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2007-09-10[n年前へ]

Railsと線路 

 「科学技術が世間に浸透するには20年かかる」と坂村健が言っていた。コンピュータもインターネットも、どんなものも人々の生活に広まるには20年かかる、と言っていた。

 時代とともに弱者は変化していくため、ある時期に特定のグループに所属する人たちを弱者と認定しても、将来そうでなくなることがある。
 Ruby on Railsを触り始めて半年経った。「Railsって面白いですね」と言ったら、「そういえば一昨年くらいにRailsが流行りましたね」と言われたりもして、そんな言葉を背中の汗と共に聞きつつ、Railsを、楽しくいじってきた。

 Rails をいじっていて、"Rest of us"として「良いな」と思ったのが、「簡単に遊べて、簡単に沼の深みに足を踏み出して行ける」という感じだった。もう少し言い換えると、「そこまでの筋道を全部ちゃんと作ってくれる」という感じだ。

 たとえば、Rails で気楽にコードを書くと、JavaScriptまで本当に簡単に生成してくれる。JavaScript に対する苦手心に満ちあふれていた私にも、Rails はJavaScriptのコードを優しくちゃんと生成してくれる。

 経済学はどのような人間の行動もありのままに受け入れてくれる。なぜなら、人間の行動に合理性があるということが経済学の考え方の基本にあるからだ。
 けれど、Rails のヘルパーやRJSが作ってくれるコードは、やりたいことには少しだけ足りない。やりたいことはできなかったりする。その「少しだけ足りないお手本のコード」に少しだけ付け足しをすると、やりたいことができるようになる。そして、少しだけJavaScriptへの苦手心とキライ心が減って、ヘルパーに頼る量が減っていく。

 同じように、とても簡単に使うことができるActiveRecordは、SQLの世界へ近づく「少し足りない良いお手本」だ。
 あの日描いた未来とは何か少し違ってるけど
 Rails というレールは、Edgeな人たちだけでなくて、"Rest of us"な私たちにもいいのかも、とふと思う。最初の「レール」は敷いてもらった方が楽な私たちにこそ良いのかな、と思う。
 思うに希望とは、もともと、あるものとも言えぬし、ないものとも言えない。それは、地上の道のようなものである。もともと、地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。

2008-01-12[n年前へ]

マギー司郎のコトバ 

 マギー司郎の「生きているだけでだいたいOK」という本の中で語られる言葉を読む。

コンプレックスのある人ほど、人の痛みとかに優しいし、相手の気づかいもよく見えるんだよね。でも、完璧に近い人には、そういうものが見えてないもんね。どこか欠けてる人の方が強いんだよ。弱さの強さだよね。だから、欠点はあっていいんだよ。

  マギー司郎 「生きているだけでだいたいOK」

 「弱者」のブログ「強者」のブログを読む。同じように、「弱い人」のブログ「強い人」のブログ も読む。一つのキーワードで繋がる日記から、たくさんのが見えてくる。色んなことを思い出す。

あの日描いた未来とは 何か少し違ってるけど

  斉藤和義 「真夜中のプール」 

2008-04-28[n年前へ]

Be "good loser", to be "good winner" 

If you aren't able to be a good loser you're not able to be a good winner.
   Halle Berry

(良い敗者になることができないなら、良い勝者になることはできない)

2011-03-12[n年前へ]

人がただ祈る姿 

 「自然の力」と「人間の力」 (初出:2005年09月02日)から。

 洪水や地震や津波や噴火・・・といったさまざまを起こす自然の力が強いように、弱い人間もやはりそれでも強い、と私は思います。だから、少し時間が経てばニューオーリンズの街も活気を取り戻していくのだろうと信じます。

 そう願いながら、酷い状況の景色だけでなく、とても綺麗だったニューオーリンズの写真を眺めたくなりました。だから、今日はこんな写真を飾ってみました。

 一番最後に置いた、右の写真はニューオーリンズの中心、そのフレンチ・クオーターのさらに中心にあるセント・ルイス大聖堂の中で見た景色です。人がただ祈る、そんな姿です。

 ハリケーン「カトリーナ」がニューオーリンズを襲った直後の"Google Maps"が矢継ぎ早に見せる姿には、開発陣の悲しみとも怒りとも何とも表現しがたたい、けれど、何かに立ち向かおうとする意志を感じたような気がします。

 そんな人の意志もまた、活気を取り戻していくための力になる、と今でも信じています。



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