2010-09-17[n年前へ]
■坂を登る?ビー玉のナゾ!?
一瞬不思議に思えるけれど、よくよく考えてみれば当たり前なのか・・・と納得すると同時に新鮮に感じるこということが日常には溢(あふ)れています。そんな体験を、たとえば、「ビー玉」と「箸」で体験することができます。
2本の箸先をくっつけて「ハの字」状に置きます。日本の箸は先が細くなっていますから、真横から見ると、ちょうど箸が斜面を作っているような具合に見えます。この箸先部分でビー玉を挟むようにビー玉を置くと、ビー玉は一体どうなるでしょうか?
答えは下の動画のように、ビー玉は(箸の手元側に)転がっていきます。まるでビー玉が坂を登っていくかのように見え、ビックリするかもしれませんが本当です。手元に似たような材料がある方なら、同じような実験をしてみると面白いと思います。
しかし、よくよく眺めてみると、坂道を登っているように見えるビー玉ですが、ビー玉自体の高さは下がっていることがわかります。一見坂道の「上側」には見えますが、箸の手元側に転がった方が、実はビー玉は「下」に移動していることになるのです。それは、その方向に移動しすると、箸がビー玉の横の高い部分で接し・支えられるようになるために、ビー玉の位置は低くなるのです。そのため、ビー玉は(箸の手元側に)転がっていきます。
身の回りにあるものを、色々組み合わせて見れば、「身の回りの科学」「日常のマジック」をたくさん楽しむことができるだろうと思います。
2011-06-18[n年前へ]
■オッパイ星人の力学 揺れるバストの集団同期 編
1億数千万の人々を14個のおっぱいに例えてみた
A:おっ?久しぶりじゃないか!
B:久しぶりどころか、大学を出て以来だから、もう10年振りくらいだなぁ。
A:最近はどうしてたんだ?
B:そうだなぁ。マスメディアから口コミレベルまで「みんな同じ方を向く」ような空気に、何だかどんよりした気分になってたなぁ。
A:いわゆる人間集団の力学ってヤツだな。ありがちな話さ。
B:そういうおまえはどうなんだ?確か、10年前は「疑似オッパイ」に関するダランベールのパラドックスを解いていたが、最近は一体何してるんだ。
A:よく聞いてくれたな!実はちょうど、まさに人間集団の力学を解き明かしたところだったんだ!
B:すごいじゃないか、この「みな同じ方を向きたがる」集団行動のメカニズムを解き明かしたのか?
A:あぁ、そうだ!題して「揺れるバストは均質である限りにおいて集団同期する、等質な揺れるバストはみな同じ方を向きたがる、の法則」だ!
B:えっ、この日本の人間集団の力学を、おっぱいの力学で説明できるとでもいうのか?
A:何を言ってるんだ。おっぱいこそが人間を生み育てた原動力なのだから、おっぱいに育てられた人間の動き・人間関係の力学をおっぱいの力学で説明できないわけがないだろう!
B:確かに人間を生み育てたのはおっぱいだとは思うが…それにしても、変わってないなぁ。
A:まずは、揺れ動く日本列島の上に立つ人々を、こう例えてみることにしようじゃないか。「バネでつるされ、自由に揺れ動く板」の上に立つ7人の人々だ。そして、その7人の人々が胸に抱える7×2=14個の同じサイズのおっぱいだ。
B:なるほど、地震で揺れ動く日本列島を「バネでつるされた板」に例えてみたわけか。で、一億数千万の人々を…14個のおっぱいに例えてみた…と。
A:そして、おっぱいのモデルは年齢項をヤング率として繰り込んだ弾性体モデルを採用している。
人生の長期間にわたるおっぱい問題を考えるには、「おっぱいは粘弾性体として取り扱うべき」というのが最近の主張なのだが、今回のような問題では年齢項をヤング率として繰り込んで、弾性体として扱ってしまえばいい。
B:「都合の悪いところ・面倒くさいところは繰り込んでしまえばいい」の原理だな。
A:そういうことだ!そして、7人のおっぱいは、初期においてそれぞれランダムな方向に動いているものとしよう。1人が胸に抱えるおっぱいは同じ方向に動く、つまり、2個単位でランダムな方向に動いているわけだ。ちなみに、おっぱいはすべて一次元方向のみに拘束されている。
B:上下方向にのみ動くというわけか。
A:そうだ。母なる地球重力と、母ならぬ乳の弾性力でおっぱいは上下にのみ揺れ動く、そんなシミュレーション計算をしてみたのが下の動画だ。一番左の灰色の丸は、バネにつるされた「板」の動きを示していて、その右に並ぶ2個ペアーの半球がおっぱいの動きを示している。
B:普通にランダムに動いているだけに見えるが…おぅおぉ−!いつの間にか、7×2=14個のおっぱいがみんな同じ方向に動いているぞ!
