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2009-03-23[n年前へ]

さまざまな「照らし方」に切り替えることができる「美術館の照明」 

 さまざまな「照らし方」に切り替えることができる、「美術館の照明」が欲しいと感じることがあります。光がまんべんなく当たった絵や彫刻を見たいと思うときもありますし、とても陰影の強くマチエールやダイナミックな彫刻の形がはっきりと浮かび上がって見えるような絵画や像を見たいと感じることもあるのです。

 また、穏やかな気分で見たいと思う時もあれば、作者の感情・勢いを感じてみたいと思う時もある。

 そして、部屋が朝日に照らされ始めたかのように見える照明の中で眺めたいと思うこともあるし、穏やかな夕日で赤く沈むような色調の色とともに絵画を眺めたい、と思ったりもすることもある。

 絵や彫刻を眺める人の視点(や身長)にあった、眺める人が何を見たいのかに応じた、時にはその時の気分に沿った、、さまざまな「照らし方」に切り替えることができる「美術館の照明」が欲しい。

2009-03-26[n年前へ]

説明(展示)パネルの表面光沢 

 「とても読みるづらい」と感じる説明(展示)パネルを見た。よく見かける展示パネルというものは、ザラザラした表面に説明記事や説明図が描かれている。しかし、その「とても読みづらい」と感じた説明(展示)パネルは、アルミフレームの中にA1サイズくらいの印刷された説明記事が入っており、その説明記事の覆うようにプラスチックシートがフレームに挟み込まれているものだった。

説明記事表面がプラスチックシートで覆われていて、しかも、部屋の照明が天井にいくつもあるために、説明記事を読もうとすると、照明がプラスチックシート状に写り込み(反射し)、とても図や文が読みにくいのである。

 照明の写りこみが眺めている人の目に入らないように、照明光の向きがきちんと考えられているように配置されている場合は別として、説明(展示)パネルの表面光沢は、粗くないととても読みにくくて困ることが多い。説明(展示)パネルの表面光沢は適度に粗い方が好ましい。もちろん、その結果として、白っぽく淡く見えるようにはなっていまうが、「とても読みにくい」と感じることはない。

 このようなことは、ポスターなどにも当てはまると思う。テカテカで綺麗だけれど、照明が写りこみ読みづらいポスター、色鮮やかではないけれど読みやすいポスターのどちらが良いだろう。やはり、説明(展示)パネルの表面光沢は粗い方が良いのではないだろうか。

写りこみ






2010-01-19[n年前へ]

「飲食店」と「風俗店」の境界線は明るさにある (初出:2005年09月07日) 

 夏も過ぎて、秋の気配を感じるようになりました。太陽の光が差して「明るい」日中の時間もますます短くなっていることを感じます。

 「明るい」と言えば、何事にも「ほど良い明るさ」というものがあります。例えば、勉強机の上面の場合だと750ルクスくらいがほど良い明るさだと言われています。勉強机の上があまりに暗かったりしたら、目が悪くなってしまいそうな気持ちになりますから、ほど良く明るい必要があるのでしょう。その逆に、「便所」の場合には、75ルクス程度が「ほど良い明るさ」だと言われています。こちらの場合には、便所の中があまりに明るく照らされていたら、何だかちょっと困った気分になってしまいそうです。だから、便所の場合にはある程度暗い必要があるわけでしょう。

 こういった「大体このくらいの明るさがちょうど良い」というような「ほど良い明るさ」だけでなく、もっと厳格な「適正な明るさ」というものもあります。例えば、客に飲食をさせる店は「飲食店」ですが、客席の明るさが10ルクス以下になると、「風俗店」に分類されるようになります。同じようなサービスを提供していても、「飲食店」という名前から「風俗店」という箔が付いた名前に変わってしまうのです。

 つまり、「飲食店」と「風俗店」の境界線の一つが「10ルクスという明るさ」であるわけです。ちなみに、客席の明るさが5ルクスよりも暗くなると、設備構造基準違反になってしまいますので、「違反、風俗店」というようにさらに名前が変わり、もっとパワーアップした箔が付いてしてしまいます。

 社会の中の色んな場所の「明るさ」を眺めてみると、色んなものが見えてくるかもしれません。同じように見えるものでも、その明るさが違うだけで違ったものになってしまうように、社会の中にあるさまざまな境界線が見えてくるかもしれません。



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