2014-11-02[n年前へ]
■RicohのThetaを背負って街を走り、360度全天周写真なタイプラプス動画を撮影してみよう!?
リュックの中に長い一脚を入れ、その一脚の先端にRicohのThetaを取り付けた状態で街を走り回り、360度全天周写真なタイプラプス動画を撮影してみました。
5秒間隔で写真を撮ると、自転車の速度でも、かなりなカクカクと離散的な画像になります。また、天頂方向が少しずれているせいで、(Thetaの天頂補正情報を使わない座標変換コードを書いてしまったので)地平線近くの変換がおかしくなっていますが…こんな撮影をしてみるのも面白いものです。
それにしても、なぜいつもRicohは11月に入ってから、Theta(の新型とか)を発売するんだろうか…。10月下旬前に発売してくれていれば…。
2015-11-27[n年前へ]
■Ricoh ThetaSで全天周/HDR/立体動画の撮影に挑戦してみる その1
周囲360度、もう少し正確に言えば立体角にして約4πステララジアンの全天周を撮影することができるRICOH RICOH THETA S の撮影動画を、よりリアルに拡張してみたくなりました。そこで、「HDR(High Dynamic Range)」「立体(奥行き)」という2つの軸、つまり、明るさの幅と階調性および3次元的な距離感を、複数のThetaSを組み合わせて撮影する実験を始めました。
本来、ThetaSは2台の魚眼撮影を表裏にコンパクトに組み合わせることで、全天周撮影を可能にしているところに特徴(および特長)があります。それに対して、HDR撮影や立体撮影を行いたい場合は、役割が異なる複数のカメラを概略球面状に配置するような構成にしたくなります。そのため、多数のThetaSを組み合わせて全天周/HDR/立体動画を撮影しようとすると、「非常にバランスが悪い」構成になってしまいそうです。そこで、今回は、最小限のRicoh ThetaS2台をコンパクトに使い、全天周/HDR/立体動画の撮影に挑戦してみることにしました。
使うシステムは、右画像のように2台のThetaSを配置した機材です。ひとつは2台のThetaSを3脚上に鉛直に配置したもので、もうひとつは水平に配置したものです。このような配置にした上で、HDR撮影を行いたい場合には、各ThetaSの露出条件を変えつつ動画撮影を行い、異なる2種の露出による動画を組み合わせてHDR全天周動画を撮影します。また、それぞれのカメラから撮影された画像の「視差」から、奥行き情報(距離マップ)を作成することで、3次元情報も持った全天周動画を作りだそう、という狙いです。
- 水平配置:正面(前方)および背面(後方)に対しては、各カメラで撮影された映像をそのまま左右の目用の画像として用いれば、自然な立体動画を撮影することができます。ただし、(左右にカメラが配置されているため)左右方向には他カメラが写っていて、全天周撮影が一部阻害されているというデメリットがあります。また、左右カメラから視差(距離)情報を得ることができるのは、正面・上面・下面・背面を”黄道”状にとりまく領域で、左右方向には距離を(理想的な場合ですら)得られない方向があります。また、HDR撮影する時には、左右カメラが担うべき露出役割には、特に必然性はありません。ひとことで言うと、「前後方向には(HDR撮影を行わなければ)安易に立体視ができる」システムです。
- 鉛直配置:鉛直上下に配置することで、上部カメラには全く「他カメラにより遮蔽される領域(ケラレ)」はありません。また、景色というものは一般的に、上部と下部で明るさが大きく異なっているのが普通です。たとえば、星空と街の夜風景、あるいは、明るく輝く太陽や雲と、木陰に隠れた暗い領域…つまり、この構成では上部カメラと下部カメラの露出条件には必然性が生まれます。また、上下部カメラから直接立体視をすることはできませんが、鉛直方向2台のカメラの視差から距離情報を得ることができる方向は、水平方向360度の領域です。距離情報を知りたいのは、周囲水平方向に近いところにある物体であることも多いですし、「頭上方向には無限遠の距離に空があり、足下には地平線まで続く地面がある」という仮定を用いたりすることができます。こちらの構成をひとことでいうと、「変態的構成だけれども、最小限の構成で最大の効果を得ようとする(けれど頭でっかちの計画っぽい)システム」です。
というわけで、これらの機材を11月の満月の時期、タイのスコータイ・チェンマイ・バンコクに持ち込んで、遺跡やお祭りや街風景を撮影してみることにしました。(続く)
2016-01-17[n年前へ]
■エッシャーが作り出した3次元球体彫刻を「全天周投影」して眺めてみたい!?