A:そうだろう。それぞれ異なる乱雑な動きをしていたはずのおっぱいでも、同じ土台を揺らしあいつつその上に立っていると、その土台の揺れを介して、すべてのおっぱいは同じように動くようになるんだ。
B:すごいぞ!これこそまさに、ここ数ヶ月悶々とさせられていた「マスメディアから口コミレベルまでみんな同じ方を向く」現象そのものじゃないか!
A:やっとわかったか。人ならぬおっぱいたちは、互いの動きをコミニュケーションならぬ「板」を少しずつ動かし合い、その板はすべてのおっぱいからの力を受けて動き出し、そして、おっぱいたちがその板に引っ張られつつ動きだす。その結果、すべてのおっぱいならぬ人々が同じ位相に同調してしまうのさ。
B:いや、すごいぞ。…いつの間にか、14個のおっぱいが日本列島の上に立つ一億数千万の人々に、確かにそのように見えてくるな。
A:身の回りには、一見違うように見えても、相似な現象がたくさんある。人とおっぱいだって、そういう相似形だってことだな。
B:ところで、疑似おっぱいに立ち向かっていた時には、ナヴィエ・ストークス方程式を駆使して「青少年のための安全な擬似おっぱい」を提案していたよな。
A:あぁ、時速60kmの風を受けずとも「レイノルズ数も大きく・密度も大きい水中で、風呂で手をひとかきすれば良い」と提言したな。
B:今回も何かそういう「策」はないのか?「みんな同じ方を向く」ような空気を変える何かの「策」はあったりするんだろう?
A:当たり前だ!現象を説明するだけでは、それは科学かもしれないが、日本が誇る技術ではない。右手に現象把握、左手に「どうするべきだ」という改善策、そのふたつを兼ね備える、それが技術のあるべき姿だ!
B:おぉ、いい感じじゃないか。…で、おっぱいの力学ならぬ技術は日本に一体「どうすべき」と言うんだ!?
A:「多様性」だ!さっきの「みんな同じ方を向いてしまう」という結果は、元のおっぱいが「同じようなもの」ばかりだったことに起因しているんだ。多様性を持つおっぱいでは、あぁいった集団同調は、実は生じないんだ。それを示すのが7人のおっぱいをAカップからGカップまで、違いを持たせて割り振ってみた下の動画だ。
B:多様性をカップサイズで語る辺り、…まったく変わってないなぁ。
B:おぉぉ、…確かに違う。…今度は、みなそれぞれ違う動きのままだ…。そうか、そういうことか…。
A:そうだ、AカップBカップ…カップサイズがみな違うように、もう少し多様性があれば、結果は変わってくるのさ。「みな同じ方を向きたがる」集団行動のメカニズムはそもそも「動き・応答性」が極めて均質なところから始まっているんだ。
B:卵が先か鶏が先か…って感じもするが、なんか14個の揺れるおっぱいを通して、揺れ動く一億数千万の人々の動きが少し見えてきたような気がするよ。
A:そうだろう。おっぱいから見えてくるものは結構多いんだよ。
B:ところで、エクセルで計算してないか、これ?
A:…あ、あぁ。
B:確か、大のエクセル嫌いだったよな?いつの間にか、エクセルを使うようになってたのか?
A:…毎年この時期は「エクセルでシミュレーションを学ぶ」という講座運営を手伝っていてな、エクセルの使い方を思い出すために、普段使わないエクセルを使うようにしてるんだよ…。1年に1回しか使わないから、使い方よくわからなかったりするんだけどな…。しかも、使い方覚える前に、すぐバージョンが変わって、インターフェースも丸っきり様変わりしていたりして、大変なんだよ…。
B:変わってないなと思ったが、変わったところもあるもんだな。
A:…まぁ、そんなもんかもしれないな。たとえるなら、おっぱいがヤング率次第で変わるところもあれば、変わらないところもある、それと同じってことさ!
