hirax.net::inside out::2012年08月31日

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2012-08-31[n年前へ]

50メートルの崖から落ちても「中国市民が作ったノアの方舟」に入っていれば大丈夫! 

 「網博週報」という(週刊で発行される)新聞を毎週眺めています。散歩道沿いにある中華料理屋の店頭に、いつも「ご自由にお持ち下さい」という張り紙とともに重ね置いてあって、その網博週報に書かれている「中国視点からの各種記事」を読むと、限りなく新鮮で面白いからです。

 2012年8月24日 星期五 発行分に「中国一般市民がノアの方舟製作 人民を救えるのか?」という記事が載っていました。2年間かけて製作した「ノアの方舟」の実証実験を、今年8月8日に行ったところ・見事成功した!という時事紹介です。

 中国義浙江省烏市の承認・楊宗福さんが2年間をかけて「ノアの方舟」を製作した。発生するだろう地球の災難に対応するためだ。
 8月8日、楊さんが自作した「ノアの方舟」に入り、ほとんど垂直の50メートルの山の斜面から池に落ちて、人々に自分の発明成果を披露した。

 この直径4メートルのオレンジ色の大きな丸いボールは、重さは6トン、水面で33トンを積載可能。
 最も外側の層には、振幅減衰保護層を設計した。4層の3.5ミリメートルの鋼板で…300個の高強度の衝突吸収スプリングおよび75個のエアバックを設置。これらの装置は350トン程度の衝突を解消可能だ。
 トラックを時速100kmでノアの方舟にぶつけても、中にいた人は全然振動を感じなかった。

 このノアの方舟は直径4メートルの球形をしています。丸い「ノアの方舟」が崖から回り転がり落ちるとき、あるいはトラックに激突される時「中の人」は一体どんな状態になるんだろう?とか、回り落ちる方舟やトラックと衝突する方舟に、ぜひとも日本が誇るリアクション芸人である出川哲郎さんを搭乗させて欲しい!とか、あんなこんなな想像をたくましくさせてしまいます。と、そんな感じのオモシロ記事を読むことができたりするので、「網博週報」は実に面白いのです。

  …ところで、「水面で33トンを積載可能」とありますが、直径4メートルの球が得ることができる水中での浮力は最大でもキッカリ・ポッキリ33トンになります(この数字が同じなのは偶然じゃないですよね、きっと)。ノアの方舟自体の(完全防備のための)重量を考えるなら、もしも33トンを積載したりしたら、水面に浮上することは(洪水の水が地表から去って行くまで)未来永劫できそうにない、ですね。


 というわけで、『中国市民が作った「ノアの方舟」は「水に浮かばない船」だった!?』を書きました。

 つまり、「方舟(はこぶね)」という名前に反して、このノアの方舟は、水底にただひたすらに沈む金属球体と化してしまうのです。

50メートルの崖から落ちても「中国市民が作ったノアの方舟」に入っていれば大丈夫!50メートルの崖から落ちても「中国市民が作ったノアの方舟」に入っていれば大丈夫!