2010-04-25[n年前へ]
■すさまじいほどたくましい中国の女性たち
星野博美の『現代中国女工哀史 』(レスリー・T・チャン 栗原泉 訳)への書評から。
ここに描かれる女性たちはすさまじいほどたくましい。前進するためならどんな嘘だって平気でつくし、だれも信用しない。(中略)その行き方は美しいとは言えないし、危なっかしく、まやかしに満ちている。しかし彼女たちが裏切らないものが一つだけある。それは自分自身だ。
皮肉だが、中国の根深い性差別が彼女たちを強くさせていることは否定できないだろう。女性は息子のようには大事にされず甘やかされないから、自分で生き方を決めるしかない。
中国の田舎を車で走ると、「B超」という看板を掲げた小さな家を道路沿いに頻繁に見ることができた、という。それは、「B-超音波スキャナー」に由来し、体内の胎児を超音波検査で見ることができるというものであり、つまりは、一人っ子政策のもとで女子でなく男子を生むために必要とされているものだった。その「B超」というテクノロジーの詰まった名称を高々と掲げる看板と、その看板を掲げる病院の数を見ると、思わず言葉に詰まるくらいだった、という。
そんな「B超」という名前の事前確率を乗り越えてきた人たちなのだから、そんな中国の女性たちがすさまじいほどたくましいことは、誇らしくも当然であるような気もします。
2010-06-04[n年前へ]
■Yahoo!チャイナモール「Mac Pro」29,404円ナリ
Yahoo!チャイナモール、似ても似つかないケースで「Mac Pro」が29,404円で販売されている。(iPadも大量販売)
世界最大のEコマースサイトで、お宝の宝庫、Yahoo!チャイナモールで、似ても似つかないケースで「Mac Pro」が29,404円で販売されています。Mac OS X LeopardとWindows 7が動いちゃうみたいです。
2011-02-27[n年前へ]
■「ここは人間が工場の主人公だ」
「下丸子にある町工場で電車で通うようになって…」から始まる一節が、多摩川を眺めたことがあるガテン系なぼくらにとても印象的な、 小関智弘「町工場で、本を読む 」から。
世界の工場になろうという中国の産業の躍進ぶりは、テレビや新聞・雑誌でよく伝えられてきた。…どうせ行くのなら(中国の)町工場がいい。そこで働いている旋盤工と話がしてみたい。
優秀な機械を買い揃えて、安い労働力をふんだんに使って…というイメージとはほど遠いその現場では、現場の若い技術者や技能者が額を寄せ合って、日本ならとっくにスクラップになっている門型のプレスを改良して、電気部品の深絞りに挑戦していた。
いま管理のゆき届いた工場を見学すると、その職場の空気があまりに無機質なことに落胆してきた。それに比べるとここは人間が工場の主人公だ。
2012-08-31[n年前へ]
■50メートルの崖から落ちても「中国市民が作ったノアの方舟」に入っていれば大丈夫!
「網博週報」という(週刊で発行される)新聞を毎週眺めています。散歩道沿いにある中華料理屋の店頭に、いつも「ご自由にお持ち下さい」という張り紙とともに重ね置いてあって、その網博週報に書かれている「中国視点からの各種記事」を読むと、限りなく新鮮で面白いからです。
2012年8月24日 星期五 発行分に「中国一般市民がノアの方舟製作 人民を救えるのか?」という記事が載っていました。2年間かけて製作した「ノアの方舟」の実証実験を、今年8月8日に行ったところ・見事成功した!という時事紹介です。
中国義浙江省烏市の承認・楊宗福さんが2年間をかけて「ノアの方舟」を製作した。発生するだろう地球の災難に対応するためだ。
8月8日、楊さんが自作した「ノアの方舟」に入り、ほとんど垂直の50メートルの山の斜面から池に落ちて、人々に自分の発明成果を披露した。
この直径4メートルのオレンジ色の大きな丸いボールは、重さは6トン、水面で33トンを積載可能。
最も外側の層には、振幅減衰保護層を設計した。4層の3.5ミリメートルの鋼板で…300個の高強度の衝突吸収スプリングおよび75個のエアバックを設置。これらの装置は350トン程度の衝突を解消可能だ。
トラックを時速100kmでノアの方舟にぶつけても、中にいた人は全然振動を感じなかった。
このノアの方舟は直径4メートルの球形をしています。丸い「ノアの方舟」が崖から回り転がり落ちるとき、あるいはトラックに激突される時「中の人」は一体どんな状態になるんだろう?とか、回り落ちる方舟やトラックと衝突する方舟に、ぜひとも日本が誇るリアクション芸人である出川哲郎さんを搭乗させて欲しい!とか、あんなこんなな想像をたくましくさせてしまいます。と、そんな感じのオモシロ記事を読むことができたりするので、「網博週報」は実に面白いのです。
…ところで、「水面で33トンを積載可能」とありますが、直径4メートルの球が得ることができる水中での浮力は最大でもキッカリ・ポッキリ33トンになります(この数字が同じなのは偶然じゃないですよね、きっと)。ノアの方舟自体の(完全防備のための)重量を考えるなら、もしも33トンを積載したりしたら、水面に浮上することは(洪水の水が地表から去って行くまで)未来永劫できそうにない、ですね。
というわけで、『中国市民が作った「ノアの方舟」は「水に浮かばない船」だった!?』を書きました。
つまり、「方舟(はこぶね)」という名前に反して、このノアの方舟は、水底にただひたすらに沈む金属球体と化してしまうのです。
2012-09-10[n年前へ]
■「神秘の中国海軍潜水艦」や「量子通信衛星」「日本女性のイメージ」
今週の「網博週報」ネタ も面白い。「神秘の中国海軍潜水艦」や「中国、2015年をめどに量子通信衛星の打ち上げを目指す」「外国人から見た日本女性のイメージ」など、楽しめる記事がてんこもり*。
*てんこ盛り(天こ盛り、てんこもり)とは、食器などに食べ物を堆く(うずたかく、盛り上がって高く)盛ること。また、その様子、その盛ったもの。山盛り、てこもりと同義。転じて(よくプラスイメージの)ものが豊富にある様子を「〜がてんこ盛り」と言ったりする。食べ物を普通より多く盛ることは大盛りという
スラッシュドットの「過去最長143kmでの量子テレポーテーション実験に成功、衛星通信も視野に」といった記事を読んだら、「中国なんか、再来年の2015には量子通信衛星の打ち上げ目指してるだぜ!?ワイルドだろ~!?」と言ってみよう!