2010-03-07[n年前へ]
■不況下に必要とされる「目の前の小さな幸せを大切にする能力」
酒井順子の「女も、不況? 」あとがきから。
不況が続いていけば、目の前の小さな幸せを大切にする能力は、ますます求められるものと思われます。二十年後に今の時代を振り返った時、「あの時代って、考えてみると意外に楽しかった」と思うことができるように、したいものですねぇ…。
2010-05-16[n年前へ]
■hodrick prescott excel add-in
The Hodrick Prescott Filter Add-In was written by Kurt Annen. This program is freeware.
■Hodrick-Prescott フィルタのナゾ!?
経済オンチ解消のため、まずは景気動向を眺めてみようとふと思い、景気データを解析する手法について調べてみました。その作業をする中で、景気データから周期成分を取り除き、トレンド成分を導く手法の"Hodrick-Prescott filter"が気になり、頭から離れなくなりました。
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Hodrick-Prescott filter"というのは、離散的な時系列データy(t)が与えられたとき、そのトレンド成分をτ(t)とすると、下記のような評価関数を最小化するようにτ(t)を定める、というものです。ちなみに、y(t)、および、τ(t)は、景気データを対数(log)値で示したものになります。
この式を眺めれば、第二項は二階微分を中心差分でとり、その結果をデータ全域にわたり積分したものだということがすぐわかります。つまり、(景気データを対数軸で示したときの)直線からのズレ・ジグザグ度合いです。その直線からのズレ度合いに定数λを掛けたものです。ちなみに、このλは離散データが三か月ごとのデータであれば、(多くの場合)1600が使われます。もしも、サンプリング間隔が密になれば、二階微分の結果が小さくなるので、それを補うように大きな値が用いられます。また、サンプリング間隔が疎であれば、二階微分の結果は大きくなるということで、ラムダには小さな値が用いられます。たとえば、サンプリング間隔が1年なら、(多くの場合…は以下省略します)λは100が用いられますし、月ごとのデータであれば、14400が用いられますが、これは「二階微分値に対し自乗をとっている」ことを考えれば(その自乗分に比例定数λを合わせようと思うなら)、なるほど、と思えるはずです。
また、第一項目は、トレンド成分と実データのズレ=取り除きたい周期成分、をデータ全域にわたり積分したものです。ということは、このHodrick-Prescott フィルタは、「実データにトレンド成分がなるべく沿うようにした上で(第一項)、トレンド成分がなるべく対数軸上で直線になるようにする(第二項)」というものであることがわかります。そして、その第一項目と第二項目に対するバランス(評価関数の重み)が、第二項に掛けられてるλで与えられる、というわけです。λが大きければ、「実データから”周期成分”を大きく取り除く=対数軸上で直線になるようにする」ことになりますし、ラムダが小さければ、「対数軸上での直線からのズレが大きくなってもいいから、実データに沿う=”周期成分”をあまり取り除かない」ということになります。
解説論文を読んだ印象は、この式のλは「米国景気データをもとにした合わせ込み(上手くつじつまがあうようにλを設定する)」で求められた結果であり、また、「対数軸上で景気動向は直線になる」という前提(背景)のもとに作られている、という具合です。(参考:「トレンドとサイクルの分解」の「実際には単位根の問題や成長率を問題にすべき点から、対数階差を原系列データにほど こしてから分析すべき」という辺り)
このHodrick-Prescott フィルタが頭から離れなくなったのは、「Hodrick-Prescottフィルターをかける前の変数変換」という、専門の先生による記事を読んだからです。この記事では、Hodrick-Prescottフィルタは「そのままの値」にかけるのか、「対数変換した値」にかけるのか、それは「対数変換した値」が一般的だろう、と説明された上で、
そのままの値にH-Pフィルターをかけた結果と対数変換した値にH-Pフィルターをかけた結果は基本な形状は変わらないはずですが、スケールが変わってしまうので注意が必要ではないかと思います。と書かれています。この説明を数式できちんと理解することができず(私は経済オンチであるのと同時に数学オンチでもあるので)、頭をひねっているのです。
疑問を何とか形にしてみると、それはHodrick-Prescottフィルタの評価関数が「対数軸上で景気動向は直線になる」という考えのもとに作られているの(ように見える)に対し(しかも、評価関数の第二項目は単に景気のトレンドを(与えられた軸で)直線にしようとする働きしか持たないにも関わらず)、線形値に対してHodrick-Prescottフィルタを掛けた場合、「対数軸上で現した場合に景気動向が直線になる」ようなトレンド成分が得られるのだろうか?本当に「基本な形状は変わらない」のだろうか?という疑問です。この評価関数を最小化しようとした場合に、対数軸でも線形軸でも「基本な形状は変わらない」のはどうしてだろう?という疑問です。
きっと、式を追いかけてみれば、あるいは、いくつかの例を解いてみれば、この疑問は解消する(理解できる)はず…と思えます。というわけで、とりあえず、この「Hodrick-Prescott フィルタのナゾ!?を解く(きちんと理解する)」ことを、メモ帳のTo Doリストに書き入れておこうと思います。
2012-02-15[n年前へ]
■「ポジティブ」という名前が付けられた「不況への案内図」
「不況」や「バブル」を生み出す機構は一体どんなものだろう?と考える「n年前へ」から。
ポジティブ・フィードバックからは安定な状態は生まれない。上がり続けるか、下がり続けるか、…結局は「発散」してしまうことになる。
(不況と呼ばれるこの時代に)平積みされる本が、もしも「節約ライフ」的な本だとしたら、景気にはまさにポジティブ・フィードバックが働いていることになる。それらの書籍は、不況への後押しをするポジティブ・フィードバックであり、「ポジティブ」という名前が付けられた「不況への案内図」なのかもしれない。
2015-09-06[n年前へ]
■「自動販売機の下にお金が落ちてる確率」は1/155=約0.6パーセント!
「自動販売機の下にお金が落ちてる確率」を計算するために、フィールドワークと言う名の下に「日の出と共に、懐中電灯もって自販機の下を除いて廻る作業」をしてきた。「お金が見つかるまで頑張って自販機の下を覗いて廻ろう」と心を奮い立たせながら街をウロウロしてみた。
その結果、調査開始後3時間経過した64個目の自動販売機で「1円玉」を発見した。たかが1円…されど1円、これでやる気が出てさらに廻って、トータル155個の自動販売機の下を覗いてみたけれど、結局自販機の下に落ちていた小銭は1円玉が一個っきりだった。
つまり、「自動販売機の下にお金が落ちてる確率」は結局トータル1/155=約0.06パーセントだった。ちなみに、日の出と同時に調査スタートしたので、他の類似作業をしてる人が「すでに拾ってる」可能性は低い状態でこの数字なんである。…ネットを検索すると「自販機の下にお金が落ちている確率は10%程度」なんて情報がヒットするけど、あれは間違いなく、今日調査した横浜あたりでは全くあてはまらない数字だ。今は小銭だって大事に扱われる時代なのである。