不思議な幾何学的世界を描いたオランダの画家エッシャーは、現実に触ることができる立体物つまり3次元体のアートも作り出しています。1940〜1950年代にエッシャーが作った3次元球体彫刻を眺めていると、なぜだか「あまり面白くない」と感じました。
その理由を考えると、3次元球体を眺めても、そのごく一部しか見通すことができないためではないか?と感じました。球体の表面に「空間を規則正しく埋め尽くす模様」が描かれていたとしても、部分的にしか「見えない」ために、2次元平面に描いた作品で感じるような「空間が不思議に意味を持った模様で埋め尽くされている」という印象を、ほとんど受けないのです。だから、今ひとつ面白く無い…と感じてしまうのではないか?と感じたのです。
空間表面を規則正しく充填する作品は、手に持てるような物体として表現するのではなく、自分を360度の全方向から包み込む(プラネタリウムのような)全天周画像として投影し、その世界の中に入り周囲4πステララジアンの空間全てが不思議な模様で連続的に埋め尽くされている風景を眺めた方が面白いような気がします。
「プラネタリウムドームに投影するエッシャーの世界」の上映会…眺めてみたいと感じる人・やってみたい!と思う人たちが少なからずいるのではないか?と想像してみたりします。
2016-01-26[n年前へ]
■M.C.エッシャーのRelativity"を全天周で眺めてみよう!?
「手作りプラネタリウムと3D映像全国出張投影」の工房ヒゲキタさんに会いに、新宿2丁目近くの中華料理屋に行った。せっかくなので、以前から「M.C.エッシャーの立体世界を全天周プラネタリウムで眺めると面白いはず」と思っていたので、そんな雑談をするために3Dデータを(下に貼り付けた既存データを使って)作ってみた。
エッシャー自身も立体的なアート、周期的パターンが繰り返された球状の木製模型を作っていたりする。…けれど、それらは実際に眺めてみても結構つまらなく感じられてしまう。なぜかと言えば、そんな風に緻密に空間を埋め尽くしたアートであったとしても、そのごく一部しか眺めることができないとしたならば、新鮮さや面白さがほとんど消え失せてしまうからだ。
だとしたら、エッシャーの非現実かつ現実的な世界に360度全天周で入り込むことができればとても興味深いはず!というわけで、今朝は、幾何学的に無矛盾な "Relativity" を全天周で眺める準備をしてみた。幾何学的に無矛盾というのは、四方に配置された階段や壁は、そこに佇む人の向きが無重力で不思議なだけで、3次元空間的に特に不思議なところがあるわけではない、という意味だ。
エッシャーが作り出した、非現実だけど妙にリアリティを備えた世界に入り込み、周囲の世界全てが奇妙に埋め尽くされていたとしたら…きっととても新鮮で楽しいと思う。M.C.エッシャーのRelativity"の世界は、全天周のプラネタリウムで眺めてみたら、絶対楽しいと思う。
2016-06-05[n年前へ]
■Ricoh Theta Sに撮影した風景はHMD(Oculus) で眺めた方が「あの時感じた風景」を思い出せるかも!?
昨年(2015年)の11月の満月の時期は、リコーの全天周カメラをタイの古都(スコータイやチェンマイ)やバンコクで持ち歩き、さまざまな条件の撮影を(コード書きつつ)トライしていました。今日は、その時にThetaを中心とする4πステララジアンの全方向風景をヘッドマウントディスプレイのOculus Riftで眺めてみました。…面白いのは、その時に眺めていた「気球上げコンテスト」や、みんなで借りた(チェンマイの安くて美味しい鍋屋さんに向かう途中の)乗り合いタクシーに乗っている時の感覚や、飲んだ後にピン川近くを歩きつつ眺めた空へと流れていく気球灯籠の景色は、妙味に沿った方向に視界を遮られたHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で眺める映像の方が、「的確」かも…と感じたりします。
11月の満月の夜、最近10年くらいはタイのチェンマイに行くことにしています。昔、あの時眺めた景色を、あの時の視点から眺めたならば、一体どんなことを感じるのだろうか…?と考えたりします。
空に灯籠を流す11月の満月の夜、初めてチェンマイ空港に着く前に、飛行機の窓から不思議な星空が見えたことを思い出します。その満点の数限りない星に見えたものが、全て空に流された灯籠だったと気付いたのは、空港に、そして街に着いてからでした。
あの時眺めた風景を、その風景を眺めながら感じたことを、可能な限り伝えるための「道具」を探してみたくなります。