B:多様性があって、変わらないところもあれば・変わるところもある。それこそが、粘弾性の「おっぱい」ならぬ人間というものなのかもしれないな。
2011-12-01[n年前へ]
■ビリヤードの「バタフライ」トリックの「配置図」
「おっ?これは!」と驚かされるビリヤードのトリックショットに「バタフライ」があります。ビリヤード台の中央近くに6つの玉を置き、それらに手玉をぶつけ、一撃で6つの玉をすべてポケットに落とすというテクニックです。
バタフライの玉配置をまずは単純に描いてみると、下図のようになります。左右対称に3つの玉をくっつけた状態で置き、左右にある3つの玉と3つの玉の(玉の大きさの2/3ほどの)隙間に手玉を打ち込む、という具合です。図を眺め、そして玉の動きを実際に眺めていると、玉配置の妙(たえ)に感嘆させられます。玉同士が衝突する際のズレやすべりを経て、6つのポケットへと玉が放射状に転がっていく動きを作り出す仕組みですが、実に絶妙です。(参考:スローモーション動画)
ビリヤードのゲームソフトなどは、こういう動きをどのように再現しようとしているのでしょうか?玉の動きを単に剛体球として計算しようとすると、このバタフライのようなトリックは再現することができないでしょう。だとすると、ボール同士の接触が時間をかけて行われるような(たとえば個別要素法のような)計算を(パラメータ調整などで)「らしく」適当に実装しているのでしょうか。
もしも、ビリヤード玉の衝突後の動きを予測・表示するAR Poolを使って、このバタフライトリックを眺めてみたら、一体どういう「未来予測」がされるのでしょうか?
それにしても、「単純なシステム」なのに驚かされること・面白いことが、世の中には意外に多くあるものです。
2011-12-10[n年前へ]
■「水風船モデル」のバスト形状再現を実験的にやってみよう!?
以前、バストを「水風船」のようなモデルで近似した上で、バストの形状シミュレーションをしたことがあります。
「水風船バストモデル」における内部の水には重力がかかり、バストの下の方にいくほど圧力がかかっている。そして、皮膚に面している内部の水はその圧力を皮膚に伝える。そして、皮膚はその圧力で変形しながら水で満ちたバストを支えるのである。今日は、そんな水風船モデルにもとづくバスト形状に関して、再現実験をしてみることにしました。つまり、水風船に水を入れて膨らませ、その水風船の(断面)形状を眺めてみることにしたのです。
オッパイ星人の力学 第四回〜バスト曲線方程式 編
小さな水風船に水を入れた上で、水風船をギュッと握ると、下の写真のようになりました。このサイズの水風船では「(皮膚の)ハリ」が良過ぎるようで、少しは垂れるとはいえ、ほぼ半球状になってしまいました。
風船は、あまり膨らませていない状態では、中の圧力が高いものです(参考:続 「小さな風船」と「大きな風船」の圧力はどちらが高い!?)。…というわけで、次回はもっと大きな風船で、つまりはもっと大きく・巨大な「バスト」での実験をしてみたい、と思います。
小さいバストほど魅力的だと母に教えられて育った。しかし、大きいバストが好きな男性がいることに気付いて驚き、「なぜ」と考えたのが研究のきっかけだった。
(中略)
「大きいバストが本当に普遍的に好まれるかを知りたい。控えめなバストが淘汰されてしまうとは考えたくないから」と話す。
東大大学院の東海林さん( from オッパイ星人の力学 第四回〜バスト曲線方程式 編 )
2012-08-02[n年前へ]
■数学ソフトウェア Geo Gebra でハロー・オッパイ!
数学ソフトウェア GeoGebra(説明)がなかなか面白そうなので(参考:Fallen Physicist, Rising Engineer)、夏の自由研究がてら、少し使い始めました。
どんな言語を使うときも、一番始めに書くべきコードは、Hello World! それはイコール「こんにちは赤ちゃん、私がママよ」という声に導かれ・この世に生まれ来る赤ちゃんが目にする景色、つまりは、(いつものように)ハロー・オッパイ!です。…というわけで、下に貼り付けたのは、「(各微小領域における)バスト重みと肌の張力が形作るオッパイ曲線」です。
「水風船バストモデル」における内部の水には重力がかかり、バストの下の方にいくほど圧力がかかっている。そして、皮膚に面している内部の水はその圧力を皮膚に伝える。そして、皮膚はその圧力で変形しながら水で満ちたバストを支えるのである。
オッパイ星人の力学 第四回〜バスト曲線方程式 編
この動画は、オッパイの表面(境界)の各部分にかかる力を元に、張力を計算し、張力を曲率に(テキトーに)換算を行った上で、曲率=2階微分値を2階積分した結果をGeo Gebra でインタラクティブに図示した図を(大雑把に言えば)、パラメータを適当に動かすことでアニメーションにする…という具合で作られています。
使った数式は、下のようになります。あなたも、自分好みのHello World!ならぬハロー・オッパイを作り出してみるのは、いかがでしょうか?
左でスライダーを使ってパラメータ設定をしている部分は、きっと望ましくは(スライダーで調整するのではなく)「バストのX=0すなわち根元における傾き」を直線で表現し・その直線を動かし・調整する、という方が自然なのかもしれませんね。