えてくるかもしれません。同じように見えるものでも、その明るさが違うだけで違ったものになってしまうように、社会の中にあるさまざまな境界線が見えてくるかもしれません。